知っておきたい、犬が食べない理由
犬がごはんを食べない理由について、とあるブログを紹介している人がいた。
その理由で書かれていたのは、犬が亡くなる準備をしている、ということだった。
私は犬の看取りはまだ経験したことがないが、亡くなる直前の人には仕事柄接することがある。
介護や看護の仕事とは違うので、亡くなることを見守るという経験はないが、仕事でお会いした日の1週間後にはすでにお亡くなりになっていた、ということは時々ある。
私は訪問歯科衛生士という仕事をして、初めて人がどんな風に亡くなっていくのか知った。
今は核家族化で祖父母と暮らすことが少なくなったし、高齢者施設に入居する人も多いので、亡くなる直前に会える家族も少ないかもしれない。
病気で亡くなる場合はまた違うのだろうけど、いわゆる老衰のような場合、人は自分の死期がわかるのだろうか?と思ってしまう。
大抵の人は亡くなる少し前から、食事を食べなくなる。
この仕事を始めたばかりの頃はわからなかった。
介護のスタッフさんやご家族が一生懸命食べさせようとしている場面を目撃したこともあった。
ある日、偶然新聞でその記事を目にしたことがあった。
人は亡くなる準備を始めるというのだ。
その準備で食事を食べなくなるという。
その記事を読んだときに、驚きではなく、なるほど、そういうことか、と妙に納得がいった。
私が見てきた食べなくなる高齢者の方々は、亡くなるための準備をしていたのだ。
それ以降もたくさんの患者さんと出会ってきたが、亡くなる準備はわりと当てはまっている。
さらには、亡くなる2~3週間前になると口の中の状態で、この方そろそろかも、というのもなんとなくわかるようになってきた。
(これも食べなくなることと関連していると思う)
この食べなくなるという亡くなる準備は、犬も同じらしい。
犬の場合、その期間は1日だったり、1~2週間だったりと個体によって差がある、とその方は書いていた。
私たち飼い主は愛犬が食べないと、無理に食べさせようとする傾向がある。
強制給餌という言葉があるぐらいだし。
私もそんな飼い主の1人だったが、色々学ぶうちに、食べない理由がきちんとわかったので、愛犬が自ら食べないようにしている時は、無理に食べさせることはなくなった。
私の愛犬はまだその時期ではないと思うが、死の準備を始めた時に、気づける飼い主でありたい。
亡くなるときに、無理に食べさせることが犬にとって苦痛になる、ということもきちんと理解したい。