補助金200万円にアップする「特定創業支援等事業」とは?|中小企業診断士
皆さん、こんにちは!起業・創業コンサルタントのようしゅう|中小企業診断士です。
本日のメンバーシップ特典記事ですが、いつもと少し趣向を変えて起業・創業についての記事を書きたいと思います。
というのも、私「起業・創業コンサルタントです。」とか名乗ってる割には起業・創業の記事を全然書かないじゃん!とそろそろ思われてるかなぁと感じてまして…
そこで本日は起業・創業の入門みたいな「特定創業支援等事業」について書いてみたいと思います。
この「特定創業支援等事業」の認定を取得すると、補助金上限アップなどにも使えますので、ぜひ創業を目指す方は認定取得を目指してみてください。
そもそも「特定創業支援等事業」とは???
「特定創業支援等事業」という漢字のみで構成された文字を見ただけで
「え、なにそれ。なんかもう嫌だ」
という声が聞こえてきそうですが、創業を目指す方にとってはかなりお得になる制度ですので、ぜひ嫌がらずにチェックしてください。
特定創業支援等事業は「産業競争力強化法」に基づき、創業希望者や創業して間もない人を支援するため制度です。
簡単にいえば「市区町村が民間の支援機関と連携して、創業をサポートする」ことを国が認めた仕組みです。
令和6年6月25日現在で1,347件(1,506市区町村)が認定されています。
例えば、神奈川県鎌倉市の場合は以下のようになっています。
鎌倉市と連携する支援機関として、鎌倉商工会議所、湘南信用金庫を中心に日本政策金融公庫、市内金融機関、よろず支援拠点とも連携しながら創業に関する特定創業支援を行っています。
こうした支援機関では創業前から事業フェーズに合わせて、ビジネスモデル構築や商品・サービス開発、販路開拓、資金面などを支援しています。
また、創業したら終了ではなく、創業後の経営・事業拡大局面でも支援を受けることができます。
特定創業支援等事業の4つの項目
特定創業支援等事業では、それぞれの支援機関で経営に関する4つの項目についてアドバイスが受けられます。
その4つというのが①経営②財務③人材育成④販路開拓になります。
右も左も分からない「これから創業するヒト」にとっては、地元の支援機関で体系的に知識を教えてくれるのはとてもありがたいことです。
実際にこれらの支援機関の窓口に行くと、創業担当の方が色々な話をしてくれます。
その項目について何を話すかは人それぞれになりますが、何を隠そう、私はこの「特定創業支援等事業」をやりまくっている人間なんです。
そこで、普段私が「特定創業支援等事業」の4つの項目についてお話する内容をチラッとだけお見せしたいと思います。
①経営
「経営」に関してはいくつかお話することがありますが、ここでは【経営者が持つべき4つのマインド】を紹介します。
経営者というのは勤労者と異なり、自由な反面、孤独な存在でもあります。
事業を進めていく最中では迷うことも当然あるでしょう。
そんな時にこの4つを心に留めておくとよいです。
②財務
「財務」に関しては最も基本的な「売上高」について紹介します。
ひと口に売上高といっても「人数」「平均単価」「営業数」に分けることができます。
売上高を伸ばすためには、このうちのどの部分を伸ばしていくのかを検討することが重要です。
お店の認知度を上げて「人数」を取るのか。はたまた、アイテム数や品質を上げて「平均単価」を上げるのか。それとも時間帯を伸ばしたり、特別営業日(例えばキッチンカー)を設けて「営業数」を増やすのか。
どれを選択するかは経営戦略になりますので、経営状況に合わせて考えることが大切です。
③人材育成
「人材育成」と言っても、そもそも創業期は人材雇用しないケースもほとんどです。まずは個人事業主と法人の違いから社会保険の適用有無など基本的な事項を確認していきます。
人材を雇用する場合には、相談者の状況に合わせて求人、教育、評価制度などについても言及していきます。
④販路開拓
「販路開拓」については、扱う範囲が幅広いため価格設定について紹介します。
自社の商品の価値を見つめ直してもらった上で、競合価格との比較や市場が求めている価格との摺合わせなどについて解説します。
マーケティングは語り出したらキリがありませんが、相談者のレベル感に合わせ、なるべく分かりやすくアドバイスをしていきます。
特定創業支援等事業のメリット
このように各支援機関から4回以上、かつ、1か月以上に渡るアドバイスが頂けたら、市区町村へ申請することで「認定証明書」を発行してもらえます。
この認定を取得することでさまざまな特典を受けることができます。
①法人設立時の登録免許税が半額に
新たに法人を設立すると、会社設立登記が必要です。
その際には登録免許税がかかりますが、認定を取得することでを登録免許税が半額に軽減されます(登録免許税は、会社の種類により異なります。)。
最も高額な株式会社の場合、登録免許税が最低でも15万円かかります。
しかし、認定取得することで半額の7万5千円で済むことになります。
特に創業期はすぐにキャッシュフローが厳しくなりますので、この金額でもかなり助かると思います。
②小規模事業者持続化補助金の上限額が200万円に
国の補助金である「小規模事業者持続化補助金」は販路開拓への取組みに対して補助される制度ですが、通常枠の場合上限額が50万円となっています。
しかし、認定を取得すると「創業枠」に申請することができ、なんと上限額が200万円にまで引き上がります。
補助金が200万円あると店舗改装や大型設備など思い切った投資が可能になりますので、投資効果も大きくなりやすいです。
小規模事業者持続化補助金は来年度、予算が計上されていればまた公募があるかもしれません。
また、各地方自治体でも認定取得者向けの独自補助金が創設されていることも多いですので、ぜひチェックしてみてください。
③日本政策金融公庫の「新規開業資金」貸付利率引き下げ
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