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0歳児クラスの保育士体験記

1歳3ヶ月になる息子が通う保育園で、保育士体験というイベントがありました。
保育園の授業参観、のようなものです。

保育園に息子を預け、そのまま午前中はクラスの様子を見る。
息子が園でどんな様子なのかを見、息子と一緒に遊び、他の子とも一緒に遊ぶ。
そしてお昼、息子と一緒に同じ給食メニューを食べて、帰る。
そんな感じです。

保育士体験をするのは1日1名様限りです。
そりゃ大勢の見知らぬ大人たちが0歳1歳の子たちを取り囲む形になったら、ヤバいですよね。


というわけで、参加してきました。
最近は家の中でも外でも歩き回って元気な我が子は、保育園でも可愛く歩き回っているに違いない。
家と変わらない様子を見せてくれるのか、それとも家では見せてくれない保育園仕様の息子を見れるのか、楽しみでした。


その日息子のクラスは近くの公園へ、バギーに乗せられて散歩に行きました。
公園についたらシートを広げて子どもたちをそこに座らせます。

で、息子はやっぱり歩きたいご様子。
しかし息子は靴を履いておりません。
息子よ、今日は靴を持ってきていないからここでゆっくりしとき。と僕は思いました。

いつも家では、外を歩くときは必ず靴を履かせています。
大人の感覚だと常識かと思います。

でも園の先生たちは違いました。
靴なんていらない。
靴下でいい。
好きなだけ歩こう。
靴下のままシートの外へ歩き出す息子に、ほんの一瞬も戸惑うことなく素敵な笑顔を向けていました。

なるほどー!
確かに!
ちょっと靴下が汚れるだけ、ちょっと着てる服が汚れるだけ、好きなだけ歩けばいいじゃない。
それで誰が困るの。
強いて言うなら洗濯をする人ですよ。
誰がいつも息子の服を洗濯しているの。
僕ですよ。
僕は困るんですか?
いいえ、困りません。
息子が気持ちよく歩いているのであれば、泥まみれ砂まみれ鼻水まみれで帰ってきてもそのまま抱きしめますよ。

靴下のままシートの外を歩くな、と一瞬息子を制した自分が情けないです。
親の目の前なのにあなたがた職員は息子を靴下のまま外の砂の上を歩かせようとしてるの? と0.1秒ぐらい思った自分が情けないです。

靴下は汚れたっていい使えなくなったっていい。
いいじゃないですか。
それより何より元気に歩けばそれが素晴らしいことです。
息子のためなら靴下の50足ぐらいすぐ買ってやりますよ。
靴下買い占めおじさんになってやりますよ。

息子よ思う存分歩いてくれ。
それだけでパパは嬉しいんだ。

でもそれを良しとしたとして、何歳ごろになったら靴下で歩いちゃダメよって教えるんですかね。
そんなに靴下汚しちゃダメじゃないかっていつから言うもんなんですかね。
靴下ケチりおじさんにはいつからなればいいんでしょう。

園の先生と仲良く歩いている息子を見ながら僕はそんなことを思っていたり思っていなかったりでした。
そんなことを思っていたり思っていなかったりの僕の腕の中には、正直に言ってどこの誰の子かも知らない可愛い赤ちゃんが気持ちよさそうにしていました。
息子より小さい子を抱っこするとあまりの軽さにびっくりします。
僕の息子も通ってきたこのサイズ感と体重なのですが、びっくりします。

岩を持ち上げたあとに同じサイズの発泡スチロールを持ち上げたときぐらいびっくりします。
言い過ぎか。

保育士体験、させてもらっています。


お散歩から帰ると息子はいつものパパ抱っこで寝ました。
まだお昼寝の時間ではないのに。
ていうかパパ抱っこで寝るなんて、いつもの家と全然変わらんやんけ。
せっかく保育園に来てるのに、息子の園でのいつもの様子を園の先生たちが僕に見せるはずが、息子の家でのいつもの様子を僕が園の先生たちに見せていました。

家でも園でも様子が変わらない息子が面白くもあります。


で、そこからは保育士体験らしいことをさせていただきました。
ありがたい。

寝てる息子を部屋の隅に置いて、10か月の子に離乳食を上げるという、なんとも懐かしいことをさせてもらいました。
いやー懐かしい。
ほぼスープみたいなご飯を口に流し込むんですね。
これがいいあれがいいというのを、口を開ける開けないで示してくれるんですね。
可愛いですね。
食べながら寝そうになったりとか可愛いですね。
ほぼ初対面の知らんオッサンなのにリラックスした姿を見せてくれてありがとう。
知らんオッサンに抱っこされたりご飯食べさせられたりして刺激的な1日だったね。
よく頑張りました。
これからも息子と仲良くしておくれ。


さてさて、寝てた息子が起きていよいよ息子と一緒に給食を食べるときがやってまいりました。
僕も息子と同じメニューを食べるのです。

1歳のガキンチョのくせに、給食、美味しそうなんですよね。
僕が普段平日に食べているお弁当よりずっと美味しそうです。

で、食べました。
普通に美味しかったです。
1歳の子って大人が美味しいと感じるものを普通に食べるんですね。
もちろんあっさりめの味付けではありますが、このぐらいの味付けは普通にありますよ。

それとも妻の作る料理が子どもに合わせた味付けになっているから、僕の思う「普通」の感覚がズレているのかもしれません。

で、ここからが保育士体験で1番驚いたところです。
なんと息子、1人でスプーン使って器用に食べているではありませんか。


大量にこぼしながら。


そしてやっぱりそれを見守る園の先生たち凄い。

どんなに時間をかけてもいい、どんなにこぼしてもいい、どんなに服を汚してもいい、自分の手で食べるのを、暖かく見守ります。

素敵な先生と一緒に食べれて良かったな息子。


いやーしかしね。凄いなこれは。
しかし、なんですよ。
えぇ。

素晴らしいんですけどしかし、とてもではありませんが家ではこんな食べ散らかされたら困ります。
いや、僕はまだ耐えられるのですが、妻が耐えられないでしょう。

余裕のある時間帯ならまだしも、朝夕の準備が忙しかったり帰って疲れてたりするときにああいう食べ方されると、さすがの僕でもしんどそうです。

それを園ではさせてもらえるのは大変ありがたいです。
美味しいし。
栄養バランスも考えられてあるし(たぶん)。

家の食卓はやっぱり大人仕様になっていますので、ボロボログチョグチョとこぼされると困ります。
なるべく子ども仕様に合わせた環境を家でも用意できればいいのでしょうが、無理なものは無理です。

いやーでもあんだけこぼしてたらそりゃエプロン臭くなるよなー。


保育園は園児の命を預かる大変な仕事です。
万が一は許されないので、安全には特別気をつけています。
至るところでそういうのが見受けられました。

システム化されてるんですね。

職員一人ひとりが気をつける、というレベルでは事故は起きます。
だから細かく、誰がやっても一定のレベル以上になるよう徹底してルールを定め、安全を管理しています。

家では同じようにはできません。
もししようとしたら、疲弊します。

と、感じる園で良かったです。


というのが保育士体験を終えた僕の感想。

(夫)


翌日保育園の先生から、パパがいつも息子くんに優しく接しているんだなぁと安心した息子のお家での表情が見れたと言われました。

(妻)

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