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ディルマ(Dilmah)のSDGs経営

「ディルマ、これが紅茶なんだ」
なんともキャッチーなコピーが惹きつけるスリランカの紅茶ブランドディルマ(Dilmah)。紅茶といえばイギリスのイメージも多いと思いますが、原材料となる茶葉はスリランカはじめ、かつてイギリスの植民地だった国からのもの。ディルマの紅茶の美味しさはもちろん、スリランカの経済活動を潤しているだけでなく30年以上も前から社会課題に積極的に貢献するまさにSDGs経営を体現しているディルマについて、井村誠さん(ディルマ紅茶の日本総代理店/ワルツ株式会社)のお話をもとに綴ってみました。

原材料を調達するだけでは豊かになれない

ディルマはスリランカで生まれた初の紅茶ブランド。創業者はスリランカ人のメリル・J・フェルナンドさん、現在なんと現役90歳。
その誕生は、スリランカで初のティーテイスター訓練生として20歳にロンドンで修行していた時に発します。産地スリランカから地球のはるか反対側のイギリスに船で運ばれた茶葉が、他のいろんな国の茶葉とブレンドされて紅茶になり、イギリスのブランドとして高い値段で販売されるという光景を目の当たりに。

スリランカの本当の美味しい紅茶が伝わらないどころか、安く原料を調達するだけにとどまっている。一生懸命に美味しい茶葉をつくっても、スリランカ人の暮らしがよくならない。植民地時代からの構図を変えなければ、みんなが豊かになる仕組みを創らねば、とスリランカに帰りそこで紅茶をつくることに。「スリランカの紅茶の美味しさが伝わって、かつ収益でスリランカ全体が潤っていく」。24歳で思い立った志も、当初は原材料の輸出のみ。その後もいろんな苦労を重ね、ようやく58歳の時に原材料から製品化までスリランカで完結する「ディルマ」を創業したとのことです。

ちなみにディルマという名前は、二人の息子の名前「ディルハン」と「マリック」から、三人目の息子として「ディルマ」と名づけられたとのこと。スリランカの豊かな大地で育まれた茶葉を一枚一枚手摘みで伝統製法を守り、愛情を注がれて紅茶になる。ディルマの美味しさの秘密が見えてくるようです。

魚を与えるのではなく、釣り方を教える

メリル・J・フェルナンドさんご自身の名前をとって立ち上げた「MJF慈善基金」は、ディルマの収益により様々な社会貢献活動を行っています。貧富の差が激しい国スリランカ。そこで貧しい状況にある方々やハンディキャップのある方への自立支援を行っています。単にお金をあげても使っては暮らしは一時的にしか豊かにならない。様々な事情を抱える方が自分の置かれている状況を自分で克服できるよう、手に職をつけ技能をつけ自分で仕事を持ち自立を促していく。まさに魚を与えるのではなく、その釣り方を教え、自身で釣り続けられるようなサポートを実践しています。

ハンディキャップを抱えた人の就職先が少ないとのことで、技能を身につけられるよう調理学校を開講し、卒業後は地元のレストランで就職したり。茶園で働く女性のこどもを預かる保育所を設置し、親が安心して働けるようにまたその間こども達に教育が行き届くような無償支援も。現在スリランカに70箇所の保育所、年間3500人のこども達に支援を続けています。

SDGs経営=自然に循環し広がる仕組み

ディルマの取り組みの素晴らしさは、まさにSDGs経営です。紅茶が売れるほどにスリランカの人々の暮らしが潤い、貧しい方やハンディキャップのある方が技術訓練を受けることで自立支援を促し、社会経済の担い手として活躍する機会という循環を生み出しています。

日本でもこのMJFの活動に共感した東海コープさんが、紅茶を楽しんで頂いた会員さんの1点1円で拠出金を捻出し、小学校へ上がるこども達へスクールバッグをプレゼントする取り組みへと広がっているようです。チャリティで単に寄付するのではなく、スリランカの美味しい紅茶を楽しんでいただくことが産地の人々の暮らしを潤し、様々な福祉活動が可能になる。そんな自然な循環を生み出しているのです。

ディルマの公式サイトは、こちらから

井村誠さんによるオンライン無料紅茶セミナーが4月22日に開催です。ぜひこの機会に紅茶の魅力に触れてみてくださいね!

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SDGs経営やSDGsに関するセミナーも行ってます。お問い合わせはこちらから




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