あれから10年も (エッセイ)
#青ブラ文学部 Iお題 Iあれから10年も
山根あきらさんの企画に参加させて頂きます。
宜しくお願い致します。
(本文約770字)
Hevenly days
あれから10年も
「あれ」って何だったのだろう。
たくさんありすぎて思いだせない。
とても大変な事は、山の様にあった。
時がすぎると順位はつけられなくて。
大変だった「あれ」達は平等になっていく。
確かな事は、あれから10年もたった。
今、この時から10年が始まるのと同じように
時が過ぎただけ。
成長はしていない。私は変わってない。
ひとりで生きてる訳じゃない。
周りの大切な人の変化を受け止めながら、日常を送っていく。それが育むと言うことだろう。
「そんなのおもしろくないんじゃ」
その日、1日ちゃんと生き抜けたら良いと思う日々だった。
「神様、あともう少しだけこちらで。私を連れていかないで」と願う日々もあった。
10年近く前、悲しい出来事があった。
小さな頃から私が泣いてはいけないと思ってた。
しっかりしてる、言い方変えれば可愛気がない子供だ。
車の中でしか泣ける場所はなかった。
帰ったら普通にしなきゃ。
運転しながら、流れる涙に前が見えない。
途中でコンビニの駐車場に止まりながら、また走らせる。
上着の胸元が濡れている。
水か涙かわからない。
運転しながら飲むのだから当たり前だ。
ペットボトルにストローを刺して飲んだ。
数年間続いた…
あれから10年もペットボトルに口をつけて飲まない。ストロー刺しだ。
小さな幸せで十分。
泣かずにストローで水を飲めるだけで十分。
自分を慈しめれば、それだけで十分。
これから以降の10年も
最後に幸せだったと、ささやかに思いながら
Hevenly Daysに行きたい。
FIN
山根あきらさんの公募です
サブリナ