【アニメ映画】「犬王」感想 能楽師はロックスターのように歌い踊る
何の予備知識も無く、平家物語や琵琶法師などのような歴史物なのかと見ていました。
すると琵琶を演奏する琵琶法師のシーンなのにギターの音が聞こえて、そこから全くの異世界になりました。
バンド編成でグラムロックのように化粧をし、琵琶ソロ(琵琶ソロとは?)ではジミヘンのように背面引きで速弾きをする琵琶法師。
マイケルジャクソンのように踊り、観客とコール&レスポンスをする能楽師。
ブレイクダンスを踊り、フェスのように熱狂する村人。
"この物語は歴史物なのか良くわからないけど凄かった、、、"と何が起こったのか頭を整理できないままに良い話のように終わってしまいました。噂のように歴史に現れた傍流の事実?を、バンドの伝記映画風にした怪作に思います。湯浅監督の表現力?想像力?は常人の理解を超えました。
犬王(いぬおう)は実在の能楽師である
犬王は新しい表現を模索した人である
犬王は友魚(ともな)というかけがえの無い友達がいる
この映画は友魚との友人関係に尽きます。
理解し合える友人がいるのは素晴らしい。能楽(?)のライブ演出が凄いのはもちろんでしたが、この2人のキャラクターと関係性がとても良かったです。
パンフレットや湯浅監督のTwitterを読んで、犬王の史実について知りました。
犬王は詳しい記録は残っていないので良くわからなく、大衆の人気を得たという事実だけが記録に残っているらしいのです。
この映画で当時をリアルに再現したということは流石にないとしても、"もしかしたら?"という迫力や可能性を感じるものでした。
能楽という教養番組でしか見ることのできない伝統文化となった過去の作品が、これだけのエンターテイメントになることは素直に凄いと思いました。
湯浅監督のアニメは「映像研には手を出すな」しか見たことがありませんでしたが、興味が湧きました。
#アニメ #映画 #犬王 #湯浅政明