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【起業・創業】ホームページって作った方がいいの?|相談実例③

皆さん、こんにちは!ようしゅう|中小企業診断士です。

本メンバーシップ【起業・創業のお悩み相談所】では、起業家を目指す方や創業したばかりの方に役立つ情報、私が普段実際に受けている創業相談の中からも皆さんに役立ちそうな実例などを紹介しています。

本日は、相談の中でも特に多い「ホームページ」について実際にあった相談事例も交えてお伝えします。


 
 

創業期は「顧客・販路の開拓」に悩みがある

起業・創業したばかりの事業者さんにとって大きな不安の一つが「集客」に関することです。

「開業時に苦労したこと」を調査したアンケートでも実に2人に1人(48.1%)が「顧客・販路の開拓」と回答しています。

日本政策金融公庫総合研究所「2024年度新規開業実態調査」

当然、事業を開始しても思うようにお客さんが付かなければ資金繰りの悪化を招き、気持ちにも余裕がなくなってしまい、事業継続が危ぶまれるケースもあります。

そこで大切になるのが〝マーケティング〟(売れ続ける仕組みづくり)です。

そんなことは百も承知だけど、「実際のところマーケティングって何をやればいいの?」「マーケティングって難しそう」という声は多いです。

批判を恐れずに申し上げるとマーケティングは簡単ではありません。

なぜなら誰でも簡単にできるのであれば、起業・創業した人みんなが商品が売れ、全員が儲かる状態になってしまうからです。

しかし、残念ながらマーケット(顧客の予算)は限られており、その中で競合他社とどうやって差別化し、価格競争に打ち勝ち、自社の商品・サービスを購入してもらうかを考えなければなりません。

しかし、創業期の事業者さんは時間もお金も限られているため、マーケティングだけにリソースを割くわけにもいきませんよね。

そこで、よく私のところに寄せられるのが「ホームページって作った方がいいですか?」という相談です。
  
 

ホームページを作ったけど集客が増えない?!

何でもスマホで調べることができてしまう現代では「ホームページはあった方がいい」ことに間違いありません。

しかし、なんでもいいからホームページを作ればいいという問題でもありません。

大切なのはホームページの〝役割〟を理解して作成することです。

そこでぜひ知っておきたいのが2004年に電通が提唱したマーケティング理論の1つである「AISAS(アイサス)モデル」です。

消費者が商品・サービスを購入するまでにどのようなプロセスを辿るかをパターン化したもので、各行動の頭文字から「AISASモデル」と名付けられています。

https://gmotech.jp/semlabo/webmarketing/blog/aisas/

現代では色んな消費行動モデルが提唱されていますが、中小企業にとってはAISASモデルが最も分かりやすいと思います。

このAISASモデルでは消費行動を5つ段階に分けていますが、大事なのはその順番です。

①Attention(注目・認知)
②Interest(興味・関心)
③Search(検索)
④Action(購買)
⑤Share(共有)

情報が多い現代では無数にあるホームページの中からいきなり自社サイトに辿り着く確率は物凄く低くなっています。

そこで自社サイトにどうやって誘導するか、〝消費者の導線〟を考えることが重要です。

①Attention(注目・認知) :YouTube広告、SNS広告、新聞折り込み
②Interest(興味・関心)  :SNS(インスタグラム、note等)
③Search(検索)       :自社ホームページ、googlemap
④Action(購買)     :商品・サービス購入
⑤Share(共有)       :SNSシェア、口コミ投稿

たまに「ホームページを作ったんですが、集客が全然増えません」という相談を受けることがありますが、そもそもホームページに辿り着いていないことが多いです。

ホームページを見てもらうために、広告を出して「注目・認知」を増やすのか、インスタグラムやnoteを投稿して「興味・関心」を増やすのか自社に足りていない段階に対応したメディア発信に取組むことも大切です。

繰り返しになりますが、「検索」行動の段階でホームページが検索されることは多いため、ホームページはあった方がいいのは間違いありません。
 
 

ホームページ作成は業者に頼んだ方がいい?

いざホームページを作ろう!と思っても、業者に頼むとコストがかかるし、自分で作れるかどうか分からないし…と悩まれる方も多いです。

そこで①無料②有料(自作)③有料(業者)に分けてそれぞれ解説したいと思います。
 

①無料ホームページ★★★

「ホームページを低コストで作成したい」「とりあえずホームページが欲しい」という方には無料ホームページがお勧めです。

最近ではWixやJimdoなど無料でもオシャレなホームページが作成できるツールが出ています。

ページの作成方法も簡単でテンプレートからお気に入りのデザインを選択し、内容を自社に合うようにカスタマイズする仕様が多いため、初心者でも手軽に作成できるのが特徴です。

こうした無料ホームページのデメリットとしては、ホームページアドレスを自分で取得していないため、「Wixが管理するアドレス内で自社サイトページを作る」という形式になっています。

そのため、自社でSEO対策がしづらく、キーワード検索してもヒットしにくいという点があります。

また、テンプレートから選んでカスタマイズするため「もっとこういう機能が欲しいなぁ」と思ってもできない場合があります。

とは言え、個人的には情報を十分に伝えられる内容であれば無料ホームページでも十分かなと思います。
 
 

②有料ホームページ(自作)★☆☆

低コストである程度は自分で作り込みたいという方にはWordPressがお勧めです。

日本国内で公開されている日本語CMSサイトの82.8%がWordPressであり、高度なプログラミング知識が不要でホームページが作れます。

ただし、WordPressはページを作るサービスであるため、自分でサーバーを借りてアドレス(ドメイン)を取得する必要があります。

様々な機能を付けたり、ページデザインをオシャレにしたりすると追加料金が掛かりますが、1~2万円でそれらしいホームページを作ることができます。

ページごとのSEO対策の設定もでき、こだわれば自分の思ったようなホームページを作ることができます。

しかし、私もWordPressでホームページをいくつか作っていますが、実際のところあまり更新することができていません(私の根性が足りないだけかもしれませんが…)。

特に創業期の方は資金調達、営業、接客、経理処理など他にやらなければならないことも多いため、よっぽど続ける自信のある方でなければお勧めはしません。
 
 

③有料ホームページ(業者)★★☆

AISASモデルでいえば「検索」は「購買」に至る前段階であるため、ホームページで購買の意思決定を後押しできるかはとても重要です。

そのため「検索」段階では正確な情報、かつ消費者にとって有益な情報を載せなければなりません。

有料ホームページを業者に依頼する理由はまさにそこにあります。

どんな情報であれば見る人にとって有益なのか、自社の商品・サービスの魅力がどこまで伝わるのか。それらを一緒に考えてくれるのが業者さんです。

逆に言えばそういった内容に対するアドバイスがあるかないかで業者を選定されることをお勧めします。

また、自社商品の価値や魅力が十分に伝えられ、自らの代わりになって商品をプレゼンしてくれる営業ツールになるのであれば、ある程度のコストをかけるべきです。

国や市町村でホームページに使える補助金なども出ていますので、上手に活用しながら魅力あるホームページにしたいです。

※補助金は要件がありますので、必ずご自身で公募要領等をご確認ください
 
 

【番外編】飲食店だけどホームページ必要???

こちらもよくある相談ですが、飲食店の場合はホームページはなくても構わないケースもあります。

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