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一番乗りの天女 # 百人百色



#三羽鳥さんの企画です
百人一首、選んだ一首に対して想像した物語か絵制作でしたので、絵の心得はなく不作でありますが物語と久しぶりに絵を両方描いてみました。楽しかったです。宜しくお願い致します。🙏
百人一首に対して予約制ですので、三羽鳥さんの公募記事をよくお読みください。

12.あまつ風雲のかよひ路吹きとぢよ
     をとめの姿しばしとどめむ

古今和歌集 増成編昭


《現代語訳》
✴︎空吹く風よ、雲の中にいるという天通じるみちを閉じてくれないか。(天に帰っていく)乙女達の姿を、しばらくここに引き止めておきたいものだから。

✴︎宮中行事の五節の選ばれた美しい舞姫五人を天女に見立てもう少し眺めていたい。
見立ての技法と天上界が重なりこの世の物とは思えない華麗な世界がひろがり、それを少しでも長く見ていたいという一首である


踏まえまして物語を展開してみました。


             (本文約600字)




一番乗りの天女


レイは最近心落ち着かずだ。
少し公園を散歩して周りの花々を観る
大分風が強くなってきた。
まだまだ寒暖差激しく、急に冷たい風が吹く


白日の美しい白い花を見上げ
星の様だと思う。花は風に乗って舞う。





夜空に煌めく星
青空に煌めく星
どちらも空に同化してる。


レイは天女のように美しい。
美しい黒髪と富士額。
手足が長く濡れたようなまつ毛、下まつ毛が
長くて、目元に程よい翳りができる。
口角がキュッとあがり、話すと白い美しい歯並びに目がいく。

今は大学時代の教授と恋愛中だ。
束縛が強くて最初好きだと思っていたのに
今は心が塞がれたような状況が続いている。
別れを切り出すと優しくなり、ひきとめられるの繰り返し。正直辟易してる。
それに私は彼が思ってるような女性ではない。


教授は自分の魅力的な目や唇
カラスの濡れた羽のような黒髪に
心を奪われているのだろう。
それだけで手元においておきたいのだろうと
レイは感じている。




夜空に輝く星
青空に輝く星


夜空の星は、瞬きも忘れじっと見つめる。
青空の星は、眩しすぎて目を細めてしまう


心は夜空なのに
外見は白日の星のレイだ。


黄昏の星になりたい。
夕焼けが名残る時間。西の方角。
宵の明星金星。一番星。
一番に光り夜に繋いでいく。


天女のつもりです 懸命さが表現できずでした



一番星。
たった一人で最初にあがる天女
天通じる道をこじ開けた一番星
別れて閉ざされた道を開かなきゃ。




とにかく別れよう。
夜空に変わる僅かな時間にたったひとりで
あがる一番星になりたい。
こじ開けてあがってきた一番乗りの天女のように。


閉ざされた偽りの恋愛を脱ぎ捨てて。
あの人の飾り星じゃない。


私はたったひとりで最初にあがる一番星の
天女になる。


          完




    三羽鳥さんの公募記事です。

    よろしくお願い致します。


最後までお読みくださりありがとうございます。
皆さまそれぞれの、連休をお過ごしください。


               サブリナ