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【本編】Snow Labo. S2楽曲ごとの「ラボさ」とは|ライターが届けるアルバムレビュー

2022年9月21日にSnow Manが2ndアルバム『Snow Labo. S2』リリース。

コンセプトには、バラエティに富んだ音楽ジャンルや新しいことにトライしていく研究所(=ラボ)という思いを込めた。

前編の続き、今回は本編。メンバーセレクトの楽曲について1曲ずつレビューしていきます。

■前編はこちら(お読みいただくとよりお楽しみ頂けます)

楽曲の特徴

視聴者を巻き込む「JUICY」

リード曲であり宮舘選曲の「JUICY」。誰もが納得のリード曲。

ダンスとK-POPの世界的な流行と共によく聞くようになった”サビではほとんど歌わずダンスを魅せる楽曲”。「日本のアイドルがやったら酷いことになる」なんて声も少なからず上がる中で、Snow Manは怖気付くことなくそこに真っ向から向かっていった。

結果として中毒性のあるメロディーとダンスを用いながらJ-POPに見事に落とし込んだ。

そして、キャッチーで楽しすぎるグルーヴに視聴者を引っ張り込むのはSnow Manならお手のもの。

実際、TikTokでは「「#バランすのダンス」としてバズり、地上波で披露した際には毎回のようにTwitterのトレンド入りを果たしていた。

@snowman_mentrecording_j

#バランすのダンス 🕺」 #JUICY ハッシュタグチャレンジ開催中です!!! 9/21発売2nd ALBUM「Snow Labo. S2」収録「JUICY」の楽曲を使用して、ダンス、ジューシーなお料理などの動画を投稿してみてください🎶 #SnowMan #宮舘涼太 #向井康二 #深澤辰哉 #スノラボ #dance

♬ JUICY(サビver.) - Snow Man

ラボみ感じる「Tic Tac Toe」

HIPHOPという新たな挑戦と銘打ちラウールが選曲した「Tic Tac Toe」。これまでもSnow Manにいくつもの新たな風を吹かせてきたラウールだが今回も例外なく。

昨今の流れ的にSNSが普及し、流行る楽曲は3分程度のものが増えてきている。Snow Manのシングル表題曲も今作のリード曲「JUICY」もきちんとその流れを掴んでいる。それと比べて「Tic Tac Toe」は4分25秒と長め。

1曲がっつりHIPHOPをやってみようという、まさにラボみ(実験)を感じる。

間奏も十分に取られている。パフォーマンスが気になるところだ。

■(参考)2ndALBUM「Snow Labo.S2」詳細(視聴可能)

歌と演奏で2回楽しめる「Toxic Girl」

セクシー要素を補うためにセレクトしたという阿部選曲の「Toxic Girl」。

「セクシー」で言えば、前作「Snow Mania S1」収録の「Super Sexy」や「Suger」で履修済みなのでは?と思いきや、イントロで聞こえる佐久間の挑発的な表現でそれとは違うと悟った。

全体的に感じる異空間な雰囲気は阿部も注目ポイントとして挙げている「オリエンタルな民族楽器の音」だ。

歌詞の色気がありすぎてつい歌に聞き入ってしまうが、集中してその民族楽器の音を聞くと、驚いたことに全然違う楽しみ方ができるじゃないか。

組曲かと思うくらいメロディーごとに使っている音がどんどん変わっていく。

メインとしてシンセサイザー的な音が占領しつつも、重厚感やテンポのいいリズムを生み出しているのは「民族楽器」かなと予想できる弦楽器や木管楽器のような音だったりする。

サビ前→サビ→サビ中→ラップと流れで聞くと曲調の変化も捉えられてはじめての感覚。なんて楽しい楽曲なんだ。

ジャニーズの伝統を重んじアップデートしていく「ミッドナイト・トレンディ」

岩本選曲「ミッドナイト・トレンディ」。これは岩本のセレクトと聞いて納得の嵐だった。

岩本のパフォーマンスにはいつもどこかジャズっぽさを感じていて、抜け感や仕草のさりげなさなど大人っぽくて余裕を感じるなぁなんて見ていた。

これを軽やかにパフォーマンスする岩本が想像できるし、見てみたい。

加えてジャニーズへのリスペクトも感じるセレクト。ジャニーズがこれまで楽曲作成でお世話になってきた山下達郎さんを目印にしたような一曲で、ジャニーズならではのオリエンタル(東洋的な)な雰囲気を堪能できる。

作詞作曲編曲を担当したKINAMI UMIのプロフィールを覗かせてもらうと、「ブラックミュージックやAORをこよなく愛し」と書かれている。

AORとはアダルト・オリエンテッド・ロックのことで「大人向けのロック」を意味する。日本人のアーティストとしてはまさに山下達郎さんが挙げられる。冒頭、ジャズと表現したが「AOR」この表現の方が適切かもしれない。

大人っぽい雰囲気のバンドサウンドを是非楽しんで聴いてみてください。
2nd ALBUM「Snow Labo. S2」 特設サイト 岩本コメント

この曲の本当の凄さに気づいてしまった今、正直気持ちが「楽しんで聴いてみてください」どころの騒ぎじゃない。

1999年生まれの音楽家と令和のアイドルが創り出すジャニーズの新たなオリエンタルミュージック。もしかしてこれは時代と歴史が動くかも。絶対にまたコラボして欲しいんだが。

■(参考)KINAMI UMI OFFICIAL SITE

今後定番化もあり得る「BOOM BOOM LIGHT」

向井のルーツ・関西Jr.みを感じる選曲「BOOM BOOM LIGHT」
いつ聞いたって否応なく楽しくなれる。

「感じるままに身振り手振り、ただ伝えてくれるっきゃないでしょ」
「でも今夜の余韻は消えない」

歌詞にたっぷり含まれている理性を解放する言葉たちは会場を一体感で包むのにぴったりな一曲。

感染症の影響で興奮を表現することすら認められていなかった数年間。少しずつ規制が緩和されてきたこのタイミングでこの曲をセレクトしてくれるのが向井の優しいところだ。

今回のツアーの盛り上がり次第では定番曲になりそうな予感もする。ファンと共に育てるという意味でまさにラボ的。

■(参考)2ndALBUM「Snow Labo.S2」詳細(視聴可能)

ストーリーを楽しめる「キッタキッテナイ」

大好きな女の子に翻弄されるストーリー・佐久間選曲「キッタキッテナイ」

ストーリーが展開される曲はシングルではやりづらさがある。例えばテレビ披露の時に2番をカットされたり、尺の都合上短くしないといけなかったりすると物語が伝わらないからだ。

アルバムならではの挑戦。

アルバムに収録されている楽曲はほとんどが時間軸が存在しない曲でストーリー性のある楽曲は「キッタキッテナイ」と「ミッドナイト・トレンディ」。

2曲の中でも「キッタキッテナイ」は聞いていて楽しい。冒頭から絵本の世界を音にしたかのようで、ポピュラーな4拍子なのになぜかワルツ的な雰囲気を感じます。

最後に自分が謝っちゃうところがSnow Manっぽくて好きです。

佐久間さんは宮舘さんの「PartyTime」ファンですか?私もです。今年のツアーでは「Thinking time ,Here we go!」タイムが始まりまるのでしょうか。なんて神がかった歌割りなんでしょうか。どうもありがとうございます。


「Take you higher」をアップデートし続ける「Movin’ up」

バズらせの天才・深澤が選曲したのは「Movin’ up」。

Snow Manはデビュー当時からTOPを目指すことを豪語した勢いのある曲をいくつか歌ってきた。

まずもってデビュー曲「D.D.」が壮大な未来に向かった曲。
「Time has come」とラウールが切り出し、「Everybady Take you higher」と渡辺が宣言するところから始まる。

1stアルバムでは「I want to take you higher」と「EVOLUTION」で岩本が、
2ndアルバムでは「更にTake you higher」と「Movin’ up」で向井が宣言。

デビュー曲で掲げた「Take you higher」という宣言を毎年毎年アップデートさせている。たまたまかもしれないが、もしかしたら意図が隠されているかもしれない。

楽曲全体を通して最も「攻め」に徹底した一曲。ジャニーズJr.時代からSnow Manのライブを盛り上げてきた「Cry out」も彷彿させる。

このセレクトには深澤の野心とSnow Manへの信頼を感じる。Snow Manはやっぱこういく曲もなくっちゃ。

■(参考)Snow Man「EVOLUTION」Music Video

Snow Manの幅を物語る「This is LOVE」

どんな曲でもアーティスト寄りに仕上げるスキルを持っているSnow Manにとって渡辺選曲の「This is LOVE」は王道J-POPでありながらも、新鮮味がある。

曲を聞いて「また来たか」ではなく、「これもイケるのね」となるのが普段のSnow Manの幅を物語っている。

「This is LOVE」は本アルバムにおいても幅を持たせている存在。前に進むエネルギーを存分に感じる楽曲が続く中で「This is LOVE」のような前でも後でもなく今この瞬間の愛を語る楽曲に心落ち着かされる。

ここまで直球なアイドルラブソングを歌うことはSnow Manにとっては実験的。

渡辺セレクトというのがまた良い。「聞いている人が笑顔になってもらえたら」という普段はアピールするのを嫌う彼の中にあるアイドル性をダイレクトに受け取れて嬉しくなる一曲。

■2nd ALBUM「Snow Labo. S2」 特設サイト

「ボクとキミと」に込められたメッセージ

リード曲以外で唯一(※ユニット曲は除く)Music Videoも作成された目黒選曲の「ボクとキミと」。

こちらも目黒らしい一曲。ピアノの音が心地よく、彼の真摯さ・誠実さがそのまま表現されたような楽曲だ。9人の温かいメッセージ性のある表現が楽しめる。

メンバー1人1人で歌い繋いでいく歌割りは新たな挑戦。スピードが速い楽曲でも自分たちのものにできてしまうSnow Manだからこそ、ここまでゆっくりじっくり声だけに没入できるというのも新鮮で実験的

Music Videoの世界観だと一人一人が切なげな表情をしたり、涙を流したりしていて儚さを感じずにはいられないが、一方歌詞を聞く限りではじんわり温かい愛情や忙しない日常の中に見出す光や希望など、前向きさを感じる。

それが、Music Videoの最後の目黒の表情にも繋がるのかもしれない。

ライブで歌唱するとすれば、「ライブ以外の当たり前の日々の中に、僕(Snow Man)は君(ファン)の存在を頼りに前に進んでいるんだよ」というSnow Manからのメッセージも感じずにはいられない。

■Snow Man「ボクとキミと」Music Video

※今回はメンバーセレクトの楽曲にフォーカスした記事のため「ブラザービート」「Secret Touch」「Brand New Smile」やユニット曲は分析から外しています。

宣言通り私たちは歴史的瞬間を目撃することになった

結果的に8月3日、1分間の動画でタープライターに煽られた通り、歴史的瞬間を目撃したことになった。

Billboard JAPANの記事によると、

今年6月にリリースされたBTS『Proof』のフラゲ日売上479,214枚を上回り、2022年にリリースされたアルバムの中で最高のフラゲ日売上を更新した。
フラゲ日の段階でハーフミリオンを突破している本作は、BTS『Proof』を抜いて2022年にリリースされたアルバムの中で最高のフラゲ日売上を更新した。
billboard-japan.com

タープライターめ。まんまとやられた。


そして「Take you higher」という彼らのキーワード。

次はどんな高みを見せてくれるのだろうか。
ついていかないわけがない。

2022年もラボ(実験)を通して次々とアップグレードしていくSnow Man。

SnowManがそこにいる限り失敗はあり得ない。


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■Snow Man特集をしました!
2022年9月14日~21日のかけてSnow Man特集をお届けしました。
9人それぞれの魅力・Snow Manの魅力を執筆した記事をまとめました。


海瑠‐uru‐ | フリーランスライター・インタビュアー
日本のドラマ・映画を中心としたエンタメ記事を執筆。
ヒトやモノのこだわりを見つけ出す・聞き出す記事を書いています。



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海瑠-uru-
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