「全捨離」は単なる開運メソッドならぬ「超健康法」だったというお話。
「断捨離」ならぬ「全捨離」とは、桜庭露樹さんが世に広めた「8割捨てる」というお片付けの域を超えた「超開運メソッド」。
家の中のものは8割は使っていない。
その使っていない8割をきれいさっぱり手放すことで、家の中に余白という名のスペースが生まれる。
その生まれたスペースに、よいエネルギーが入ってくることで人生が好転するというのだ。
大事なポイントは、とにかく床面積を広げること。
提唱者である桜庭さんは、師匠である小林正観さんに
「8割のものを捨てなさい」と言われ、次のように素直に実践した。
まず、ゴミ袋片手にタンスの引き出しの中身をザザーっと気持ちよく捨てた。4段あるタンスはわずか10秒足らずで空になった。
そこで、床面積を広げるために「タンスを捨てちゃおう」となった。
次に本棚の本を「全捨て」。
空になった本棚を見て、「あ!本棚も捨てちゃおう」となった。
当時時、夫婦二人暮らしだった桜庭さん。
食器棚にたくさんの食器があるのを見て、食器棚ごとさようならした。
すごい勢いで床面積が広がりはじめると、もう勢いがとまらない。
ソファーに、ベットまで一気に捨ててしまったという。
これらの工程にかかった時間は、わずか1日。
桜庭さんは本気だったので、最初から業者に全部持っていってもらう準備をした上で「全捨離」に挑んだという。
この尋常とは言えない「全捨離」という儀式を経た後、桜庭さんの人生はみるみる好転し、現在は「開運マスター」として大活躍。
また「実業家」としても世界を股にかけて仕事をしている。
桜庭式「全捨離」を実践したすべての人は、例外なく人生が良い方に変わったという。
桜庭さん曰く、「使っていないものには邪気がたまっている」のだそうだ。
また、「もの」があふれていれば、当然ながら「ほこり」がたまる。
「ほこり」のうえには「カビ」だってやってくる。
この「ほこり」や「カビ」も「邪気」なのだという。
ここで、「邪気」という言葉に私はハッとさせられた。
現在、私は統合医療の内科の先生と一緒に、歯科治療にあたっている。
治療にあたって「生活環境を整える」ことの大切さを、患者さんに日々お伝えしている立場。
そんな私はなんどとなく、次のようにアドバイスをしてきた。
なぜなら、毎日これらを吸い込むことで、人は病気になってしまう。
生活する上で、「ほこり」のたたない家などないだろう。
「ほこり」まみれの部屋に敷かれた「布団」には、必ずダニが存在する。
さらに舞い上がった「ほこり」は、カーテンや壁に付着して「カビ」の温床となる。
こうして知らぬ間に、私たちは「ほこり・ダニ・カビ」を吸っているのだ。
ほこり、ダニ、カビなんて、どこにでも存在している。
きっと誰でも吸っているし、大したことなんてない。病気なんて大げさ〜!!
昔の私はそう思っていたのだ。でも、これは大きな間違いだった。
ほこり・ダニ・カビを吸うことで、アトピー性皮膚炎、喘息、アレルギー性鼻炎などが実際に起きている。
さらには、耳鳴り、不眠、視力低下、関節痛、思考力低下・・・などなど実にさまざまな症状まで引き起こす。
というのも、ダニ体の中に病原菌(細菌・ウィルス)がいる。
ダニに刺されるのも問題だが、ダニやダニの糞や死骸を吸い込むことで、人間の体の中に間接的に病原菌が入ってきてしまうのだ。
そして、エアコンそうじをサボっていたなら必ずいるであろうカビ。
どこの家にも必ずはびこっているカビは、吸い込むことで喘息や肺炎の原因になる。
そう!桜庭さんの提唱するとおり、「ほこりとカビは邪気そのもの」なのだ。
「全捨離」という開運メソッドは、実は医学的にも実に効果的な方法だということが私には身に染みてわかる。
しかしですよ・・・
自分の家はどうなのかと言えば、患者さんのお手本には程遠い・・・。
床にものが散乱し、クローゼットはぎゅうぎゅう。
どう見積もっても、押し入れは邪気の巣窟と化している。
私が霊能者であったら、おびただしい数の妖怪達が渦巻いているのが霊視できるであろう。
幸か不幸か、今までの私は大病もせず呑気に生きてこれた。
我が家には業者を呼んでまで捨てるような、本棚、ベット、ソファー、食器棚はない。
だがしかし、結婚して10年。
夫婦2人から始まった生活は、今は子供2人が加わり、いつの間にやらものが溢れかえっている。
今まで見てみぬふりをしてきた引き出しの中を、勇気を振り絞って整理を始めてみた。
すると、でてくるでてくる「必要ないもの達」が。
なぜそこに今までいたのかさえ説明がつかない物が、こんなにも家の中にあるなんてと、軽くめまいを覚えたぐらいだ。
すでにゴミ袋20袋は捨てたと思う。
それでも家中の物の全体の1割にも満たない。
本来、「全捨離」は勢いが大事で、ダラダラ行うものではない。
燃え盛る情熱の火が消えないうちに、一気に行わないとすぐに元の木阿弥。
折れそうな気持ちを何度も奮い立たせ、なんども立ち上がる私。
追い詰められ、「夫や子供のものが多いんじゃー」と叫びたくなる。
だからといって、自分以外の家族のものに手を出すのは御法度。
喧嘩のもとになるので、まずは自分のものから徹底して手放している。
まだまだ道半ば。いや、スタートしたばかり。
私はこの「全捨離」を必ずや完走すると心に決め、今日は本の整理をすべく本の引き取り業者に予約メールを送る。
そして、洋服の引き取り業者、使わないパソコンの引き取り業者にも連絡をいれる。
私の人生が好転するかは定かではないが、ほこり、ダニ、カビを吸う量は天文学的に減るので、ますます健康になることだけは確約されている。
私の「全捨離」にかける情熱の炎が消え去る前に、なんとしてもやり遂げると自分自身に強く誓った。
がんばれ!私!!