名古屋
名古屋方面の関係各位。毒吐いて、すみません。
先に謝っておこう。
今日の「スッキリ」にて、衝撃映像を観てしまった。
東海地方限定のマダム雑誌、『メナージュケリー』がヒットしており、他の地域から注文する人もいるらしい。その特集だった。
名古屋独自のファッションや価値観に特化しており、それがウケている理由ではないか、とのこと。
人気の読者モデル四人を、『美クトリーズ』と称しており、それぞれがビューティとかファッションとか(他は忘れた)を担当しているらしい。
まず、この「美クトリーズ」というネーミング。
超絶ダサい。「美しい勝ち組」ということか。そこは番組では説明はなかったが。漢字と英語、しかも表記はカタカナを組み合わせる、このセンス。悶絶したくなる。私がまかり間違ってこんなもんに入れられたら、2秒で脱退したい。
この美クトリーズのうちの二人を取材していたのだが、なかなか見応えある内容だった。衝撃の名言が数々生まれた瞬間に立ち会えたから。
・髪を巻いて外に出るのは、スッピンで外出するのと同 じこと。化粧は多少薄くても、必ず髪を巻きます。
・(エルメスのバッグの中身は)全部ブランドものです。ブランドものって、間違いないって感じがするんです。
・ブランドのものは、一目見てそのブランドだって分からないと意味がない。一見分からないけど、裏を見たらブランドものだった、なんて、そんなのユニクロ着ていても一緒でしょう。
・女に生まれたからには、死ぬまで女として死にたいんです。(原文ママ)
すごい。マダム雑誌の読モなので、私より少し年上の女性だが、年代の差を加味しても、ここまで1つとも共感できない価値観を持っていることに驚愕してしまう。
巻き髪とブランドが命というのは、名古屋らしいので、目をつぶりましょう。
ただ、ブランドのロゴが露骨に出た商品にしか価値を見いだしていない、ことの特異性。それはまさに、「ブランド品を買える、もしくは買ってくれる夫がいる私」を他人に見せつけたい、認められたい気持ちの現れだ。
これが全く理解できない。
実際、名古屋駅の高島屋あたりを歩いていると、ヴィトンのモノグラムのバッグを持った女性のなんと多いことか。
見栄っ張りが名古屋人の気質とは言うけれど、ここまで見事に胸をはって、その生き様を見せつけてくれると、逆に尊敬、いや言い過ぎた、それは思えんわ、でも、アッパレと言いたくなる。
私は、名古屋には車で3時間弱の長野県に住む田舎者。東京にも大体同時間で行けるので、どちらの文化にも親しみはある。学生時代は神戸に住み、関西文化圏もちらりと覗いた。
田舎者のダサさは自覚した上で、私から見ると、都市の中で圧倒的にダサいのが名古屋。そこそこ都会なのに、ダサい。そう感じるのは、やはり前述してきた価値観に、粋、クールさ、スマートさが欠如しているからだと思う。
この事、多分名古屋人は昔から言われてきたのだろう。だからこそ、「私たち、それでもいいの、ていうか、こんな生き方こそ最高、見てよ、見て見て!私たち、名古屋JYO!!」という想いの結晶が、東海地方限定の、名古屋文化バンザイ雑誌を生んだ。それに魅せられる人も多いのだろう。
……勝手にやってくれ。
ところで、もう1つ気になる点があった。
「女として生まれたからには、死ぬまで女として死にたい」
という言い方、間違ってますよ?
死ぬまで女として死ぬ、ってことは、ずっと死んでます。そこは、死ぬまで女として生きる、か、死ぬまで女でありたい、が正解です。コメンテーターの大沢あかねも、感想を述べる際に後者で言い直してましたから。
40代の女性として、本当に憧れの対象になりたいのであれば、シワとりと巻き髪とブランド品に夢中になるだけじゃなくて、知性と教養を身につけたいものだ。