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第21ステージ(終)
今日で、今年のツールが終わってしまう。
各ステージのハイライトとはいえ、毎日観戦してきたのだから、これで終わりかと思うと、本当に寂しい。
最終ステージは、パリに凱旋してのパレード走行だ。
毎年、パリの郊外からスタートし、シャンゼリゼへ。コンコルド広場あたりから、凱旋門まで、1周10㎞の周回コースを10周する。
フランス各地を巡るツール・ド・フランスだが、その景色はほぼ田舎や山岳地帯。いきなり最後に、世界的な大都会、パリのど真ん中を自転車が駆け抜ける。
その風景は、とても華やかだ。
最終日は必ずこのコースと決まっているため、この日を毎年楽しみにしてきた。
素敵なパリの景色と、厳しい競争を終え、ホッとした表情の選手たち。ただテレビで観戦してきた私も、なぜか充実感に溢れつつ、その様子を見守る。
このステージ、最後の1周になると、スプリンター達が最後のステージ優勝を狙って、アタックを始めるが、タイムは全員一緒。つまり、もう総合順位は確定しているのだ。
そこで、マイヨジョーヌを着たフルームとチームメイトたちは、並んでゴールする。
優勝したフルームだけでなく、アシストしてきた選手たち全員の功績も大きい。誇らしげな彼らの表情が、それを物語っている。
今年のチームスカイは、完璧なレースを成し遂げた。
強く、冷静で、クレバーな走り。文句のつけようがない。
さて、グライペルの見事なゴールで、ステージ優勝が決まり、いよいよシャンゼリゼでの表彰式。
もちろん、マイヨジョーヌはこの人。
彼は、最高の走りで、最後までこの黄色いジャージを守り通した。メモを見ながらの、フランス語でのスピーチが泣けた。彼は、まずこの素晴らしいレースを開催してくれるフランスとその国民に感謝を述べた。
イギリス人である彼の、その配慮が素晴らしい。
最強にして、最高のマイヨジョーヌだ。
フルーム、おめでとう!!
そして、マイヨベールは、彼。
サガンは、今年のツール、なんと2位が5回。あともう少し、がんばりなさいよ、と言いたくなる彼。
でも、立派にポイントをこつこつ稼いで、今年もこの黄緑のジャージを着た。
なかなかのイケメンだが、スロバニア訛りの英語がカワイイ。来年こそ、ステージ優勝して、その訛りでスピーチする彼を見たい。
次は、新人賞のこの人。
え?ほんとに25歳以下なの?というくらい老けているキンタナ。
一昨年に続く2回目の出場で、堂々たるエースとしてマイヨジョーヌを狙ったが、総合順位は2位。
それでも、フルームを脅かす存在は、今大会彼だけだった。素晴らしい走りで、大いに魅せてくれた。
来年も、マイヨジョーヌを勝ち取るような活躍に期待したい。
山岳賞は、フルーム。
来年は、他のクライマーがもっと頑張ってもらいたいなぁ。
チーム優勝は、キンタナ・総合3位のバルベルデを擁するモビスター。9人中、8人が完走できたらしい。
リタイヤも多いツールで、チームの総合力の高さが現れている。
2015年のツール・ド・フランスが終わった。
少しずつでも、各ステージの感想を書いてきて、ただの観戦者としても、ツールを見る目を養えてきたような気もしている。まだ、分からないルールも多いけど。
今後も、観戦記を書くかは分からないが、ツールは見続けたいと思う。
そして、いつか、パリ・シャンゼリゼで凱旋レースを観戦したい。
猛スピードで駆け抜ける自転車を、この目で見たい。