停電で光回線が使用できなくなった際の自分で出来る対処法
8日から9日にかけて関東地方を直撃した台風15号の何十年に一度とされる記録的暴風は多くの被害をもたらしました。中でも、千葉県君津市の東京電力の送電線の鉄塔が倒壊したほか各地の電柱や電線が損傷し、最大約93万4900軒で停電が発生したそうです。
そこで僭越ながら、『光回線のカスタマーサービス窓口の中の人』の経験を持つnakayanさんが、停電の後に光回線が繋がらなくなった人のために、ご自身で実践可能な対処方法を以下にて述べさせて頂きます。
1.ルーターの電源の入れ方だけで回復することがあります。
- Point -
NTTのルーターに電源のON・OFFボタンはありません。コードの抜き差しで電源を切るしかありません。私は電源の抜き差しで壊れたケースを聞いたことはありませんが、機器類に100%はなく何が起こるか分かりませんので、故障した際は自己責任でお願いいたします。
(原因と説明)
これは停電後にルーターのIPアドレスの自動振り分けが上手くいっていない時に起こる症状への対処方法です。
専門的にはDHCP機能といいますが、停電で電源が落ちた後、電気が復旧すると、NTTルーターも下部のバッファロールーターも同時に電源が入ってしまいます。すると、このDHCP機能がきちんと作動せずに、ローカルエリアのIPアドレスの振り分けがめちゃくちゃになってしまいます。
IPアドレスとは、簡単には自宅内ではこういう経路でインターネットに繋がりますよ、という順番設定みたいなものです。
2.ISPとの接続を再設定することで回復することがあります。
- Point -
ISPのIDとパスワードのミス入力を何度か連続して行うと、ISPのサーバーから一時的にブロックされてしまいます。その際は、ルーターの電源を約15分程度切り、しばらく経ってから再度設定をする必要があります。
ミス入力で多いケースは、
・「@」が半角ではなく全角である場合。
・ISPによってはIDに@以降のドメインを入力する必要がある場合もありますがきちんと入力していない。
・ISPから送られてきた紙書類に複数のIDとパスワードが記載されており別のIDとパスワードを入力している。
など。
(原因と説明)
更に停電でよくあるケースが、停電したことによりそれまで繋がっていたISPとのセッションが切れてしまうケースです。
ISPとは、インターネットサービスプロバイダーのことです。
セッションとは、簡単にはルーターとプロバイダーの設備をIDとパスワードで繋げている状態です。
インターネットを始めた時に、契約したプロバイダーから、IDとパスワードが紙書類などで送られてくると思います。必ず初期設定として、そのIDとパスワードでセッションを張る必要があります。このセッションが停電などによって、切れてしまった場合は、回線に問題がなくてもインターネットが繋がらなくなってしまいます。
そんな時は、再度プロバイダーから送られてきたIDとパスワードを使って、ルーターとプロバイダーの設備を繋いであげる必要があります。PC関係に詳しい人や一度ご自身で初期設定をしたことがある人ならば難しくはありません。
3.ONUの電源の入れ方だけで回復することがあります。
NTTの場合は、ルーターとは別にONUという機器をレンタルしていることもあります。ONUからは、直接プロバイダーの設備にセッションは張れません。その場合は、下部の接続機器でセッションを張ります。例えば、直接ご自身のPCから張ることも出来ますし、バッファローなどのルーターで張ることもあります。
ONUを利用している場合も同じで、
大抵は、川上から焦らずに順番に電源を入れていきます。決して、同時に電源を入れてはダメです。
最近は、NTTのルーターの下部に変わった機器をいっぱいつけている人も多いですが、一度電源を落とすか、電源を落とさないのであればLANケーブルを抜く必要があります。
光回線に問題がない大抵の場合、使用機器の電源の入れ方と、ISPの再設定でインターネットは繋がるようになります。少しIT関係に明るい人ならば、コールセンターに電話をして繋がらないことにイライラしながら待つよりも、上記の方法を試してみるのも一つの方法です。
コールセンターなどは、帰宅後のゴールデンタイムはとても混み合うので、必要な方は比較的空いている深夜の時間帯の方がオススメです。
補足として、NTTのルーターのレンタル方式は3パターンあって、
のいずれかだと思います。契約の方法や契約プロセスによって変わってくるもので後から本人の希望で変更することは出来ません。大抵は、NTTのロゴマークが入っているはずです。③の一体型は下の部分にONU、上にルーターが入っています。
マンションなどの集合住宅の場合は、ONUの部分がモデムのケースもあります。更には、マンション全体で共用する大型ONUや大型モデムのような設備から、各家庭にLAN配線やモジュラー配線を引き込んで利用しているケースもあります。
これらのNTTからのレンタル機器は、あくまでもNTTの所有物で利用者が壊すとお金を取られてしまいます。結構高額です。
見た目は、とても単細胞に見えますがNTT曰く、NTTの技術を集結して単細胞にしているらしいです。単細胞なので10年以上利用していても問題なく使用出来ます。
今はやっていないと思いますが、NTTのレンタル機器の下部に接続し利用するために、NTTから別途レンタルされていたNECのルーターやポケットWiFiもあります。NECの機器は壊してしまっても、さほど高くありませんし、ご自身で別メーカーのルーターに代替すれば問題ありません。
※こちらは2019年9月9日(月)~10日(火)のnakayanさんのtwitterでの連続ツイートを読みやすいように補足・修正を加え再編集したものです。
<MBAデザイナーnakayanさんによる「光回線」に関連するこれまでのブログ記事はこちら>
2018-04-30 MBAデザイナーのnakayanさんが教える光回線の不具合原因特定方法
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