もう一人の『名前を言ってはいけないあの人』についてpart1 2号から4号へ
.edleyという動画はニコニコの動画としては異例の、ロースピードながら永遠に再生数が伸び続ける現象が続いている。執筆現在234088再生である。
これは近日話題をになっていた「名前を言ってはいけないあの姫」とは違うもうひとりの『名前を言ってはいけないあの人』である。彼の名前を語ることができないためか当ジャンルに生息する人たちは自分たちの生息するジャンルのことを単にこう呼ぶ。
「界隈」
これでは一体なんのことかさっぱりわからないではないか!
でもすっかり定着してしまっているこの言葉が今後廃れることはないだろう。強いて言えば「界隈」以外に「リスペクト」という言葉が使われる場合が多いがその程度だ。本記事は様々な事情により全貌を把握することの難しい「界隈」の入門、あるいは時代を振り返るものとして使えるものを目指している。
こんなくっそ長い記事を見たくない人は簡潔に記載されているこちらの記事を見てください。
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ということでまずは界隈の源流から追っていこう。となるとまず解説するべきは2号兄貴である。
2号兄貴
これは冒頭に示した.edleyという動画に書き込まれたコメントであるが非常に秀逸なのでまずはこの解説兄貴のコメントを軸に話を進めていく。
2号兄貴は2011年から2016年まで膳シリーズや淫夢・クッキー☆、そして私的オールスターMADを投稿していた例のアレ界隈で最も知名度の高い投稿者の一人である。Plasticookie☆Adventure.mp4はかつて最も再生数の多かったクッキー☆音madだった他、amber.zipは100万再生、「柴又」の再生数は現在85万(youtubeでは200万近い)と投稿者ごとの再生数では音mad界隈でも随一である。
楽曲に関してもその曲の二次創作が基本となる音madメインであるにも関わらず自作曲を数多く作り投稿作品に使用しているのが特徴的であり、特に「柴又」は2017年以降音madに使用される楽曲の中でも有数の知名度を誇る。セブンスコードを散りばめたおしゃれな楽曲たちに魅了された数々の投稿者達が2号兄貴のアレンジ楽曲を投稿しておりその動画数は現在500以上あると思われる。
代表的な楽曲は「柴又」「amber.zip」
注:2号関係の動画は特に拡張子がついた動画が多いがこれはほのぼの神社アレンジ界隈をはじめとして例のアレ界隈全体の文化である。
これは「尻穴.ptcop」「amber (simoyuki Remix)」と並んで代表的なアレンジ楽曲である「夏又」である。このアレンジを元にした音madが制作されるほどのカルト的人気を誇っているが、人気の理由は動画を見ればなんとなく理解していただけると思う。特徴的な警報機やドット絵、コード表記は2号兄貴リスペクト界隈純正ではなく「4号」界隈からの流入要素で映像の多くが構成されていることが理解をさらに難しくしている。
ではその「4号」とは何なのか?という話をしなければならない。しかしとある事情によって名前を出さずに語るという慣習が成立してしまっているため一見さんお断り状態になっている。
名前を言ってはいけないあの人
xxは音mad界隈で一時代を築いた「海鮮市場シリーズ」の作曲者である。しかしxxは海鮮市場シリーズの楽曲を、作者名を掲載せずに動画や音声を転載することを求めた(ちなみに他の楽曲は転載禁止としている。そのため見る機会は少ないだろう。なお探せばある模様)ため、おおっぴらに名前を言ってはいけないあの人と化してしまった。そのため恐らく事情が分かる人にはヴォルデモートとか言っても通じてしまうだろう。2016年夏頃に「イワシがつちからはえてくるんだ」、「ヤツメ穴」を中心に音mad界隈でブレイクすることで知名度が上昇した。
この4つは魚介類を主題にした楽曲であるため、彼のリスペクト作品は魚介類をの名を冠したものが数多く存在し、「ウミガメのなみだはしおらしい」「とべない深海魚」はその代表例である。
セブンスや下降コードといった要素を多く持ち込んだ独特のコード進行やUTAU達の動くドット絵、「イワシがつちからはえてくるんだ」の花鳥風月を冠したパートの歌詞が特徴的で界隈のリスペクト作品に使われることが多い。
ちなみに「クロマグロがとんでくる」の2番MVは二次創作であり本人によるものではないというややこしいトラップまで存在する。
注:2番の音源を本家が配布して有志が動画を投稿した。
こうして音madや楽曲のアレンジを中心に広まっていった2つの界隈は柴又穴.yatsumeといったマッシュアップなどで混ざり合っていくことになるのだがその間ある投稿者の登場で大騒動が巻き起こることになり現在も禍根を残している。
そう、
「全てあなたの所為です。」
の登場である。後になりすましによりメールが発信されることになる氏がどのような楽曲を作ったかは次次回の記事で紹介することになるだろう。
次回は2号界隈のアレンジャー、特にウボァー,VCLN,虹,NYについて取り上げる予定。
ということで次回は.edleyの解説からスタートする。
2023.1.11 一部を追記修正。
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