
厳しく温かいマネジメントとは。
唐突ですが、
毒女はお正月に激太りをしたため、パーソナルトレーニングに申込み、先日最終回を終え、ホッとしているところです。
トレーナーさんもいい人なんだけど、筋トレが嫌いなのでほんとに毎回イヤイヤ行っていましたのでもうやらなくて済むと思うと嬉しい!リバウンドせぬよう、気を付けようと思うのでした。
筋トレすることで筋肉に傷をつけて(表現が正しいかわからんけど)修復する時に大きくなるんですってね。
やはり、じゃがりこ食べてごろごろしてたら楽だけど、確実にデブりますね。
さて、長い前置きはこれくらいにして本題です。
毒女の現在の仕事のスタイルや価値観を創った人のうちのおひとり、
鬼軍曹とのエピソードを通じてマネジメントについて考えてみました。
自分は売れる営業だと思い込んでいてそうでないことに気づいたことや、
唯一得意だと思っていた営業ですら本当はできていないのではと、
自分には何の強みもないと落ち込んだ時も。
営業は自分のスタンスが顧客との関係性に表れ、
行動の質と量が数字に表れます。
お客さんにアポをぶっちされたり、未入金を起こす営業マンは大抵時間を守らなかったり自分がルーズです。
数字が上がらない理由を自分以外の要因にすることが得意な営業は
わけのわからない屁理屈が多いのでクレームや顧客とのトラブルもおこしがち。
いつも忙しいのに数字が一向にあがらない営業は営業ではなく、御用聞きになっていて、社内外からの雑用、作業を引き受けて本来やるべきことから逃げていそがしぶっている。
毒女は、これまでかっこいい営業をたくさん見てきて、彼、彼女のようになりたいと憧れた。
若い頃に憧れたいわゆるデキるタイプの営業の先輩は、2パターンいた。
1つめは、プレゼンが非常にロジカルでわかりやすく、スマートなタイプ
2つめは、なんだか何いってんだかわかんないんだけど、場を盛り上げてなんか引き込まれてハンコ押してもらっちゃうタイプ
両方を兼ね備えた営業になりたいと思った。毒女は若いころの営業スタイルは
完全に2のパターンで、今思えば恥ずかしいしアホ丸出しなんだけど、
そんな自分を「営業が天職!わたしって天才!」くらいに思っていた。
まあ、それは新人の頃はまだ許されるけどだんだんそうはいかなくなってくる。
すると、1のスマート系の営業手法を身に着けようとして、
営業成績のよい自分が目指したい先輩をベンチマークした。
ラッキーなことに、毒女の当時の上司はまさに1と2のハイブリット上司で
「オレは石ころでもなんでも相手に気持ちよく買ってもらうことができる」と
豪語されており、指導スタイルは超スパルタで、今ならば絶対パワハラなどと
大騒ぎをする人が出るくらいに、暴言は当たり前だし、「死ね」とかまじめな顔をして「お前ほんまに頭悪いんやなぁ」とかいうし、頭をたたかれてる子もいた。けど、ただの嫌な上司ではなく、結果がそれを物語っていたし、その後、その上司は実は繊細な心の持ち主であったことを知る。
忘れもしない、ある朝、「100件飛び込みしてこーい!」と言われ、朝からずっと飛び込み営業をして、夜、80数件まで飛び込んで、「これくらいまでならいいだろう」と帰社した。19時くらいだったと思う。
他の営業の子も続々と帰ってきて、その時毒女は一番訪問件数が多かったので安心していた。全員がそろって帰社してお互いを労ったりしていたら鬼軍曹(呼び名が若干悪口風)が「100件ゆうたやろ!なんで帰ってきてんねん!」と激怒。アホな私は「私もですか?」というと、「当たり前やろアホ!お前とうとう数も数えられんようになったんか」と言われ悔し涙を浮かべながらふつふつと湧き上がる怒りみたいな感情を抑えて営業スマイルを引きつらせながらなんとか100件飛び込み直して帰社した。(その時飛び込まれたお店、迷惑やったやろなー)
何時だったかも覚えてないけどやりきって帰社すると、その上司はまだいた。
「おうー数の意味わかったかー?」と嫌味。「はぁ。」
「おつかれさま」とかいえんのんかい!と心の中で思いながら、
思春期の娘が父親に接するようなはぶてた態度で上司に適当に返事をしていた。
不幸なことにその上司と家の方向が同じで一緒に帰ろうと誘われることが多かった。自分がふった仕事で帰れないのに「まだ帰れへんのか?」などというようなカチンとこさせたら日本一やろなというような上司だった。
その日、断る理由が咄嗟に出ず、仲間からは「気の毒にー」というふうに手を振られ、その上司とJRまで歩き、乗り、「早くついてくれー」と祈りながら相変わらず適当なあいづちでやりすごしていた。
会社から歩いて上司と別れるまで30分程度、何を話したかよく覚えていないけど、その上司はなんか”素”で、ほんとに疲れた顔をして「今日も疲れたなー」とかいう話や、お互い仕事のことも含め思いついたことを話してクールダウンしていくようで、降りる時にまた疲れた顔で「じゃ」と言い、「おつかれさまでした」と言い別れる。
今思えば、上司の方こそ私と一緒に帰りたくはなかったと思う。
やさしい言葉をかけてくれるわけでもないし、「さっきはきつくいったけど、どうのこうの」とかいう言い訳めいたフォローするでもないんだけど、
そうせざるを得ない役割を彼もまっとうしていて、鬼軍曹になり、ハードマネージメントをするんだけど、それは業績に対して本気なのであって、本気がゆえに時に相手(部下)に威圧感を与えたり、憎まれたりする。
本気の想いも伝わるが本気でないのも伝わる。
泣いちゃうほど厳しい鬼軍曹だったけど、
泣けるほど本気の優しさもたくさんくださった。
腫れ物にさわるようなコミュニケーション。
一見気遣っているようで、冷たくて生温い組織は長い時間をかけて人を疲弊させたり落胆させる瞬間わ生んだりする。
厳しいけど超がつくほどあったかい、
そんな鬼軍曹とは今でも家族ぐるみでのお付き合いをしている、親戚のように大切な一人である。