
喜び全開で喋りたかった。けど話せなかった話。
人の話を聞く事ががスキ。昔から相談される事はそこそこ多い。
だから、傾聴を仕事としてこの先生きていきたい。と思った訳ではない。
なんでも話聞きます!!あなたの話したい事ある?特に,自慢話ほど身近な人に話せない事だったり、既に答えは自分の中にあってそれをただ聞いてほしい事ってないだろうか?
それ!!それーー!!。そんな感覚なのである。傾聴ってどっか堅苦しい感じだよな。なんかもっとふんわりと軽いネーミングないだろうか?
基本、どんなジャンルでも聴ける。と言うより・好奇心の器が人より大きい気もする。でも心の器が大きい訳でもない。お猪口の裏側程の小さな自分もいる。
そんな私の話したかったけど、なかなか話せなった話である。
今まで生きてきて嬉しかったエピソードは何?と聞かれたら迷わずこの話をするだろう。
私には娘が二人いて、とりわけ長女は私からみても中々面白い娘である
ええ。悪徳マルチに挑ませて貰った娘だ。
https://note.com/intent/post?url=https://note.com/happya2020/n/nfc2ac10ddf75
この娘。幼稚園児から一人で遊ぶ事が多かった。一人遊びも好きだけど、友達とも遊ぶんだけど、それは自分が興味ある時だけ。本当にマイペース
私はどこか羨ましかった。一人でも楽しめてる娘が
しかし、小学校に入学するとそのマイペースぶりは学校生活に支障をきたすらしく、担任の先生から幾度となく、個別支援のクラスで授業を受けて貰えないか?と打診されて来た。
ええ。お勉強の成果も絶望的でして,連絡帳にはいつも、ご家庭での指導をお願いします。の記載が日常的にあった。
ある時、役員事で学校に出向き娘のクラスを通った時である。
いきなり廊下に上履き袋が教室から放り出された瞬間を見た。娘のだった。あなたはなんで?そんなに動作が鈍いんだ?と教室から声が聞こえる
このまま教室に乗り込もうか?それとも、学校から帰ってきた娘に事情を聴いてから対処するか?迷いながらも他の役員の手前、人の目が気になり
後者を選択。
娘の話によると、皆よりも行動が遅いことをいつも言われているので自分でも気を付けてるけど遅くなっちゃう。でも先生は悪くない。先生の話はいつも面白くって大好きな先生だ。と言う。
ママはちょっと許せない。て思ったんだけど?平気なの?
全然、平気。と言うではないか。確かに学校に行きたくない。と一度も言ったことがない。私は一部分だけで判断しているのだろうか?
もし、嫌だな。と思ったら直ぐに言うのだよ。と話した。
同じクラスの子からは三バカトリオって先生から言われてるんだよー。と耳に入る。いざとなったら学校に乗り込む思いで過ごしていたあの頃。
そんな時。。学校の内科検診で要検査の通知が我が家にやって来た。
その時の私は、またまたぁー。なんかの間違いでしょ?マイペースぶりが半端ないって事で、心臓に毛は生えてるかもだけど、病気なんて事はありえないわー。と楽観的に捉えておりました。
学校に提出しなきゃならないので、指定された病院で検査を受けた。
心房中隔欠損症と診断され、手術を要する。手術するなら10歳までと言われた。
手術しないとどーなるのか?
今すぐ、どーにかなると言う訳では無いけども、このまま行けば心不全で突然亡くなる事や、出産を諦めなきゃならないと思います。と言われた時の衝撃。
母親あるある。なのかもしれないが
丈夫に生んであげられなかった。厳しく接した事も多々あった。だからこんな事になったのでは?と自分を責め始めた。
しかし、そんな時、私の母親の存在が私を前向きにさせてくれた
母親は30歳の時に、関節リウマチになり、10年後には障害者認定され、車椅子の生活になった。私が18歳の頃だ。
落ち込んでる暇はないよ!その病気を知る事から始めなさい。母親は私に言い放った。
メソメソ泣いてる暇もなく、検査と検査入院。そして、その病気の知識を得るために調べまくった。
そして、娘に手術をしなきゃいけない。の話をする。絶対ヤダ!!ヤダ!!ヤダ!!と拒否。
その当時、白い巨塔がTVで放映していて娘と一緒に見ていたので、娘にとってはなんとなく怖い。痛い。のイメージだったと思う。
あの頃、私、失敗しないので!!の女医のドラマだったらもっとスムーズだっただろうか?
娘の初恋もちょうど同時期。手術しないと赤ちゃん産めないんだって。好きな男の子の赤ちゃん産んでみたいよね?と聞いてみたところ
なら手術する!と、あっさり受け入れた娘。好きな男の子供が産みたい。は8歳の女子でも普通に湧き上がる心情なんだな。あの時思った。
手術を受ける前日になり、やっぱり受けたくない。と泣きながら私に抱き着いてきて、うんうん。と一緒に泣きながら抱きしめて寝たっけな。
ICUに一週間。面会時間は一時間だったと記憶する
面会に行くたびに、ママ、来てくれてありがとうと言う娘。しかし、私が帰った後は決まって泣いていた様子。怖い。怖い。と泣くので看護師が何が怖いの?と聞くも言わなかったらしい。
自分の周りには機械に繋がれ、機械音が響いていて、今まで出会った事がない障害を持ったお子さん達にもしかしたら、子供ながらにそれを怖いと言うのはイケない事だと感じたのかもしれない。
そんな娘が愛おしいと思った。優しい子だな。と思った。
それから学校の先生にあれこれ言われても,うちの娘の良さがわかってないようね?見抜けないなんて節穴かっ!と心の中でいつも思っていた。
月日が経ち。
そんな娘の高校受験。勉強はあいも変わらず絶望的だったので、選択肢はない。公立ならば、ここ以外ありません。と断言されていた。けど、娘はそこには行きたくない。と。志望校はその時の娘の取れていた点数より150点以上も取らなければとても入らない高校。担任は99%の確率で無理だとはっきり言った。
残りの1%ありますよね?
確かに、絶対とは言えないですけど奇跡のようなことが起きない限り合格はあり得ないので、どうか娘さんを説得してください。。
そこで、親子揃って、1%にかけます。奇跡が起きるかもしれないですよね?
と、啖呵を切った三者面談。
入試まで二か月もないのに150点を上乗せ出来るもんなのか?と思ったのも正直あったけど、この娘なら奇跡起こすんじゃね?とも思ったりしていた
と言う事で、奇跡が起きたわけです。←あっさり笑笑
入学したのは良いけれど、元々ハードル高かった訳で、付いていけるのか?との一抹の不安がなかった訳じゃない。
まぁ、まぁ。下から5本の指にいつも食い込んでいて、進級も出来た2年の夏休み。
全国公立高校のクラブ活動のシンポジウム的なものが夏休みにある様でして、その県代表に娘が選ばれた。
部活動は一切してないよね??そのクラブ活動ってなんなのかしら?
あれこれ説明されたけど、よくわからず,兎にも角にも、県代表で四国に行く。事は理解できた。
へー。何を基準で選ばれたのか?娘も分からないらしい。
私は、なんかわからないけど、選ばれるって嬉しい事よね。その選んでくれた先生に理由聞いてみたいもんだわ。
はははは。と高笑いした。
その数日後、○○高校の○○です。と娘の通っている高校から電話が来た。
ほら、来たよ。また何か?指導やら何かに違いない。と覚悟を決めた
娘さんから県代表の話があったかと思うのですが、その時お母さまが何で選ばれたのか?て聞いてみたいとおしゃったそうですが?
はいはい。言いました。成績が良いわけでも、積極的な所もない娘なもんで
娘さんは、生徒会役員とか部活では部長とかやって来られました?
質問の意図が読めないのだが。
えっと、一番縁のない話で、、逆に今までの学校生活では、あれこれ指導されてきた側です。これがダメ、あれがダメ。って
まさか!今まで関わってきた先生方は一体娘さんの何を見てきたんでしょうか?
はぁ。?
娘さんよりも成績が上の子は確かに沢山います。しかし、人間性のところでは娘さん以上の生徒はいません。
課題が終わってないクラスの子を手伝い、こちら側が手伝ってほしい事を何時も率先してやってくれるんです。それが、いかにも手伝ってます。やってます、ではなく、さりげなく、自然に。押しつけがましくなく。
本当に有難い上にクラスの子たちにもそのやさしさが伝わってます。この子はきっと今まで人の支えになるような事をして来たのだろうと思ってました。
はぁ。。。狐につままれた感じとはこのことだろうな。
長い、教師生活ですが、娘さんの様な生徒に会ったのは初めてです。なのでこの気持ちをお母さんに伝えたいと思ってたんですよ。
ほぉ。
なんか実感がない。
お母さんが思うよりもずっと素敵な娘さんなんですよ。なので今回、県代表で行って貰うことにしたんです。もちろん旅費は出ます。
先生から褒めて貰うことは今までなかったので、どんな対応をしたらいいのか戸惑いますが、娘の良さを分かって貰えたことがとっても嬉しいです。しかも、わざわざこうやって伝えてくださったこと感謝します。
今まで関わってきた教師はこの話を聞いたら、どんな気持ちになるでしょうか。できることなら話して回りたいくらいです。
そうですね。(笑)
この高校だって絶望的ですから諦めて、と言われてたんですけど本人が如何してもこの高校に行きたいというもんで本人頑張って入学したんですよ
よかった。娘さんに出会わせてくれてありがとうございます。
何?天の声?
電話をきってからさらにじんわり、じんわりと嬉しさがこみ上げてくる。
ここまでの経緯を思い出して、喜びを噛みしめていた。
あぁー。この嬉しい思いを聞いてもらいたい。話したい!で誰に?
その時母親は他界していて、この喜び全開の嬉しさの圧を押し付けながら話を聞いてくれる人って誰だろう。
きっと友達だって喜んで聞いてくれると思うのだけど、躊躇った
このテンションで話すには気が引ける、自慢の話だしな、遠慮もせずに、暑苦しいくらいにこの自慢したい思いを話したいっ!
あぁ。つらい悩みやネガティブの話って案外話せるのに、このスーパーポジティブで自慢を上乗せする話って人って躊躇うんだな。と思った。
それからその圧と熱を冷ましてから、友達に聞いてほしいのよ。自慢な話なんだけどさ。まぁー黙って聞いてて。て(笑)
ほんとはミュージカルの役者のごとく歌って踊るくらいな勢いだったんだけども。笑笑
そんな体験から、傾聴、人の話を聞く仕事をやっていきたいと思わせた一つのとっても大きな出来事なのである。
#エッセイ #傾聴#嬉しかったこと#悩み#仕事