MBAデザイナーnakayanさんの考える「春日部駅付近連続立体交差事業代替案」
MBAデザイナーnakayanさんのアメブロ:2018年6月25日付
昨日、地元で開催された「駅付近連続立体交差事業及び関連する都市計画について」の住民説明会に参加してきました。事業説明を聞くことよりも、私も含めた現状における地域住民の人たちの考えや意見を聞くことができ、参加した甲斐がありました。 本日伺った事業説明に対して、きちんとしたファクトを確認した上で、本当に必要であれば賛成し、不要ならば反対したいと考えています。
今回説明会に参加されていた方たちの多くは、この事業が完成する頃には生きているかどうか分からない人たちばかりでした。もっと、20代や10代も含めた若い世代の人たちが、実際に「自分たちが生きる未来をどのような未来にしたいのか」ということを主張した方が良いです。未来は自分たちの力で作るんです!
photo source by ©2018 nakayan.
・事業概略
現時点における事業予算は650億円。これを国、県、市、東武鉄道がそれぞれ負担します。これから国に正式に申請を出し許可を得られたならば、そこから完成までにかかる期間が、地権者との交渉や用地買収、工期を含めて約12年と見積もられています。
駅付近の線路を高架にすれば、「何かと便利で良くなりそう^ ^」という単純な発想ではダメです!多くのお金をかけて工事をするという事は、それに見合った結果やそれ以上の結果に繋げなければいけません。もし同額のお金を別の事業に使った方が、未来がワクワクしたものになるならばそちらに使うべきなのです。
事業規模が大きく、スパンが長い事業なので、どこから考えるかという切り口が難しいかもしれません。経営のプロたちが使うテクニックの一つとして、少し難しくなりますがPEST分析というのがあります。PEST分析とは、マクロ環境分析とも言われ、外部の環境がその事業に与える影響を分析する方法です。
分析と聞くと何か難しそうなイメージがありますが、そこまで難しいものではなく、決められた項目に考えられる事を当てはめていき、それらを総合して俯瞰的に見れるようにする方法です。
PEST分析の
「P」は「Politics(政治面)からの考察」
「E」は「Economy(経済面)からの考察」
「S」は「Society(社会面)からの考察」
「T」は「Technology(技術面)からの考察」
となります。先ずこれらの各項目に沿って考えられることを、考えられるだけ挙げていきます。
このPEST分析を実際にどのように使うのかという応用になりますが、現時点(2018年時点)でのPEST分析と未来(約20年後時点)におけるPEST分析を比較しみるのも一つの方法です。或いは、PEST分析とSWOT分析をかけ合わせてマトリクスにしてみる方法もあります。考える方法は色々あります。どれが正しく正解というものはありません。状況に応じて使い分ける必要があります。考える起点が見つからない人は、先ずは、PEST分析から試してみてはどうでしょうか?これまで見えなかったものや、見落としていたものが、見えてくるはずです。
繰り返しますが、考えるための「技術」が重要ということではなく、実際に自分たちが生きる事になる未来を、自分たちでどのような未来にしたいのかという事を自分たちで考える事が大切だという事です。そして、未来は誰かに与えられるものではなく自分たちの力で作ることが重要です!
・以下は、nakayanさんが説明会にて実際にさせて頂いた質問です。
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スライドの7枚目、「春日部駅付近の現状④」について3つの質問があります。
こちらのスライドでの説明によると、春日部駅周辺には10箇所の踏切が集中しており、その内7つの踏切が通学路指定の踏切になっているとの説明でした。多くの交通事故が発生しているとの説明もありました。
"多くの"交通事故は、人の命(通学路を利用する子どもたちの命)に直結するためとても重要なことで改善しなくてはいけません。
先ず、1つ目の質問として、"多くの"交通事故と伺いましたが、具体的な数を教えて下さい。過去5年から10年において、年間に何件くらいの交通事故が発生しているのか?
2つの目の質問として、"多くの"交通事故が発生しているのであれば、高架の有無に関わらず、市として即座に対策をとるべき事項です。市としての、考えを教えて下さい。
3つ目の質問として、仮に市が適切な対策をとったならば、"多くの"交通事故の問題はなくなります。今回の事業の必要性の要因のひとつとして挙げるのは適切ではなくなるのではないでしょうか。お考えを教えて下さい。
以上です。
残念ながら、その場での適切な回答はありませんでした。
私の質問の目的としては、その場での適切な回答よりも、数値やファクトを明確にせずに曖昧な情報を、あたかも重要なインシデントが起きているかの表現をした上で事業の要因としていることを、皆さんに気づいて頂くことにありました。
仮に、"多くの"交通事故が実際に発生しているのであれば、今回の事業の要因としてのプライオリティは高まり、事業を進める上でとても重要な説得要因にもなり得ます。
<参考リンク>:埼玉県ホームページ
「春日部駅付近連続立体交差事業及び関連する都市計画に関する説明会」
https://www.pref.saitama.lg.jp/b1011/tetsudo/documents/toshikeikaku.html
・以下は、nakayanさんが考える事業の代替案です。
東武野田線(アーバンパークライン)は、以前より急行分の本数が多くなりましたが、実際に使用している市民の一人としては、野田線の踏み切りでは例え待たされてもさほど気になりません。野田線と伊勢崎線がミックスする事で通勤帰宅時の時間帯の踏み切りで開かずになります。仮に、野田線を既存のままの線路で走らせ、その野田線の上に高架を作り伊勢崎線(スカイツリーライン)にするならば、線路幅が短くなり線路を渡る際の時間が短縮されることで、踏み切りによる長時間の遮断が解消されるだけではなく、高架に必要となる工事用地の取得も楽になります。
つまりは、工事費、工事期間共に大幅に削減可能になります。削減した分の費用の一部で東西の人の流れをつくる新たな地下道などを建設することも出来ます。これは、高架化という結論有りきの計画ではなく、これからの未来を現状に鑑みた上での別のアプローチからのダメージコントロール戦略とも言えますが、現状ある問題を解決させることが可能と言えます。
春日部駅東西連絡道路の予定地には、野田線用の踏み切りを新設すれば、市の都市計画に大きな支障をきたすことはありません。袋陣屋線の変更は、不要になり都市計画費用が大幅に削減可能になります。
photo source by ©2018 nakayan.
基本的には野田線の高架区間約1.5km分の建設工事費用が不要になり、伊勢崎線の高架区間約1.4km分のみで済む事になります。予算650億円から350億円、期間12年から6年くらいに削減可能になるのではないでしょうか。
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中山兮智是(なかやま・ともゆき) / nakayanさん
JDMRI 日本経営デザイン研究所CEO兼MBAデザイナー
1978年東京都生まれ。建築設計事務所にてデザインの基礎を学んだ後、05年からフリーランスデザイナーとして活動。大学には行かず16年大学院にてMBA取得。これまでに100社以上での実務経験を持つ。
お問合せ先 : nakayama@jdmri.jp
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100の企業で働いた男のデザイン思考的ブログ by Ameba ・2005年8月から「木漏れ陽の中から」(当時)として公開を始めたnaka…
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