あい・らぶ・ゆー
#恋文求ム
三羽鳥さまの企画に参加させて頂きたく存じます。三羽鳥さまの企画は初めてです。
宜しくお願い申し上げます。
娘宛の恋文、名前は仮名です(本文約600字)
あい・らぶ・ゆー
娘、加恋が小学1年生の頃だった。
学校から帰ってきて、宿題は素早く済ませて
近所のこども達と遊んで。
我が娘ながら手がかからない。
夕方から始まる子ども向けのアメリカドラマを見るのが楽しみ。
その後男女のお人形さんでマネごっこしてる。
「ねーわたしまだなんにも食べてないの」
肩すくめてる。
「ありえないよミルクでものんではやくきがえて。パーティにまにあわないよ」
女の子のお人形の顔に向かって真剣に言い聞かせてる。
ブツブツブツ…
他の家族が帰宅するまで、空想の世界。
お人形さんの髪をドライヤーに当てると、髪の毛の色が熱で変化する人形だった。
「いそぐわね」と加恋は、小さな電気ストーブにお人形の髪を近づけた。
髪は無惨に半分焼け、チリヂリになった。
焦げた匂い。
加恋は黙りこくっていた。
見てる私もオタオタする。
加恋は急にテンションが上がった。
男の子の人形に向かって、強い口調で
「これでも、わたしをあいしてるの?」
男の子の人形は…
「あい・らぶ・ゆーだよ」
ホッとした。
無惨な髪の毛のお人形に「あい・らぶ・ゆー」
加恋は男の子と女の子のお人形の顔を合わせた
「チュッ」
なんだろうね。多分…
パパが帰ってきた。
慌ててお人形を片付けた。
加恋は何事も無かったかのように「おかえりなさい」と。
もうパパ大好きは言ってくれないみたい。
「あい・らぶ・ゆー」はいつか誰かの為にだね
きっと強い男の子じゃないと無理だよ。
焼けこげた髪で「わたしをあいしてるの?」
なんて言えないよね?
でもね…
私はそんな加恋に「あい・らぶ・ゆー」だよ。
加恋、あなたは「 I ・am・Free 」でね。
意味調べてよ!自分でね。
FIN
娘が小学生の頃、子供向けアメリカドラマが好きだったエピソードエッセイからの恋文です。
三羽 鳥さまの公募です。
サブリナ