1月①嫌な女
はぁ??
この映画、一体何を言いたかったのだろう。さっぱり分からない。
自由奔放で自己中心的、恋愛体質すぎて男性とのトラブルばかり起こす嫌な女を木村佳乃。その女の従姉妹であるがゆえに昔から振り回されてき弁護士を吉田羊。魅力的な組合せ!と思って観たのに、なんだろう、このガッカリ感。
まず第1に、木村佳乃の役は誰もが嫌いになれそうなほど嫌な女なのに、背景があまり描かれていないため、なぜ彼女が周囲の人たちに結局許されているのか納得できない。
元カレや元ダンナが「心配でほっとけなくて」ってなったり、吉田羊が取っ組み合いのケンカしたくらいで「仕方ねぇな、いっちょ協力してやっか」となったりしてしまうのが、全然腑に落ちない!お前ら、かなり迷惑かけられてるだろ!!取っ組み合いの末、空見上げて(実際には法律事務所の天井)フフフ、って笑い合う感じ、中二男子か!!今どき、どこの中学生日記でも使わない演出方法だよ!!
そして、吉田羊の周囲の人たちとの距離感が解りづらすぎる。まず夫。なぜ夫婦はすれ違ったのか、不明。そして、なぜ木村に触発されて、唐突に訪ねたら女がいて、「今度はうまくやってね」と微笑むのか?これまた不明。
それから、法律事務所の女性スタッフ。いつも話を聞いてくれて、落ち込んだ時には甘いものをくれる優しいおばさん。そしてなぜか心動かすような金言?みたいなものをそっと言ってくれる。最初に木村佳乃を認めてしまったのも彼女だ。吉田羊も感謝して慕っている感じだけど、込み入った私的な話をするほどではない。
だから、たいした伏線もなく彼女が急逝した後に、「あなたはそれでいい、あなたは大丈夫です」的なハートウォーミングな手紙が届いて泣くシーンも、え?なんで??って思ってしまう。
そうだ、木村佳乃の内縁の夫の病室で出会ったおじいさんの遺言ビデオを撮影しながらの号泣も、え?なんで??って思う。
そんな感じで、なんだかキャラクター設定と周囲との距離感がひっちゃかめっちゃかだった。色々意図を説明されれば納得いく答えがあるのかもしれないけど、いい映画ってそんなのなくても分かるものでしょ?伝わってくるよね??
あー、文句ばっかり出てくるわー。
それでも、もうひとつ言いたい。
女同士のケンカ&仲直りもそうだけど、急な雨に降られて、土砂降りの中道路で転んで泣くって演出は古くないか?そして、吉田羊は作品中で2回急な雨に降られるけど、彼女のデスクや性格を見ると、いつも折り畳み傘を持っていそうな慎重で几帳面なタイプだ。
女性スタッフの手紙にも「あなたは、いつも先を読んで仕事をしている」と書いてあったけど、そんな人が突然の雨に何度も降られたりするか?(いや、しない)
結局、最後に仲良くなった正反対の従姉妹2人がお互いの道をゆく、って感じで終わるんだけど、本当にそれでいいんかい?また、弁護料もらいっぱぐれてるし。木村佳乃だって全然反省してないし、懲りてもないだろう。
この映画に、教訓があるとすれば、
「幸せになりたい気持ちがあるなら、明日を変えていくのは、とても簡単。」
(作中で木村が熱唱)
ってコレ、竹内まりやがもう何十年も前から歌ってるから!あの歌で、もう充分知ってるから!!この映画でわざわざ知る必要ないから!!!