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NPD(自己愛性パーソナリティー障害)とは何か?(5)

NPDの特徴(4):境界性不全と防衛機制


境界線の不全とは:

境界線の不全は、自分と他人の区別があいまいになる状態です。母は私の考えや感情が、必ず自分と同じはずだと思い込んでいました。

具体的な例

私が自宅でピアノ教室を始めた時、母は「親子なのだから一緒にやるべき」と主張しました。私が違う方法を選びたいと言うと、それを理解できず、まるで私の選択が間違っているかのように否定してきました。

防衛機制としての投影

投影とは、自分の中にある受け入れがたい感情や特徴を、他者に押し付けて見る心理防衛機制です。母の場合、以下のような投影が見られました:

  • 自分が抱える決断への恐れを、私の「優柔不断さ」として批判する形で投影していました

  • 自身の不安定さや依存的な面に向き合えないため、それを私に投影し、私の生活を「不安定」と決めつけたり、自立を妨げたりしていました

この投影は母の防衛機制として機能し、自分の中の受け入れがたい部分を他者に押し付けることで、自己の安定を保とうとしていました。最初は母のこうした行動の意味が理解できませんでしたが、これが投影による防衛機制だと理解できたことで、母との関係を客観的に見られるようになりました。


母は自分の中にある不安や劣等感を、私に投影することで自己防衛していました。例えば:

  • 母自身が決断することを恐れているのに、私の優柔不断さを批判する

  • 自分の不安定さに気づかないまま、私の生活を「不安定」と決めつける

  • 自分の依存的な面を認められず、私が自立しようとすることを批判する

価値の否定と分裂防衛

母は自分の価値観だけが正しいと信じ、それ以外の選択を全て否定しました。これは分裂防衛の一種で、自分の考えを「良いもの」、それ以外を「悪いもの」と極端に分けることで、自己の統合性を保とうとしていました。私の選択は常に「間違っている」「不適切」とされ、その正当性を主張する余地さえありませんでした。

理解することでの変化

最初は母の言動が理解できず、ただ恐怖を感じるだけでした。しかし、これらの防衛機制を理解することで、母の行動パターンが見えてきました。それは:

  • 母自身の深い不安から来る防衛行動だと理解できた

  • 母の批判は実は自己投影による防衛だと気づけた

  • 境界線を引くことの重要性を学んだ

この理解は、母との関係を客観的に見ることを可能にし、私自身の心理的な安定にもつながっています。

母が私に向ける投影

自己の不安定さの投影

母は自分自身が決断を恐れ、不安定な精神状態でありながら、その自覚がありませんでした。代わりに、私の生活を「不安定」と決めつけ、私の決断に対して批判的な態度を示していました。

依存性の投影

父が亡くなってから、母は精神的に一人で立っていることができなくなり、強い不安を抱えるようになりました。しかし、その依存的な部分を認められず、代わりに私の自立を妨げようとする行動として表れました。

自己否定の投影

母は自分の中にある劣等感や不安を直視できず、それを私への批判として投影していました。私の選択や決定を否定することで、自分の不安定さから目を逸らそうとしていたのです。

子どものような依存欲求の投影

母は精神的に幼い状態のまま年を重ねていましたが、その自覚はありませんでした。代わりに、私に対して過度な依存や要求をし、それを「親子だから当然」と正当化していました。

責任回避の投影

母は自分で決断することを極端に恐れ、責任を取ることを嫌がりました。その代わりに、私に責任を転嫁し、私の決断に必ず介入しようとする行動として現れました。母は自分の中にある不安や迷いを、私への過度な干渉という形で表現していたのです。

母の投影の特徴

  • 自分の不安定さを認められず、私の生活を「不安定」と批判

  • 自身の依存欲求を直視できず、私の自立を妨害する形で表現

  • 決断への恐れを、私の決定への過度な介入として表出

  • 自己の未熟さを認められず、「親子だから当然」という形で依存を正当化

投影が起こるメカニズム

母の場合、以下のような心理的プロセスが働いていました:

  • 自己の中の否定的な部分を認識できない

  • その部分を無意識的に他者(私)に投影する

  • 投影した内容を批判することで、自己を守ろうとする

  • この過程自体を意識することができない

投影の影響

この防衛機制は以下のような影響をもたらしました:

  • 修復不可能な母子関係の歪み

  • 私の自立の妨げ、人生の大きな損失

  • 相互理解の困難さ

  • 感情的な衝突の繰り返す、トラウマの形成

理解することの意義

母の投影を防衛機制として理解することで、その行動の背景にある不安や恐れを認識できるようになりました。これは単なる批判や否定ではなく、母自身の深い心の傷や未解決の課題の表れだったのは、私自身を解放するための最後のステップとなりました。この理解は、もはや関係修復の手段ではなく、決別を正当化する根拠となりました。母の行動は永続的な心理的暴力であり、それは単なる世代間トラウマの連鎖ではありますが、私がその連鎖を断ち切るためには、完全な関係の切断が必要不可欠です。

この理解は、より健全な距離感を保ちながら関係を維持するための重要な視点となりましたもはや関係を維持するためではなく、自分を守るための明確な境界線を引くために必要でした。

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roomie
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