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6.夫の常識に挑む妻は異端児

娘が食べない

朝、私は目を覚ました。時計を見ると、いつもより30分遅い。

「しまった!」と飛び起きる。子どもたちも私に引きずられるように、いつもより遅めの起床になってしまった。

食卓に着いた長女は、ご飯には手をつけず、おかずだけをつまんでいる。それを見た夫が、眉をひそめてこう言った。

「何か工夫しないとダメだよ。このままじゃ背が伸びないぞ」

私は内心で目を回す。また始まった、と。
食べる工夫?早く起こす工夫?どっちだよ。
正直、こういうのって私にはよくわからない。食べないのは娘の選択じゃないの?無理やり口に押し込むわけにもいかないし...。工夫したって食べるかどうかなんて、結局娘次第でしょ。

でも、確かに起きる時間が遅いから、食べる時間が足りないのかもしれない。ん〜、私だけがそう思ってるのかな。違和感はあるけど...。

「そうだ!」とひらめく。長女の好きなチキンライスを作り置きしておこう。朝の麻婆豆腐も良く食べるし...。これも努力って言えるよね?

なんでもかんでも努力って・・・


ふと、夫の言葉が頭をよぎる。「なんでもかんでも努力」って...。まるで今の私が努力してないみたいじゃない?いや、十分じゃないかもしれないけど、私だって頑張ってるよ。

もしかしたら、このモヤモヤした気持ち、NLPの考え方で何か変わるかも。大きな悩みじゃないけど、この思いを忘れないように書き留めておこう。時間が経つと、こういう気持ちって忘れちゃうからね。

そういえば、昨日夫が買ってきた飲むヨーグルト。夜には「飲む!」って言ってた子どもたち。でも、朝になったら誰も飲もうとしない。

家族の食卓を見つめながら、私はため息をつく。
「あ、これこれ。」うちの子ども達は最初は調子いい。でも後になるとダメ。うちの子どもたちは、ほんとうに「おこちゃま」だ。

翌日。私はチキンライスを作り、娘の前に置く。娘は少し眠そうな目をこすりながらも、スプーンを手に取る。

そして娘は口に運び始めた。

朝は朝食の習慣として長女にはチキンライスになった。今では娘が寝坊しても、ほとんど完食していく。時には「もうおなかいっぱい」と言って少し残すこともあるが、それでも以前に比べれば雲泥の差!

「ごちそうさま」

娘が席を立ち、学校に出かける姿を見て、ああ、とりあえず食べるようになったと小さな達成感が胸に広がる。

何か工夫しないと。


しかし夫の言葉が頭をよぎる。「何か工夫しないと」。
あの時の彼の声音、表情が鮮明に蘇ってくる。確かに、結果は出た。でも...

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