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現実世界からUOの世界へ 〜ムーンゲートの向こう側〜 第3話 - 生活基盤の確立

朝日が差し込む宿屋の一室。Lunariaは窓辺に立ち、遠くに見えるブリテイン城を眺めていた。

Lunaria「(三日目...そろそろ、この世界での足場を固めないと)」

鏡に映る自分の姿を見つめる。銀髪の女性メイジの姿。この体は別シャードのLunariaのもの。その中に、ムーンゲートを通って別世界から来た下村努の精神と記憶が宿っている。複雑な状況だが、徐々にこの現実を受け入れつつあった。

朝の日課

朝一番で、Lunariaは昨日仕留めたPKたちの首が入った特殊な袋を持って、ブリテイン城のガード詰所へと向かった。

ガード「確かに受け取りました。この二人、最近近郊で問題を起こしていたPKですね」

血の付いた袋から取り出された二つの首。ガードは慎重に確認作業を進める。首を切り落とす時の感触が、まだ手に残っているような気がした。PKたちの最期の表情が、一瞬脳裏をよぎる。

Lunaria「(こんな仕事、前世では想像もできなかったな...)」

昨夜の戦いの記憶が蘇る。PKたちの赤い名前が闇に浮かび上がり、魔法の光が森を照らし出す。ExplosionとEnergy Boltのコンボが炸裂する瞬間、彼らの驚愕の表情。そして、最後の一撃。

ガード「間違いありません。この二人は指名手配されていたPKです。一人につき1000GP、合計2000GPの賞金をお支払いします」

賞金を受け取りながら、Lunariaは昨夜の戦いを思い出していた。IT企業で働いていた頃の自分には、想像もできない日常がここにはある。

その後、銀行前の広場に向かう。露店の準備をする商人たち、早朝の狩りに出発する冒険者たちで、街は既に活気に満ちていた。

商人A「最高級のReagents!特にBlood Mossは品質保証付き!」
商人B「新鮮なポーション、作りたて新線です!」
商人C「希少な魔法の巻物、今なら特別価格!」

市場の喧騒を聞きながら、Lunariaは手帳を取り出す。

Lunaria「(まずは生活基盤を整えないと...)」

昨日までの狩りで得た収入を確認する。手帳を開き、細かく記帳された収支を見る。

収入内訳:
- モンスター討伐報酬: 3600 GP
  - オーク (匹): 1800 GP
  - エッティン (匹): 1800 GP
- 動物等の素材売却: 1200 GP
  - 毛皮: 500 GP
  - 骨: 300 GP
  - 肉: 400 GP
- PKの首の賞金: 2000 GP(2名分)
合計: 6000 GP

収支を確認していると、ガードの一人が近づいてきた。その表情には、何か重要な用件があることが窺える。

ガード「Lunaria様、申し訳ありません。Lord Britishが謁見の機会を求めておられます」

Lunaria「(昨日のPK討伐の件か...)」

Lord Britishとの謁見

衛兵に案内され、玉座の間へと進む。豪華な大理石の柱が立ち並び、天井からは巨大なシャンデリアが柔らかな光を放っている。そこにはブリタニアの統治者、Lord Britishの威厳ある姿があった。

Lord British「よく来たな、Lunaria。Blood Oathの件について聞かせてもらえるか」

Lunariaは昨日の戦いの詳細を説明する。若い戦士との狩りの最中に襲われたこと、相手が先にParalyzeを仕掛けてきたこと、そして最後にExplosionとEnergy Boltのコンボで仕留めたことまで。

Lord British「見事な戦いぶりだったようだな。Blood Oathは最近、街道での襲撃を繰り返していた。彼らを倒してくれて感謝する」

Lord Britishは立ち上がり、Lunariaに近づいた。その眼差しには、単なる統治者以上の深い洞察が宿っている。

Lord British「君は...異なる存在を宿しているようだな?」

その言葉に、Lunariaは驚きを隠せない。

Lunaria「はい...どうして?」

Lord British「魔法の使い方に独特の癖がある。それに、その目には別世界の記憶が宿っている。君の中には、ムーンゲートを通って来た者の意識が存在しているのだろう」

Lord Britishは微笑んで続けた。その表情には、数多の異世界からの訪問者を見てきた者特有の理解が滲んでいる。

Lord British「ブリタニアには、時として君のような特別な存在が訪れる。彼らは新しい歴史を紡ぐ存在となることが多い」

重い袋が差し出される。中には5000GPの報酬が入っている。

Lord British「それと...」

Lord Britishは古い羊皮紙を取り出した。その羊皮紙からは、古い魔法の痕跡が感じられる。

Lord British「これは、ブリテイン南地区の土地の権利証だ。君のような特別な存在には、しっかりとした拠点が必要だろう」

新たな拠点

ブリテイン南地区。Lord Britishから与えられた土地は、市場にも近く、かつ静かな場所にあった。二階建ての小さな家だが、魔法の研究や休息には十分な広さを持っている。

家の前に立ち、建物全体を観察する。かつてゲームの中でしか見たことのなかった建築様式が、今は生きた現実として目の前にある。

Lunaria「(ゲームの中で見ていた家とは、全然違う存在感だ...)」

家の内部を確認する。玄関を入ると、木の香りが漂う清潔な空間が広がっていた。床には魔法陣が刻まれ、壁には不思議な文様が描かれている。

間取り:
- 寝室(8畳):東向きで朝日が差し込む。瞑想に適した空間
- 書斎(6畳):魔法書や研究記録の保管に最適
- 魔法研究室(6畳):不思議な力を感じる特別な部屋
- キッチン(4畳):ポーション作成にも使える設備
- バスルーム(3畳):魔力回復用の特殊な浴槽付き
総面積:27畳

魔法研究室には既に基本的な設備が整っていた。下村の目には全てが新鮮で不思議なものに映る:

設備一覧:
- 作業台:不思議な模様が刻まれている
- 本棚:古い魔法書が並ぶ
- Reagents保管庫:様々な魔法素材を保管
- マナ結晶育成槽:青い光を放つ不思議な装置
- 実験器具一式:見たことのない形状の道具たち

Lunaria「(これが私の新しい研究室...)」

生活に必要な物の計算をする。前世での経験を活かしながら、この世界での必要なものを整理していく:

支出予定:
- 家賃(月額): 3000 GP
- 食費(月額): 400 GP
- Reagents初期在庫:
  - Blood Moss (100個) : 750 GP
    用途:移動魔法に必要
  - Black Pearl (100個) : 500 GP
    用途:攻撃魔法の要
  - Nightshade (50個) : 250 GP
    用途:高度な魔法に
  - Garlic (50個) : 125 GP
    用途:防御に重要
  - Mandrake Root (25個) : 375 GP
    用途:最も貴重な素材
  合計:2000 GP
- 生活必需品: 800 GP
  - 衣類:200 GP
  - 調理器具:150 GP
  - 照明器具:100 GP
  - 寝具:200 GP
  - その他:150 GP
- 予備費: 300 GP

※月々の必要収入:約4000 GP
(家賃3000 GP + 食費400 GP + 消耗品補充600 GP)

予期せぬ出来事

午後、突然の違和感が体を襲う。下腹部の鈍い痛みと、不快な湿り気。前世では経験したことのない感覚に戸惑う。

Lunaria「(これは...)」

戸惑いの中、この体に元々備わっていた記憶が自然と浮かび上がる。別シャードのLunariaが持っていた、女性としての生活の記憶。それは不思議なほど鮮明で、まるで長年の経験のように感じられた。

Lunaria「(そうよ...裏通りの薬屋...)」

記憶の導くままに、ブリテインの裏通りにある小さな薬屋へと向かう。その店は、普段は目立たない場所にあるが、街の女性たちの間では広く知られている場所だった。

年配の女性店主が、優しい表情で迎えてくれる。その目には、多くの女性冒険者を見守ってきた経験が宿っている。

店主「いらっしゃい。何かお探しかしら?」

Lunariaは一瞬戸惑うが、この体の記憶を頼りに言葉を選ぶ。

Lunaria「その...特別な布と、薬草を...」

店主は理解ある表情を浮かべ、静かに頷いた。

店主「ああ、分かりました。お待ちください」

店主は棚から特殊な布と薬草の詰め合わせを取り出した。これらは魔法で加工された布で、優れた吸収力と快適さを備えている。

店主「薬草茶も付けておきましょう。痛みが和らぐはずよ」

Lunaria「ありがとうございます」

生活用品の調達

市場は早朝から活気に満ちていた。商人たちの威勢の良い声が飛び交う。前世では見たことのない光景に、心が躍る。

商人A「最高級のReagents!特にBlood MossとBlack Pearlは品質に自信あり!」
商人B「新鮮な野菜!ブリテイン近郊の農園直送です!」
商人C「魔法道具、特別価格でご提供!」

慎重に品質を確認しながら、必要な物資を購入していく。かつてゲームの中でしか見たことのなかった魔法の素材たちが、今は生きた商品として目の前にある。

Reagents購入リスト:
- Blood Moss (100個) : 750 GP
  特徴:深い緑色の不思議な苔
  用途:移動魔法に不可欠
- Black Pearl (100個) : 500 GP
  特徴:漆黒の輝きを放つ真珠
  用途:攻撃魔法の核となる
- Nightshade (50個) : 250 GP
  特徴:月光のような光を放つ植物
  用途:高度な魔法に必要
- Garlic (50個) : 125 GP
  特徴:普通のニンニクより強い香り
  用途:防御魔法の基本
- Mandrake Root (25個) : 375 GP
  特徴:人の形をした根
  用途:最も強力な魔法に
総額:2000 GP
※まとめ買い10%割引適用後:1800 GP

女性としての体

夜、新居のバスルームで体を洗う。鏡に映る自分の姿を見つめる。銀髪の女性メイジの姿。この体は別シャードのLunariaのもの。その中に、ムーンゲートを通って別世界から来た下村努の精神と記憶が宿っている。

Lunaria「(こんな体になるなんて...)」

手で胸を触れる。柔らかく、温かい感触。前世では想像もできなかった感覚だ。腰のくびれ、なめらかな肌の感触。全てが新鮮で、不思議な感覚に包まれる。

Lunaria「(女性の体って、こんな感じなのか...)」

湯船に浸かり、体を温める。水の中での体の浮き沈み。前世とは全く異なる感覚に、心がざわつく。下腹部に鈍い痛みを感じ、生理中の体の変化に戸惑う。しかし、その痛みとは別に、体の奥底から湧き上がるような熱を感じる。

Lunaria「(これは...性的な衝動?)」

前世の男性としての経験では、こんなに繊細で、全身に広がるような感覚はなかった。水の感触が、肌を撫でるように感じられ、思わず身震いする。胸が熱く、敏感になっていることに気づく。

Lunaria「(こんなに...感じやすいなんて...)」

手が自然と体を撫でていく。女性の体の柔らかさ、温もり。前世の記憶と今の感覚が混ざり合い、混乱する。生理中のホルモンの影響か、普段以上に感覚が研ぎ澄まされている。

Lunaria「(この感覚...慣れるまで時間がかかりそうだ)」

手が自然と下腹部へと向かう。指先が触れるたびに、電流が走るような感覚。前世の記憶では、こんなに繊細で、全身に広がる快感はなかった。

Lunaria「(これは...自慰?)」

戸惑いながらも、体が自然と動いていく。別シャードのLunariaの記憶が、無意識の行動を導く。指先が敏感な部分に触れ、思わず声が漏れる。

Lunaria「(あっ...こんなに...)」

前世の男性としての経験と、今の感覚が混ざり合い、混乱する。しかし、体の奥深くから湧き上がる快感は、間違いなくこの体の本能だ。

指先がクリトリスに触れるたびに、全身に電流が走るような感覚が広がる。男性の時の快感とは全く異なる、繊細で深い感覚が体を包み込む。クリトリスがビクビクと脈打ち、その小さな部分が全身の快感を支配しているかのようだ。

Lunaria「(こんなに...小さな部分が、こんなに...)」

指の動きが自然と速くなり、体がその感覚に引き込まれていく。胸の鼓動が早くなり、呼吸が浅くなる。全身が熱くなり、感覚が一点に集中していく
突然、体が震え、全身が緊張する。クリトリスから爆発的な快感が広がり、体が痙攣する。男性の時の射精とは違う、波のように何度も押し寄せる快感に、声が漏れる。

その瞬間、体が解放され、深い安堵感に包まれる。全身がリラックスし、感覚がゆっくりと戻ってくる。クリトリスはまだ敏感で、触れるたびに小さな震えが走る。

Lunaria「(これが...女性の絶頂...)」

前世の記憶では、こんなに繊細で、全身に広がる快感はなかった。女性の体は、男性の想像を超えるほど複雑で、深い感覚を持っているのだと実感する。

Lunaria「(前世では、女性の体を神秘的で神聖なものだと思っていた...)」

手に付いた血の感触を思い出す。生理の血は、前世の想像とは違って、グロテスクで生々しい。しかし、その生々しさこそが、女性の現実なのだ。

Lunaria「(母性と性欲は表裏一体...この体は、その両方を持っている...)」

前世の男性としての記憶では、女性を理想化しがちだった。しかし、今この体で感じるのは、理想でも幻想でもない、現実の女性の感覚だ。

Lunaria「(この体は、美しくもあり、グロテスクでもある...それが現実なんだ)」

月明かりの中、体の全てを受け入れていく。母性と性欲、美しさとグロテスクさ、その全てがこの体の一部なのだと理解する。

Lunaria「(生理前は全く性欲がなかったのに...今はこんなに感じてしまう...)」

クリトリスがビクビクと脈打ち、男性の勃起とは違う感覚に驚く。乳首が硬くなり、乳輪が広がっていることに気づく。触れるたびに、電流が走るような快感が全身を駆け巡る。

Lunaria「(男性の時とは全く違う...こんなに敏感で...)」

バスルームの床には、生理の血が飛び散り、まるで殺人現場のようだ。

体の変化を受け入れながらも、その生々しさに驚きを隠せない。女性の体は、男性が想像するような神聖で清らかなものではなく、現実はもっと複雑で、時にグロテスクなものなのだと実感する。

冒険者の日記

夜、新居の書斎で日記をつける。ペンを走らせながら、前世の記憶と現在の体験が交錯する。

『三日目。今日、大きな転機が訪れた。Lord Britishとの謁見で、私の特殊な状況が明らかになった。前世の記憶を持つ者として、新たな可能性を示唆された。

家までいただいてしまった。これで宿屋暮らしから解放される。この家を拠点に、新たな生活を築いていける。魔法研究室の設備は、ゲームの中で見ていた以上に神秘的で魅力的だ。

今日は女性としての新たな経験もした。不安もあったけれど、この体に元々備わっていた記憶が自然と導いてくれた。別シャードのLunariaの記憶は、まるで本当に長年この世界で生きてきたかのように鮮明で確かなもの。

前世での経験は、思いがけない形でこの世界でも活きている。物事を整理する習慣、計画的に進める考え方、そして何より、新しいことに挑戦する勇気。それらは魔法使いとしての直感と、不思議なバランスを保っている。

明日からは、この家を整えることから始めよう。魔法の研究室の設置、錬金術の実験室の準備...やることは山積みだ。かつてゲームの中でしか見たことのなかった魔法の世界が、今は私の現実となっている。

そして、Ravenの訓練も続けないと。彼の成長を見守りながら、この世界での新しい生活を築いていきたい。前世での経験を活かしながら、魔法使いとしての道を極めていく。この二つの人生が、きっと新しい可能性を開いてくれるはず。』

後書き

冒険者の皆様、この物語をお読みいただき、誠にありがとうございます。

第3話では、Lunariaの生活基盤が確立されていく過程を描きました。Lord Britishからの予期せぬ支援、新居での生活準備、そして予想外の身体的な経験など、リアルな異世界生活の一端をお届けできたのではないかと思います。
この物語に少しでも興味を持っていただけましたら、スキ をいただけると大変嬉しいです。読者の皆様からの反応は、ブリタニアの物語をより豊かにしていくための大きな励みとなります。

次回もLunariaの冒険は続きます。魔法の研究、冒険者としての成長、そしてこの世界での新たな出会い...。ぜひ、これからの展開もお楽しみください。

それでは、また次回の更新でお会いしましょう

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