3月⑤団地

え?え?えええ???

今作を見終わった直後の感想だ。ラストがキテレツというか、「ホンマにこれで終わりなん?」と作中の藤山直美ばりの関西弁で言いたくなる。

藤山直美と岸部一徳の夫婦が、息子を事故で亡くし、営んでいた漢方薬店をたたんで引っ越した団地で巻き起こるアレコレ。

噂好きばかりの住人と、団地ならではのゴミ問題や自治会長選挙、児童虐待問題もあり、泥くさい人間ドラマかと思わせておいて、いきなりSFになる。漢方薬店の客だった斎藤工が実は宇宙人だったのだ。

最近、斎藤工はテレパスだったり、宇宙人だったり、サンシャインだったり、何かと楽しませてくれるぜ。

亡くした息子に会わせてくれるという条件を飲み、宇宙人のために漢方薬をせっせと作る夫婦。2人の息の合った作業ぶりが、長年連れ添った夫婦ならではのもので素晴らしい。言葉は要らない。2人とも作業とお互いの間合いを熟知しているから。
そのシーンは見ていてとても和んだ。疲れを取るために背中を引っ張り合うストレッチ体操をする2人も可愛らしかった。

団地の住人たちの間で、妻が夫を殺したのでは、というトンデモ疑惑が浮上しても、笑い飛ばす妻。
夫婦間の信頼と絆があれば、他の人にどう見えようとも構わない。とても素敵だ。

最後に時空を超えたら、息子が生きている世界(パラレルワールド的な?)だった、というオチには、戸惑い、冒頭の感想になったわけだけど、それ以外はしっかりと夫婦愛を描いていて好きな作品だ。

しかし、実際のところ、こんなお節介で面倒くさい団地、絶対住みたくないぞ。

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