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謦咳に接した記憶


#青ブラ文学部Iお題I謦咳に接した記憶
「けいがいに接した記憶」
山根あきらさんの企画に参加させてさせていただきます。よろしくお願い致します。




            (本文約1500字)



▼目次
1.序章
2.人物紹介
3.謦咳に接する人物と思った経緯
4.実際にお会いして
5.学んだこと
6.結び





1.序章

お題の要点「謦咳に接する」
山根あきらさんの記事内に説明文記載あり。

✴︎尊敬する人に会って直接話しを聞くだけでなく、その人の考え方や行動を間近で見て、自分の成長に繋げようとする姿勢。

✴︎「謦咳」は咳払いをする音。昔は尊敬する人の咳払いを聞く事自体が貴重な経験であり、そこから何かを学ぼうとする姿勢。
などその他にも説明文あり。


今回是非とも話しを聞きに行きたい尊敬すべき人物と解釈して話しを展開させた。





2.人物紹介

私の謦咳に接する人物は美輪明宏さん。
もともと数冊本を購入していた。

🔖1935年生まれ・シャンソン歌手・俳優
   演出家・タレント・コメンテーター
   著者: 「正負の法則「天性美語」など




3.謦咳に接する人物と思った経緯

仕事(自分の中で能力不足キャパ以上の仕事だったが達成感は得ていた)と子育てとは均衡はとれていた。
が、10年以上続く在宅の介護が始まった。均衡が崩れ始め疲れ果てていった。


ポジション異動で次から次へと資格を求められる。私が読む書物はその専門書ばかりだ。
また余裕をもって読んでいない。
生活と仕事の為に読んでいた。



できるだけ簡潔にメッセージ性の高い書物を求めていた。
美輪明宏さんの本を手にした。
開いたページが『せめて自分ぐらい自分を認めて褒めてあげないと救われない。自分の味方になれるのは自分だけ』と書いてあった。
心に染み入った。


著書はスピリチュアルな内容が多いが介護で陥る負のスパイラルを緩和したかったのだと思う。





4.実際にお会いして

2回講演会に行かせて頂いた。
十数年前こちらの地方に来られるということでチケットを手に入れた。
そんなに大きくない市民ホールだ。
前から2列目の席。
美輪明宏さんの顔、立ち姿がはっきり見える。


美輪さんはあまり身長が高くないのに
とても大きく見えた。
2列目なのに何だか香ばしい香りまでしてくる。メイクとイエローヘアーだものね。
光輝いて見えて神々しかった。


身振り手振りを加え微笑みながら流暢に語る。戦時中の理不尽な出来事に関しては急に険しい表情となり。一文字に前を見据える
その時の理不尽な行いをした者を斬りつけるような鋭い目つきになる。




5.学んだこと

言葉の醸し出す美しさは時間が経つ事を忘れさせてくれた。
名句だが「わたしではなくわたくしで会話を始めれば続く言葉は自然と丁寧な言葉遣いとなる」と話された。


最初から最後まで美しい緩やかな河の流れの様な日本語を聞き。
文字より言葉(会話)の方が上回るべきだとその時思った。
言霊は、たくさんの人に遠くまで届く。




文字にも魂は宿るが遠くには届いても、一定の時間内にこれほどたくさんの人には届くだろうか。
今のようなパソコン入力の文字に魂は宿らせる事は難しいだろう。
だから気持ちと表現力が大切になるのだと思った。



たまに美輪さんと目が合った気分になったが
そうだったら嬉しい。




ホールのエントランスで本が売られていて美輪さんが出て来ないかと思ってしばらく待った。
2列目だった席に座れただけでも尊いことだ。
美輪さんの話しは「今ある状況を幸せと思ったらそれ以上何を望むのでしょうか」だった。
その言葉が頭によぎり静かにそのホールを後にした。
駐車場も不思議と混雑することなく皆が退出していくように思えた。


その後美輪明宏さんがこちらに講演に来られる事は無かった。




6.結び

安心感を与える微笑み。
内容によっては凛とした表情。
芳しい香りのイメージ。
イエローヘアー。
はっきり記憶に残る。



謦咳に接した記憶で今私はnoteに記事を書き朗読しているのかも知れない。
言霊を感じたそんな公演だった。
私は語彙力不足で表現力に乏しい。今小説から学びたい事を再構築している感じだ。


そして…


文章にも気持ちだけは込めて綴っていきたい。


中原淳一さんの絵も好きなので
挿し絵の本を選んでみました。


最後迄お読みいただきありがとうございました。


         (完)





               サブリナ