6月①HK/変態仮面
真剣にバカをやる大人が好きだ。
この変態仮面の映画化に関わった人間の多くは、恐らくそんな種類の大人だ。
バカをやるなら、思い切りやらないといけない。変態仮面を演じるのは、鈴木亮平。惜しげもなく己の肉体美をさらしつつ、顔にはパンティーを被る。必殺技は、自分の股間を相手の顔に密着させること。
決めゼリフは、
「それは、私のおいなりさんだ。」
なんというアホさ!
なぜおいなりさんを顔に押し付けられただけで、そんなにダメージを受けるのか分からない。あと、高校を乗っ取って、地下に眠る埋蔵金を手に入れるという、壮大なんだかちっちゃいんだか、なんだか分からん目的のために、次々と刺客の仮面たちを送ってくる敵(ムロツヨシ)の存在も、全然意味が分からない。
しかし、そんな細かいことはどうでもいい。
何も考えずに笑えるバカバカしさがいい。どれだけバカバカしさを極められるか、それを真剣に考えた大人たちがいる、そう思うと楽しいじゃないか。
鈴木亮平は東京外国語大学を卒業した秀才。
能ある鷹は爪を隠し、しかし肉体美や強調された股間は全く隠さない。素敵だ。どんなに売れても、この仕事をしたことを誇りに思っているであろうことも、好感が持てる。
さらに、変態仮面のマドンナを演じる清水富美加も、ニセ変態仮面を演じる安田顕も、SMの女王かつ変態仮面の母を演じる片瀬那奈も、大好きだ。真剣にバカをやる大人、バンザイ!!
皆さんも、人生に悩んだら、パンティーを被ろう!いや、それはたぶん犯罪だから、とりあえず変態仮面を観よう!
くだらねぇな、って笑って、また明日からがんばろう。