ピッピ物語 犬の時間と言葉の理解
こんにちは! 人と犬のhappylifeコーチ ドッグトレーナーの齊藤です。
前回ピッピが留守番で一人になった所で終わりましたが、番終了後の事件から知っていて欲しいと思う事をお話をしていきたいと思います。
それではピッピの物語です(^^)
<14時>
”ガチャ、バッタン”
ママが帰ってきた。
ピッピはリビングから飛んで玄関までお出迎え。
「ただいま!ピッピ!」
ピッピはママの足元にまとわりつきピョンピョンとママに飛びついた。
ママもピッピに声をかける。とっても高い声で
「はいはい!いい子にしてたかな!?ちょっと!飛びつかないの!!」と言いながら、頭をなでた。
ピッピはもっと飛び上がって喜んだ。
「もう!静かに!うるさいわよ!しーーー!」
と言いながらリビングへと入っていった。
そこで、ママはローテーブルの上に置いてあった籐の入れ物に入っていたティッシュが散乱し籐の入れ物も大破していた光景をめにした。
「あーーーーー!!!!!!ピッピ何したのーーーー!!!!」
先を歩いていたママがピッピの方を振り返るとママはものすごい怖い顔をしてピッピを睨んだ。
「ピッピーーーー!こんなにしちゃって!!!!」
ママは大破したティッシュの箱をぶんぶん振り回しながらピッピの元へ行った。
ピッピは頭をさげて、いそいそとリビングの隅へ行った。
ママはピッピの所まできて顔を近づけてきた。
「かじったらダメでしょ!!!なんでこんな事するの!!!」
ピッピは思わずお座りをして頭を下げながらママを見上げてみた。
「反省してるの!?」
ピッピが鼻をペロッとなめて、ママから顔をそむけた。。
「まったくもう・・・。」
そういうとママはピッピから離れてキッチンへ向かった。
ピッピはソファーの方へ行ってお座りをして小さくなっていた。
ママはお茶を飲むと、破壊されたティッシュ箱のかたずけを始めた。
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さぁ愛犬がいたずらや失敗をした後どのように対応しているでしょうか?
犬の時間、記憶、理解、犬が出すサインについてお話ししていきます。
ピッピの気持ちはこうでした。
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不安な気持ちでしばらく家の中ぐるぐるを歩いていると、しっぽが何かに当たってローテーブルの上から何かが落ちてきた。
●ん?なんだこれは?クンクン・・。
ふん。みんなの匂いもする!かじってみよう。
!・・・楽しい、ガジガジ・・・楽しい・・・ガジガジ。
・・・・・ガジガジ・・・・。
楽しいけど、眠くなってきたなぁ・・・
眠くなってきた。眠く。。。
ピッピは眠ってしまった。
”ガチャ、バッタン”
ピッピは目が覚めた。
●!!!!ママが帰ってキターーーーーーー!!!嬉しーーー!
ママの顔めがけて飛びつきたい気持ちが止まらないよ!!🐶
わん!わん、わん!わん!ママが頭をなでてくれた!嬉しい!
ママが何か言ってる!ママも喜んでるんだな!
僕も嬉しい!!!!わんわん!わん!
ん?ママが大きな声を出して僕の方を振り返った・・・。
●ママの顔はすごい怖い顔をしているよ。あっ怒られる?
ママは手に何か持って僕に向かってぶんぶん振り回してきた。
怖い・・・ママは何か怒っている。なんで怒っているの?どうしたの?
怖いから向こうに逃げよう・・・。
部屋の隅の方に逃げたけど、ママは顔を近づけてきた。
怖いよ・・・ママ落ち着いて。
落ち着いて・・・・・・
やっとママは僕から離れていった。
怖くて悲しい・・・ここで静かにしていよう・・・。
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ここでは
①犬の時間の感覚
②犬は言葉を理解出来ない
③犬の仕草(カーミングシグナル)
の紹介です。
①犬は今を生きている
人の1時間は犬にとっては4時間とも言われています。
そして犬は過去や未来に思いをはせません。
過去の出来事を理論的に記憶できませんし、未来で困る事を心配して行動をするなんて事もありません。
当然「ママは留守番中にティッシュ箱を壊して怒っているのだからこれからはママに怒られないようにこれからはカジらないで留守番してよう。」
なんて理解する事などないのです。
まぁ今を生きているんですね。かっこいい!(*'▽')
そもそもティッシュ散乱、箱大破が悪い事だと思っていません(*´з`)
なので、ずっと前にかじったティッシュが悪い事と理解もできないし、ママのお叱りを何時間も前のティッシュ壊しと関連付ける事もできません。
犬の学習のほとんどは、出来事の関連を理解できるのは5秒の間も厳しい!?1,2秒の間と言う研究者もいます( ゚Д゚)
YESもNOも理解してもらう為にはその瞬間が鉄則なんですね。
②言葉は理解できない?
次に犬は人の言葉は理解していないという事。
犬はコミュニケーションの多くをボディランゲージで伝えたり読み取ったりします。
ママが怒っている事をピッピは言葉を理解しているのではなくママの動作、表情や、声の出し方で理解しているのです。
犬はこの能力はとても長けているんです。チンパンジーより優れているのです!
表情も読み取っている上に、人のストレスホルモン等の臭いを察知して読み取るとも言われています。
しかし「ごはん」、「散歩」、「おもちゃ」、「お座り」、「フセ」等々単語は行動や物と結びつける事が出来ます。
でも文法言葉は理解できないのです。
ママはいろいろ大声で言い聞かせてましたけどね~( ;∀;)
なのに、いつ行った事か理解できない事に叱ると、犬は混乱し時々とても怖くなる人と学習するだけで、信頼関係も壊れてしまう事になりかねません。
③カーミングシグナル
最後にママが怒っているときに取ったピッピの行動です。
鼻をなめる、顔をそむける、これらはご存知の方も多いと思いますがカーミングシグナルと言って、自分や相手を落ち着かせるために取る行動です。
いわばストレスがかかっている状態であると言う事です。
他にも体をブルブルさせる、あくびをする、顔をそむける、お座り、フセ、前足を上げる、ふいに匂いを嗅ぐ等もカーミングシグナルです。
よく見かけるかわいい表情?頭をうなだれて、耳を後ろにつけ、人を見上げているような仕草が反省している表情に見えますが、反省や罪悪感な訳ではなく恐怖の表情なのです。。。。
こうやって恐怖を感じながら、ボディランゲージを使って自分やママを落ち着かせようとしていたのです(>_<)
おうちの愛犬も観察してみてください。
あれ?緊張してるんだなとか、不快に思っているんだなとか分かると、人も適切な対応を取れてきます。
★すると犬は、自分の気持ちをよくわかってくれる信頼できる人と思って信頼関係を築くことにつながって行けますよ~!
上下関係より信頼関係(*´ω`*)
それではまた!
<犬しつけ>