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星は知らないふり 3ー2



片方だけの手袋(ショート)  
(942文字)


アンリは20歳。女子大生。
親と同居、かなり厳格な家庭。
「わたしだって、遊びたいの」
「自由にやりたいの」なんて言えないけどね。

彼が車で迎えにくるのも、自宅から少し離れた公園の小さな駐車場。(親や近所の人に見られない様に)


「遅いなあ〜」滅多に遅れたりはしない彼だけど、30分過ぎてる。

公園のベンチに座って、スマホを眺める。

「あーあ、早く来ないかな。」


LINEしてみた。
既読にもならない。
仕事休みのはずなのに…
電話は悪いよね。


こんな事なら、街で待ち合わせの方が良かったのに…。




ふと、横を見ると、片方だけの手袋。
忘れ物?


片方だけの手袋。
この人も、誰か待ってたのかな…?

手袋に話しかけた「あなたは会えたの?」




車が止まる音がした。

「遅くなってごめん。」

「運転中でスマホ見れずにごめん、ごめん」

「今日すげー寒くなりそうだから、はいプレゼント」
可愛いい紙袋開けたら、手袋!

淡いグレーで指のところがターコイズブルーで可愛いい。

「ありがとう」思いっきり笑顔に…。

手袋をすぐにはめた。




アンリは、ふとベンチに置いてあった片方の手袋に心の中で聞いてみた。
「公園で会えること信じて置いたの?それとも待ってたよの証?」

彼から呼ばれて、車に乗った。


「何だろう」いつもと違うほのかな香水の香り
前にも2、3回こんな事があった。


星は、また煌めいた。




アンリは思った。

手袋両方置いたら、もう終わりなんだな、きっと。そんな気がする…

星は、雲に覆われてきた。

車中から、置かれた手袋を見た。
公園から立ち去るのが名残惜しい気がしてきた。



レストランに着いたアンリは、シャンデリアの
光が公園の星空に見えて仕方ない。


今日は、体調が悪いからと、早めにさっきの近くの公園の駐車場に送ってもらった。




ベンチに手袋があった。
横に自分の片方の手袋置いた。
色違い。この主の手袋と気持ちは、一緒だね
踏ん切りをつけるために置いて行ったんだ。
星は見えない。


違う、星はみないフリしてくれてる。
自分で決めろ…だよね。
でも、今夜は片方だけ置いていくね。



          FIN

           ※フィクションです



 星は知っているから3部作になります
 こちらもどうぞ宜しくお願いします。


                 サブリナ