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闇バイトによる強盗等事件対策

元警察官で、数回の転職を得て、現在は鉄道会社に勤務している傍ら、講演講師として活動をしている者が、思ったことを書くつぶやきです。
私個人の見解であることをご理解の上、読んでいただけると幸いです。

東京都や埼玉県を中心に「闇バイト」による、一軒家の強盗事件が発生し、ニュース等で話題になっています。
前回(2024年10月6日)のnoteへの投稿の後、被疑者も逮捕されていますが、まだ発生もしている状況です。

一連の事件においては、発生の前に前兆事案が起きています。
主に起きているのが、アポ電(アポイント電話)や訪問勧誘等ですが、最近では、いきなり訪問をして「トイレを貸してくれ」と言って、強引に住居に入り込んで、情報等を把握しようとしている事案もあるみたいです。
そこで今回は、アポ電や訪問勧誘等の注意点について取り上げていきます。

アポイント電話(アポ電)

「アポ電」とは、犯罪者が事前に電話でアポ(アポイントメント)を取ることで、被害者の家に押し入る手口を指します。通常、詐欺師が高齢者などをターゲットにして、何らかの理由で家に電話をかけ、家の内部状況や資産状況を把握しようとします。以下は「アポ電」の具体的な手口とその対策です。

アポ電の手口

1 電話でのアポ取り: 犯罪者が被害者に電話をかけ、何らかの理由をつけて訪問の約束を取りつけます。たとえば、金融機関の職員や自治体の職員を装うことがあります。
2 個人情報の取得: 電話で家族構成や生活パターン、金銭状況などの情報を巧妙に聞き出します。
3 計画的な侵入: 事前に得た情報を元に、被害者が不在の時間帯や警戒が緩んでいるタイミングを狙って侵入します。

アポ電からの対策

1 電話対応の注意:知らない番号からの電話には慎重に対応し、個人情報や家族構成、資産状況などを絶対に話さないようにしましょう。
2 本人確認の徹底:電話で名乗られた機関や会社に対して、直接その機関に電話をかけて、相手が本当にその職員であるかを確認することが重要です。
3 家のセキュリティ強化:防犯カメラやアラームを設置し、不在時でも監視できる体制を整えましょう。
4 家族や近隣との連携:高齢の家族や一人暮らしの家族がいる場合は、事前にアポ電の手口について情報共有し、警戒心を持つよう指導しましょう。
5 地域での防犯活動:地域コミュニティで防犯パトロールや情報交換を行い、お互いに助け合う体制を築くことが有効です。

訪問勧誘等を装った下見

闇バイトによる強盗犯が下見を行う際には、いくつかの特徴的な行動が見られます。以下はその一部ですが、これらは特殊詐欺や空き巣等にも言えることです。
1 周囲の観察:犯罪者はターゲットとなる家や地域をじっくり観察し、住人の出入りや防犯対策の有無を確認します。
2 偽装した行動:犯罪者は作業着やスーツを着て、業者や営業マンを装って下見を行うことがあります。
3 インターネットの利用:最近では、インターネットを利用して地図や衛星写真を見ながら下見を行うこともあります。

最近では…

いきなり訪問して、「トイレを貸してほしい」と言って強引に家の中に入り込み、そのすきに家の間取りや侵入個所、お金の有無等を調べて行く者もいるみたいです。

防止策

防犯カメラの設置: 自宅周辺に防犯カメラを設置し、犯罪者の動きを記録します。
近隣との連携: 近隣住民と情報を共有し、不審な動きがあればすぐに報告し合う体制を整えましょう。
警戒心を持つ: 知らない人からの電話や訪問には警戒し、個人情報を漏らさないようにしましょう。
防犯意識の向上: 家族や地域住民との間で防犯意識を高め、情報共有を積極的に行いましょう。
警察への通報:不審者の訪問やアポ電があった時は、躊躇なく警察へ通報をし、パトロールの強化を依頼しましょう。また自治体の防犯メール等へも連絡し、地域全体で警戒を強化するようにしていきましょう。

闇バイトによる強盗はなくならないのか!?

昨年のルフィ強盗事件で逮捕された指示役のうちの1人(公判中)が、報道機関の記者との接見の際、闇バイトによる強盗事件はなるなることはないだろうと、と言ってました。
なぜなくならないのかと言うと、特殊詐欺への対策・事件検挙等が厳しくなってきたことから、犯罪グループは特殊詐欺への次なる手段として、闇バイトによる強盗へ移行しているとのことみたいです。
SNS投稿からの募集は、犯行を実行をする者をはじめ、受け子や見張り役、リクルーターまでも募集することができ、警察に捕まれば新たな者を募集すれば良いと言う考えで、使い捨てのコマにすぎないという事です。
若者等を闇バイトに応募させない様に、警察をはじめ国ぐるみで取り組みをはじめ、捜査手法や法制度の見直し、支援活動や国際的な捜査共助等、早急にするべき課題が多くあるのも現実です。

私の防犯講演では、子供向けを中心に大人の方へのSNSの向き合い方やスマホの使い方等についても講演をしています!

これを読んで、講演等に興味を持っていただいた方は、お気軽に「日本刑事技術協会」にお問い合わせください。お待ちしています!
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河野博紀 自己紹介
河野 博紀 - 一般社団法人日本刑事技術協会 (j-keiji.org)

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