5歳の娘がママにくれた結婚指輪
「ママにも結婚指輪あげるね!」
そういって5歳の娘が渡してくれたのは、
お菓子の袋を留める金色の針金を
円にして作った手づくりの指輪。
数日前にパパと会ってきた娘。
私と別れて間もなく
別の女性と再婚した彼が
薬指につけていた
存在感のあるリング。
女の子だから
そういうキラキラしたものが好きで、
気になったみたい。
「パパそれなぁに?」って
無邪気に聞いたらしい。
デリカシー皆無のXハズバンドは、
パパとママと3人で暮らせなくなって
寂しいのを我慢している娘に
なんと
新しくパパの奥さんになった人と
お揃いの結婚指輪だよ
というようなことを言ったらしい。
マジで死んでくれ
と思ってしまった。。
ヤツからは
のろけたような
そんな雰囲気が
押し殺しても微かに微かに漏れて
滲み出ていたのであろうと推察する。
信じ難い話だが。
パパと別れて帰宅後
部屋の片隅で
ソファに顔をうずめてた。
娘。
配慮なきアホの言葉が
まだまだ幼すぎる娘の心を傷つけ
彼女はちっちゃな肩を震わせ泣いた。
可哀想で辛くて申し訳なくて
私も
娘にバレないように
泣いた。
私は
ファッションは好きだけど
ジュエリーにはさほど興味がなくて
婚約指輪も買わなかったから、
娘は見たことがなかったんだよね。
結婚指輪とか。
そしたら
ママだけ無いのはかわいそう。
そう感じたみたい。
翌朝だったか、、
大きいのと小さいのと、
ペアで
金色の指輪を作って渡してくれた。
笑顔でね。いきなり。できあがったやつ。
驚いた。
それから
保育園に送り届けて
帰宅後。
わたし泣いちゃったよ。
泣いちゃうよねそりゃ。
小さな娘の胸の痛み。
幼くて言葉にもできない
認識もできないだろういろんな想い。
私にもグサッグサッて刺さって。
いつも明るく笑顔にしてる彼女に
そんな思いをさせてしまったこと。
呼吸が浅くなるくらい
辛かった。
そんな娘も
もう高校生。
生物学的な父親と認識しているパパが
独特な人だということを
彼女なりに感じ始めたらしく、
「まぁそういう人だからねー
しかたないねー」
と大人のコメントが出るようになった。
でもやっぱり
あれは。
あの指輪の一件は、
絶対に忘れられない出来事。
私には。
もう思い出
と
呼べるほどに
時は流れたけど
今でも泣けてくる。
なにごとであっても
あんなふうに
泣かせたくないから
娘の笑顔と幸せを守るために
これからも
できるだけ強く在りたいと願う。
そして、優しく素直に育ちつつある
娘を愛おしく思う気持ちが
今も日々どんどん溢れて増えていく。
子どもって
小さい時が一番かわいい
と言われがちだけれど、
私は毎日
いやほんとに可愛いなぁ
と言葉にするほど
娘が大好きで我ながら驚く。
それにしてもしかし、、この指輪の話。
改めて思い出すと
まだまだ泣いちゃうな。