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【atマーケティングコラム】3つの海外戦略。あの老舗企業はなぜ成功したのか?
今日は、ある記事で紹介されていた、文具業界のグローバル展開で話題を集めるコクヨについてです。
120年の歴史を誇る老舗企業が、海外でどのように新たな道を切り開いているのか。
そこには「夜明け」「相棒」「直営」という3つのユニークな戦略があるといいます。
■「夜明け」を捉えて参入
まず注目したいのは「夜明け」という市場成熟度の概念です。
成長途上で市場が盛り上がる直前、まさに「夜が明ける」タイミングを捉えて参入するという戦略です。
例えば、マレーシアやタイなどのASEAN諸国では、今まさに経済が拡大しており、文具需要が高まっています。
こうした市場では、早すぎても遅すぎても失敗するため、絶妙なタイミングが重要です。
これを見極めるため、コクヨはポップアップストアの展開から始め、
SNSを活用したマーケティングで反応を見ながら常設店舗を展開していくという独自のアプローチを取っています。
2024年にはマレーシアで直営店をオープン。
商品の魅力を伝えるだけでなく、現地のニーズを直接掘り起こす場としても活用されています。
■「高校1年生の女子」というペルソナ設定
次に、「相棒」という視点です。コクヨは、中国市場でターゲットを「高校1年生の女子」に絞り込みました。
このペルソナ設定が成功のカギでした。
文具を単なる道具ではなく、「学びの相棒」として捉える彼女たちのニーズを徹底的にヒアリングしたのです。
例えば、バインダーノートでは「授業中に大きな音が出ると先生の注目を浴びてしまう」という不満がありました。
そこで、コクヨは留め具にプラスチック素材を使用し、開け閉めの音を小さくする工夫をしました。
このような細かなインサイトの掘り起こしが、ヒット商品の誕生につながったのです。
また、アジアでは教育熱が高く、親も子どもの学びに対して大きな期待を寄せています。
学生たちの進学意欲をヒアリングすることで、文具を「相棒」として重要視する市場を見極める手法を確立しました。
■「直営」で「文化」を伝える
さらに「直営」という手法にも注目です。
海外では、文具メーカーが直営店を展開するのは珍しいことです。
しかし、コクヨは直営店を構え、特に中国市場では、総合文具メーカーとしての強みを生かし、生活を取り囲むような商品展開を実現しました。
これにより、ブランド価値が一層高まりました。
コクヨが海外展開で大切にしているのは、単に「文具」を売ることではありません。
文具を通じた「自己表現」という文化そのものを伝えようとしているのです。
アメリカの大学生たちも、当初は文具に対する関心が低かったそうです。
しかし、コクヨの文具に触れることで、「使いやすい!」「気分が上がる!」とその魅力に気付き始めました。
私たち日本人にとって、文具は子どもの頃からの相棒であり、自己表現のツールです。
ペンケースには自分のお気に入りのペンを忍ばせ、ノートに思い思いのアイデアを書き留める。
その文化が海外でも広がりつつあるのです。
コクヨの海外展開成功のポイントは、「夜明け」を見極める市場戦略、「相棒」となる文具の提供、そして「直営」による文化発信。
特にペルソナを「高校1年生の女子」に絞り、インサイトを深掘りしたアプローチは、ぜひ参考にしたいポイントでしょう。
そして、商品ではなく文化を売る。この視点こそが、グローバルマーケティングの鍵になるのかもしれません。
オフィスatでは、市場戦略の策定から、ターゲットペルソナ設定、インサイトの深掘り、そして心に響くコンセプト設計までしっかりサポートいたします。
コクヨのような成功事例から学び、お客様の事業にぴったりのアプローチをご提案します。
「うちのターゲット設定、これで合ってるのかな?」といったお悩みから、
「新しい市場に向けた戦略が欲しい!」というご相談まで、何でもお気軽にご相談ください♪
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次回も、ビジネスのヒントになる情報をお届けしますね!
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