退院までの地獄の5日間
妊娠初期から大学病院で検診を受け、「ダウン症」を指摘されないまま、9ヶ月で帝王切開で第二子を出産しました。
出産当日に夫から、本当は私には秘密で聞いた
「子供の心臓に異常がある」
ということを私に告白されました。
そして翌日、これまた
「お父さん、1人で話を聞きに来てください。」
という医師との話し合いに、私も同席し、
「染色体異常かもしれないから精密検査をします。」
という話を聞かされました。
私も産後5日間は安静で入院です。
時間が制限されていますが、NICUに子どもに会いに行く以外は、基本的に、暇ですよね。もともと寝ることが大好き、昼寝大好きなので、たっぷり寝ていました。
普通は、子どもの病気を宣言されると、お母さんは病室でずっと泣いているらしいです。
1年後に婦人科病棟の婦長さんにお会いしたときに
「お母さんは、泣かなくてよく頑張ったね。」
と言われました。
だって、泣いても仕方ないし、なんの解決にもならないし。
昼寝以外は、ひたすら病気についてググってました。
なので、客観的に子どもの病気のことを見ることができていたのだと思います。
ただね、子どもに対して泣くことはなかったけど、入院中は病院の対応は、病気の子供を出産した母親や家族に対しての配慮が足らないと思うことが多く、10年以上経った今でも、嫌な思いしかありません。
元気な赤ちゃんを産むことが前提に進められる入院中のお母さんへの扱い。
健康な赤ちゃんも新生児室にいて、基本的には母子別室。
なので、授乳時間が決まっていて、お母さんが同じ時間に申請自室に集められ、一斉に授乳するのです。
赤ちゃんがNICUにいて、授乳できないお母さんも一緒に搾乳。
私たち赤ちゃんに直接授乳できないお母さんは、健康な赤ちゃんに授乳している幸せそうなお母さんの横で、搾乳して母乳を集めているのです。
はっきりいって、地獄です。
子どもについて特に悲観することなく宣言されても泣かない私もさすがに、これはメンタル的にきつかったです。
なんで、わたしの赤ちゃんはここにいないの・・・。
授乳という当たり前のことが出来ない・・・。
これを1日に何回も思い知らされるお母さんの気持ちを病院側は考えていないのでしょうか?
そして退院前日の沐浴実習。
当然、みなさん、自分の赤ちゃんをお風呂に入れています。
きゃっきゃっキャッキャしながらね。
でも、赤ちゃんの沐浴ができない私は、人形の赤ちゃんをお風呂に入れるのです。
授乳のこともあり、ナースには訴えたのです。
「赤ちゃんがいつ退院するか分からないし、上の子もいるから、沐浴実習は必要ありません。私だけ人形で参加するのは嫌です。」
なんども訴えたのですが、退院前に沐浴実習をするのは決まりなので参加しないといけないと・・・。
決まりって何?
マニュアル通りにしか出来ないの?
患者の気持ちには寄り添わないの?
退院前日、担当医師である准教授が退院のお祝いで病室にきたのですが、「子どものことは新生児科の方で。」と子どもの病気について触れられたくないようで、逃げるように去って行きました。
准教授なのに、診断できなかったもんね、恥だよね。
そんな嫌な思いの入院5日間を過ごし、無事、私だけ退院したのでした。
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