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⑩モラハラ

女、子ども、もちろん老人にも、手こそあげないけれど、言葉の暴力は酷かったと思う。小言や文句は毎日あったし、「生きてるうちに頭使えよ」と「使えねぇなぁ」が口ぐせみたいな人だった。自分のミスは笑って許されてるのに、私のミスには容赦がない。元旦那は個人事業主で塗装屋として独立してたんだけど、パソコンや機械関係、法律などめっぽう弱くて何にもできないので私が手伝ってたんだけど、自分が出来ない仕事を私に頼んでおいて私がミスするとそりゃあもう激しく叱られた。他人のことが気になって仕方のない優しい性格なのにどうして私にはこんなに厳しいのだろうと、当時は自分が出来なさ過ぎて嫌になっちゃったのかなと悲しく思って泣いた。「お前が居て良かったよ」「いつもありがとう」「好きだよ」そんな言葉が、旦那の笑顔が、気持ちが欲しくて頑張った。頑張っても頑張っても認めて貰えなくてどんどん自分に自信がなくなった。当時はそれがモラハラとは気付かず、旦那の能力に比べて私が追いつかなくて苛立たせてしまってるんだとただ怒られたくなくて顔色を伺う日々だった。でも彼の機嫌が良くて優しいときはほんとに幸せで気分が良くて楽しかった
美人でも可愛くもない、スタイルも良くない。人見知りで物覚えも悪い私に比べて、面白くて顔が良くて学生時代からアイドル並みにモテモテで子どもから大人まで誰とでもすぐ打解けるバツグンのコミュニケーション能力プラス記憶力がいいから人の誕生日や出来事を覚えていて気遣いが出来るから喜ばれたり、ほんとそんな元旦那を尊敬していた。元旦那の仲間の奥さんはみんな美人で明るい人ばかりだったから私は会食に参加するのが本当に嫌だった。みんなでワイワイするのが好きな旦那と一緒に居るのは劣等感の塊でそのせいで積極的に前に出れず気も利かないしうまく会話を返せない私にはほんとに大変だった

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