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②AVの企画みたいな出会い

私と旦那の出会いを話すと、他人によく「AVのストーリーみたい」と言われて心外だ。私は運命的な出会いだとトキメイていたのに。そう言われた旦那もまんざらではないようで大笑いしてたな。
いわゆる、職人と客だ。当時私には旦那と6歳になる娘が居た。仕事を数え切れないくらい変えて、なかなか定職につかない当時の旦那には当然きちんとした稼ぎがなく、常に苦労していた私たちを見かねて、両親が隠居後に住もうと購入していた一戸建てに、住まわせてくれていた。まだ当時30手前の若い私たちは贅沢な一軒家に住んでいた。ベランダや木部の痛みを気にした両親が、ハウスメーカーに塗り替えを依頼した。その下請け会社から派遣された職人の1人が、私の2人目の旦那となるYだ。旦那が2人出てきてややこしいのであえてこの章ではアルファベットで呼ぶことにする。
塗り替えの少し前に当時の旦那であるTは浮気をし、夫婦仲はギクシャクしていた。
そんな我が家が家のベランダ部分と木部の塗り替え工事をすることになった。あまり社交的では無いTは毎日他人が出入りするのが煩わしいようで不満げだったが、持ち主である両親の希望なので文句言える訳もなく黙っていた。
さて、工事開始1日目。ピンポーンと朝8時きっかりにチャイムが鳴り、インターホンから「今日から塗り替え工事に入ります。Yです。自分入れて3人で作業していきますのでよろしくお願いします!」ときちんとした挨拶をしてくれたのが、Yだった。建築系の職人にちょっとガラの悪いとゆうか怖そうなイメージを持っていた私は「こんなちゃんとした人いるんだな」と安心した。私は部屋着のまんま門扉まで降りて笑顔で「よろしくお願いします」と挨拶した。初対面の時は「ちゃんとした人」それだけだった。

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