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ジェンダーバイアスを考える〜より多様性を尊重する社会づくり
華々しい印象がある女子アナ。その一方で「『わきまえている女性であれ』という女性アナに向けられる『圧力』こそ、社会の様々な立場にある女性たちが直面してきた社会全体にある問題」と女性アナウンサーネットワーク「FAN」をを立ち上げた元TBSアナウンサーの小島慶子さん。その背景にあるジェンダーバイアスとより多様性を尊重する社会づくりの記事をシェアします。
ジェンダーバイアスは日常に潜んでいる
「男の子だから、泣いちゃいけない」
「女のくせに、でしゃばって」
こんな言葉を聞いたり、もしくは使ったことはありませんか?
またはこれって性別関係ある?なんて感じたことはありませんか?
ジェンダーとは、社会的・文化的につくられた性別のこと
ジェンダーバイアスとは、男らしさ、女らしさという枠の中で、「そうあるべき」という偏見や差別のこと
をさします。
「男の子だからスポーツができなきゃ」
「女の子なんだから料理のひとつくらいつくれなきゃ」
日常の何気なーく使われてる会話や言葉だけでなく
トイレサインの男性は青、女性は赤
制服の男性はズボン、女性はスカート
男の子は坊主頭、女の子はおかっぱ
「ジェンダーバイアス」は文化的・宗教的にも影響を受けるので無意識なジェンダーバイアスが数々潜んでいることに気づくでしょう。
日本は日常生活はもちろん、組織や社会構造そのものがジェンダーバイアスで溢れているため、SDGsのゴール5「ジェンダー平等を実現しよう!」は120位という先進国でも散々たる順位づけ。そこに違和感を持っていないことこそ問題かもしれません。
日本社会が求める理想の女性像
求められる女子アナ像を変えることは、より多様性を尊重する社会づくりに繋がる「女性アナウンサーネットワーク(FAN)」が立ち上がった背景にあるのは、女性アナ達が共通にもっていた課題「理想の女性像」に加担しているのではという葛藤や息苦しさがあるという。
たしかに、アナウンサーという仕事は多くの人の目に触れる分、女性アナに対する社会が無意識に求める「女らしさ」や「理想の女性像」、こうあるべきが同時に刷り込まれていく可能性はあるものです。ちなみにここでいう「理想の女性像とは」
ここでの「理想」とは、「若くて美しくて気が利いて、賢いけれどわきまえていて、男性を決して凌駕することがない女性」という像。
「良妻賢母」という言葉からも、いわゆる女性像のこうあるべきは、良き妻として夫を献身的に支えながら、こどもの教育やしつけがしっかりできる賢い母というイメージは根強く残っていることは確かです。
その中での生きづらさを感じている女性は多いですし、私もそれを払拭する必要性を感じている一人です。
また、男女で違うアナウンサーのキャリアパス。日本の中でもテレビ局が特に意志決定層のジェンダー格差が大きく、まだ圧倒的な男性社会という。
誰のための「理想の女性像」か。テレビ画面の中と、社会の様々な立場にある女性たちの置かれた状況には、共通の問題があると感じてきました。
多様性を尊重する社会づくりを先導するアナウンサー
国際女性デー(2021年3月)に合わせたクラブハウスの催しで声をあげた小島慶子さんに、賛同するアナウンサーやキャスターに後押しされるカタチで立ち上がったのが「FAN」ということ。その目的は
1.アナウンサーとして仕事をしている女性たちが、長い目でキャリアを築けるようにすること
2.テレビの表現を通じて、社会に存在する固定観念や先入観を変えていくこと
テレビから知らずにジェンダーバイアスを受け取っているということは、社会にある先入観や偏見を変えることもできるものとして捉え直すこともできる。
そのためにもアナウンサーがまずダイバーシティ&インクルージョンについての知識を身につけ、「放送の最終安全弁」としての役割でジェンダーに関する表現を意識的に行っていこう!「多様性を尊ぶ番組づくりの輪を広げていこう!」と、その後押しをわたし達視聴者にもとめています。
みなさん「良いな!」と思う番組を見たり、固定観念に基づく表現などについてアナウンサーが放送中に適切に対応しているのを見かけたりしたら、「いいね」「応援したいです」とSNSで呟いたり、ぜひメールや電話でお客様センターなどに届けて欲しいです。
「多様性を尊ぶ番組づくりこそが、次の世代に支持される道ではないでしょうか」
それぞれが持つ違和感や生きづらさを発信することは、同様な想いや共感する方とのつながりと課題を解決するきっかけになることは間違いありません。良いものを多様性が尊ばれる社会づくりに、わたし達も声をあげていきたいですね。
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