レントゲン写真で痛みが分かるか?
骨(関節)の変形が痛みの原因だ、と思い込んでいる人は多い。
「自分だけ」で考えると、確かに結びつけやすいイメージだと思う。
でも、少し考えてみてほしい。
そう結論づけるには矛盾がありすぎる。
客観的に見てみたい。
レントゲン写真を見て、痛みの程度を言い当てられるだろうか?
逆に、痛みの程度からレントゲン写真を予想できるだろうか?
レントゲン写真の骨(関節)の変形がひどいほど痛みもひどいのだろうか。
痛みが強いほどレントゲン写真の骨(関節)は変形しているのだろうか。
レントゲン写真には骨(関節)の状態が写っている。
つまり、体の話である。
一方、痛みは感覚である。
感覚はこころの器官である脳のはたらきによって認識する。
つまり、こころの話なのである。
骨(関節)の変形は日によって大きく変化することはない。
一方、痛みは範囲・強さ・感じ方などいくらでも変化することがある。
骨(関節)の変形【原因】 ⇒ 痛み【結果】 だと仮定しよう。
そうすると、骨(関節)の変形を直すことこそが根本的な治療の目的になる。
巷で行われている治療の目的はどうであろうか。
手技療法で骨(関節)の形を変えるという治療法は聞いたことがない。
一方、手技療法で変形性関節症の痛みが改善された話はいくらでも聞く。
これらは何を意味するだろうか。
痛みは感覚なのである。
レントゲン写真に痛みは写らない。
経験からある程度は見当がつくかもしれない。
しかし、そこに明確な法則はないのである。
見落とされがちだけど、とても重要なことだと思う。