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【起業・創業】創業期に使える補助金ってあるの?|中小企業診断士
皆さん、こんにちは!ようしゅう|中小企業診断士です。
本メンバーシップ【起業・創業のお悩み相談所】では、起業家を目指す方や創業したばかりの方に役立つ情報、私が普段実際に受けている創業相談の中からも皆さんに役立ちそうな実例などを紹介しています。
本日は、少しずつ情報が出そろってきた今年度の【補助金情報】を、創業期の方におススメ度とともにお伝えしたいと思います。
①中小企業省力化投資補助金(カタログ型)
創業期のおススメ度:★★★☆☆
IoT・ロボット等の【人手不足解消】に効果がある汎用製品の導入を支援する補助金です。
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事務局が公開しているカタログに掲載されている設備から導入したい設備を選び、販売事業者と協力して申請します。
製造業、飲食用、小売業、卸売業、建設業など幅広い業種が活用できるように下記のような製品カタログが公開されています。
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2025年2月3日現在で120ページにも及ぶカタログになっており、取扱製品もかなり増えてきた印象です。
カタログから導入したい製品を選ぶ、かつ、申請をサポートしてくれる販売事業者がいるため、他の補助金と比べても申請はかなり簡単です。
欠点としてはカタログが増えたとは言え、「この製品を導入したい」というピッタリの製品がない場合は、メーカーに掛け合って製品登録をしてもらうか、登録されている製品で妥協するかという点です。
また、以下の事業者は申請ができませんので、注意が必要です。
①従業員を雇用していない
②決算期を一度も迎えていない
この補助金は【人】の作業を【デジタル化】するのが目的であるため、そもそも従業員を雇用していない場合は対象外となってしまいます。
また、申請には原則、決算書2期分(決算期を2期迎えていない場合は1期分でも可)が必要となりますので、この文言からして決算期を一度も迎えていない場合も申請が難しそうです。
条件さえハマれば使いやすい補助金だと思いますので、ぜひ一度カタログをご覧になってください。
②中小企業省力化投資補助金(一般型)
創業期のおススメ度:★★☆☆☆
2025年1月30日に中小企業省力化投資補助金(一般型)が公募開始されました。
これは中身を見ていくと、昨年公募されていたものづくり補助金(オーダーメイド枠)が少し要件緩和され、中小企業省力化投資補助金に統合されたイメージです。
こちらも省力化投資補助金ですので、あくまで目的は【省力化】による人手作業の削減やデジタル化にあります。
こちらの補助金は従業員数により段階的に補助上限が変わりますが、最大で8,000万円という大型補助金です。
多いのは製造業の加工設備を導入するという1,000~2,000万円の案件です。
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名前が「一般型」となっているのは、先ほど紹介したカタログ型に掲載されていない製品が対象になるということです。
これに伴い、今回から「ものづくり補助金(オーダーメイド枠)」は廃止されており、ものづくり補助金は新たな高付加価値な製品を製造するための投資に限定されています。
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説明にもあるように「オーダーメイド設備」と言われると【完全オリジナルな設備】と思われるかもしれませんが、実は設備の一部カスタマイズでも大丈夫です。
例えば前年、私が申請支援した事例を挙げると、製造業ではんだ付けをする設備に【自動で幅調整をしてくれる機能】をオプションとして追加したものが採択されました。
カタログに掲載されておらず、何かしらデジタルを活用した機能が付いている設備というイメージでよさそうです。
また、公募要領には満たすべき要件として以下のように記載されています。
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この中で注目したいのが「(2)事業計画上の投資回収期間を根拠資料とともに提出すること」となっている点です。
実は昨年、ものづくり補助金(オーダーメイド枠)だった際には、計算式に当てはめた「投資回収期間が事業計画年数(3~5年)以内に収まっていること」という要件があり、採択されるのが狭き門になっていました。
それが今年は以下のように「投資回収期間が短い」という文言に変わっています。
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これによって少しだけ要件が緩和されたイメージはありますが、いずれにしても事業計画書策定の手間や難易度は高く、それに比べて低い採択率が予想されますので創業期の方にはあまりお勧めできません。
もし申請される場合は中小企業診断士やコンサルタントに有料でお願いした方がいいでしょう。
③ものづくり補助金
創業期のおススメ度:★☆☆☆☆
補助金の代名詞ともいえる「ものづくり補助金」は既にチラシが公開されています。
今年度は「製品・サービス高付加価値枠」と「グローバル枠」のみとなりました。
申請されるほとんどの事業者が「製品・サービス高付加価値枠」で申請され、革新的な新製品・新サービス開発のための設備導入となります。
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この「ものづくり補助金(製品・サービス高付加価値化枠)」は、正直言って対象がよく分からない補助金です。
どこまでが革新的なのか、何を以て高付加価値化というのかが非常に曖昧であるため、最終的に「審査員の主観」で決められているような印象を受けています。
そのため、私もよく相談を受けますが、どの設備であれば対象になるのかというのが断定できないため、「可能性がゼロでなければ、とりあえず申請してみます」と言われてしまいます。
特に製造業の事業者で、この設備を入れれば革新的な新製品が製造できるようになるんだという方がいれば申請してみてください。
ただし、創業期の方にはお勧めしていません。
これは私の経験上の話ですが、特例で創業間もない方でも申請できる仕組みにはなっていますが、【実際に創業期の方で申請するとかなり審査が辛い】です。
参考までに私も含めて何件か創業期で申請していますが、採択実績は【ゼロ】でした(他のもの補助案件は採択率8~9割です)。
④小規模事業者持続化補助金(創業型)
創業期のおススメ度:★★★★★
最後にご紹介するのは小規模事業者持続化補助金(創業型)です。
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