韓国人と日本で過ごす秋夕(추석)🌕🌾
先月の29日は、日本では中秋の名月でした。
ちょうど今年は珍しく満月に重なるとかでなにかと話題になりましたよね。
一方、同じ日、韓国では추석(秋夕:チュソク)という日でした。
秋夕はよく日本のお盆に例えられますが、簡単に言ってしまうと、田舎に親戚同士が集まって、ご先祖様のために大量の料理を作り、そして儀式を行なってご先祖様を供養するという、そんな日です。
日本のお盆と違うところといえば、韓国はこの秋夕の日が国民の祝日となっており、それに合わせて大型連休が設定されているというところです。
みんな一気に田舎に帰るので、町中のお店も閉まれば、飛行機の値段もグッと上がる。
意味合い的にはお盆に近いですが、人々の動きは日本の年末年始に近いものがあると思っています。
さて、そんな秋夕の日、去年はハルマンが呼んでくださったので済州島で親戚たちと過ごしました。
今年も済州島で過ごしたいなと思ってはいたものの、直行便もないし、仕事も忙しいしで現実はなかなか簡単ではなく、結局行けずじまいとなってしまいました。
じゃあ、今年の秋夕はなにもしなかったのかというと、そんなことはなくて、うちの会社の人はみんな同じ状況(秋夕に合わせて故郷に帰りたいが、なかなか現実的に難しい)にあるので、会社でみんなで秋夕を過ごそうということになったのです。
聞いた話によると、毎年秋夕の日は、社長が直々に전(チヂミ)を焼いて食べさせてくれるのが恒例らしいのですが、今年はパッと食べたいものを色々買おうと社長が提案してくださり、そうすることになりました。
ここで問題なのは、秋夕の時に食べる料理が地域ごとに異なるということです。
私の会社にいる人たちは、私を含めて全員故郷が異なります。
ソウル、慶尚道、全羅道、済州島… などなど。
日本でお雑煮が地域ごとに全然違うように、韓国でも秋夕の日に食べるものが違うのです。
(ちなみに、済州島では海鮮がメインで、アワビまで出てきます。)
社長がみんなに何を食べたいか聞いてくださったのですが、結局意見がまとまらず、最終的には社長が適当に買ってきてくださることになりました。
そして、当日出てきたのがこちら。
真ん中のお餅の盛り合わせにみんな大興奮!
韓国では名節の時にお餅を食べますが、私自身こんな綺麗に盛られたお餅は、見るのも食べるのも初めてでした。
私も昔はチェサ(法事)の時に毎回お餅を食べていた記憶がありますが、チェサの集まりがなくなってはや15年以上は経っているので、すごく懐かしい気持ちになりましたし、家族に会いたくなりました。
とはいえ、このお餅も、地域や家庭によって種類が異なるそうで、私も初めて食べる種類のものが多く、新鮮でした。
特に感動したのが、真ん中に乗っている꿀떡(クルトック)というお餅です。
外側はほんのり甘い普通のお餅なのですが、中にホットックの中に入っているような甘い蜜と少しだけ胡麻が入っています。
私は人生で初めて食べましたが、すごく美味しくて気に入りました。
他にも、カボチャのペーストが入っているもの(写真の中の黄色いもの)や、手前の茶色い餅なんかは初めて食べました。
(もしかすると幼い頃食べているのにも関わらず、記憶にないだけの可能性も無きにしも非ずではありますが。)
最近はこういった新しい食べ物や文化に出会うたび、自分の知っているものは済州島独自の文化なのではないかと疑わざるをえなくなりましたが、今回もこの記事を書きながら色々検索しているうちに、いつもチェサの時に食べていたあのお肉の串(적갈:チョッカル)が、済州島独自のものであるという衝撃的な事実を知りました。
通りで今まで韓国の人たちと通じ合えなかったんだ…。
会社に来てから、こういった「済州島独自の文化」に気付かされることが増え、ある意味のカルチャーショックがあり、とても面白いです。
ということで、今年の秋夕は、こうして会社の皆さんと一緒にわいわい楽しく過ごしました。
儀式的なものは行なっていませんが、形はともあれ、いつもご先祖様(曽祖父母たち)たちのことを想いながら生きているので、きっと空の上で笑って見てくれていることではないでしょうか。
来年は…来年こそは、済州島で過ごせることを願いながら、今回の記事を締めようと思います🙏🏻✨
最後までお読みいただきありがとうございました😊