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#青ブラ文学部  恋愛ワクチン  (エッセイ)


山根あきらさんの企画に参加させて頂きます。
11/17まで。800以上の読み切り短編小説かエッセイ。#青ブラ文学部 お題 【軋む恋】


お題 【軋む恋】      (本文808字)



恋愛ワクチン

恋愛ワクチンなんて
存在したら大変!
無反応?
盛り上がらない?
ときめかない?
忘れられない後遺症が延々と。




ほんの少しの媚薬で十分。
体内に残さない。
綺麗に流れさる。
ジャスミンティーを飲みながら思考がまどろんでゆく。


媚薬の媚は「媚びる」よね。
ノンノン

「媚びる」はへつらう。
へつらい続けると、いずれ軋んでゆく。
軋む、長い期間抑圧されると
みしみしと音を立てて心は壊れていく。
壊れた心を取り戻すには、軋んだ年数がかかるものだが、違う男に刹那的に走るのも手段。
また、違う軋みをもらうかもしれないが
「こんなもんだ」の開き直りは早い。

じゃあ自然に恋に「落ちる?」


でも

「落ちた」あとの後遺症は、また大変。 
抜け出せなくなっちゃう。
落ちたら、見境がつかなくなる。

最善策は自己免疫能力高める事だ。
何回でも恋愛して、失恋して。
免疫力をつける。
最初から自分を素直に出せる方とお付き合いしましょう。
そんなマニュアル馬鹿げてる。

経験しないとわかりっこない。

自分を解放できる人と、好きになる人は違うのだから。
自己免疫能力高める事がおっくうなら…



ジャスミンティーをもう一度手に取る 
「いけない」
「ジャスミンティーは、眠り誘う薬」だっ
た。

オリビアを聞きながら
「幻を愛するぐらいでちょうどいい」

だれも自分も傷つけない、移さない。  
幻なら「落ちても」後遺症はないだろう。

優しい余韻だけ残して
ゆっくり眠りに落ちていく。

カトレア

「誕生日にはカトレアを忘れない優しい人だったみたい」幻?

     from「オリビアを聴きながら」





この世での出来事は、幻想をパラノマで
見せてくれてるだけなのだから。
現実で起こっている事でも夢でも実体はなく
儚いだけ。
だったら、幻想を選びに行った方が良い。
軋む恋が心地よい幻想ならどうぞ。
刹那的な恋の幻想がお好みならどうぞ。
恋愛でなくてもどうぞ。




「あなた、私の幻を愛したの」
       from「オリビアを聴きながら」

続きは、多分あなたの幻には付き合えないのよ




幻想だから、他人にはわからない
自分にとって心地良い幻想を


          FIN



    山根あきらさんの公募です


                サブリナ