第17ステージ
今日は面白かった!
もう単純にそう言ってしまいたくなるくらい、これぞツール、という素晴らしいレースだった。
ひげの立派なドイツ人ゲシュケがステージ優勝したとか、バンガードレンが昨日の記者の指摘通り、途中棄権したとか、それはまあ置いといて。
何よりも、フルームとキンタナの攻防がたまらんかった!
今日のコースは、厳しいアルプス山脈中の峠を越えた後に、長く急な下り坂があった。この下りで、逃げ集団にいたピノーが落車した場面は、本当に怖かった。幸い、怪我にはならず、すぐ復帰していたが。そもそも、こんな坂を全速力で自転車で走れること自体、素人にとっては奇跡そのもの。
山中の道は、幅が狭いし、ガードレールなど何もなく、すぐに崖。しかも、つづら折りになっている。冬には凍るため、舗装が傷みやすく、地面はパッチワークのように舗装がバラバラになっているそうだ。そんな地面は自転車にとって、危険極まりない。
そのデンジャラスゾーンを抜けると、ゴール前の最後の上り坂。
ここが、メイン集団における、し烈な闘いの場となった。
集団から次々に有力選手が脱落していった。
残るは、フルーム、キンタナ、バルベルデ、ニバリ、ニバリのアシストの選手、くらいになった。
そんな中、ニバリとキンタナは、フルームに何度もアタックをしかける。でも、フルームはしっかり付いていき、決して二人を逃がさない。
アタック合戦に冷静に対応するフルームがかっこよすぎる。
ゴール付近では、フルームとキンタナの一対一の勝負となった。2度ほどアタックをフルームにかわされたキンタナは、フルームのすぐ後ろにピッタリ追走。
残り300メートルで再びアタック。
しかし、フルームは即対応。
結局、キンタナの1秒でも差を縮めたいという野望を、見事に粉砕。
フルーム、強すぎるー。
日頃は、大人しそうなこの二人。レースになると、お互い少しも譲らない意地を見せて、火花を散らす。
それが面白い。
そんな二人のレース後の映像がまた素敵だった。
二人とも紳士であり、真摯に闘いに挑む戦士だ。