【小説】転生したら、好かれるモブになりました。〈1話〉
底辺な子ども時代
私の名前は森下 光。あだ名は、幽霊。同級生にからよくかわれていた。
私は、自分のことを大人しい猫派だと思う。騒がしいのは好きではない。なので、自然と1人で行動するようになった。1人ブランコ、1人ジャングルジム、1人シーソー、1人かくれんぼ、1人木登りなど。殆どのことを1人でやってきた。
しかし、本当の事を言うと、誰1人私に話しかけてくれなかった。当然その事実を私は無視していた。
実を言うと私はあまり表情の起伏がない。表情が乏しいので、愛想笑いすらできない。おかしくもないのに笑えない。能面みたいだ。大人からしたら、
可愛くない子どもだと思う。
なので何考えてのか分からないと、周りから気持ち悪がられていた。これがまだ、美少女だったら許せるが…申し訳ない、モブ顔だ。
目が小さく、光のない一重。鼻も口も小さい。髪はおかっぱ頭で痩せている。私は鏡を見るたび、二重にならないかと、目を擦っていた。
小学校高学年ともなると、リーダータイプの子たちから、影の薄い幽霊扱いされ、格好のいじめの対象になった。「えっ?お前、いたの?」がもはや挨拶になっている。
給食にチョークの粉や、砂を入れたり、靴を隠したり、トイレに入ると上から水をかけられたり。優越者達は、笑いながらこちらを見てる。
私は一体これのどこが可笑しいのかさっぱり分からない。ただ自分達との雲泥の差を見せつけては、自分の足場でも確認してるのだろうか?
(底辺の私がいるから、お前らがそこに存在できるんだぞ!ありがたく思え)と内心思った。
行きたくないけど、学校は通い続けた。だって、私本当に全く悪いことしてないし。お天道様の下を堂々と歩けるはずなのである。行かない理由などない。心にそう唱えながら、つらい目に遭っても学校はちゃんと行った。
1番困ったのが、好きな者同士とグループを作るときだ。どうしたってあぶれる。 先生も酷な提案をするものだ。こちらのことは何も気にしてない様に振る舞っていた。勇気を振り絞って私から、女の子に声を掛けると「チッ」舌打ちをして無視された。仕方なく、ロッカーの隅に立っていると、他にいじめられてる男の子が、反対側にぽつんと1人で立っていた。そして彼は、私を見てこういう言うのだ。
「幽霊なんかと一緒なんて!!うっうっ……」
あっ。さっそく底辺扱いですな。はいはい、相当悔しいんだね。私はため息をつく。本当に子ども社会とは厳しいものだ。きっと大人になっても変わらないだろう。どうせ人は変わらない。永久に・・私は底辺のまま大人になっていくんだろう……。
ランドセル背負いながらも私は人生を達観した気持ちになっていた。