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漢方専門医が心配している漢方薬の未来
漢方薬の危機
漢方薬が処方できる医療制度が続くために
私たちが考えなければいけないことを少し辛口で書いてみます
①薬価が安すぎる
麻黄湯とタミフルの薬価の違い
麻黄湯のエビデンスから考える医療経済効果
②原材料が自然の恵みからできている
作り手と人件費の問題
原材料の高騰
③日本経済と医療(世界の中の日本)
医療費抑制の方向に動くが
拡大しない市場には世界から求められることが減る
④医学部教育と今後の課題
漢方薬を正しく処方できる医師の数は増えるのか?
①薬価が安すぎる
例えばインフルエンザの場合
ツムラ麻黄湯エキスは1g7.6円です(2023年9月)
1袋2.5gを1日3回飲むので、7.6✖️2.5✖️3=57円
一方、タミフルは
1カプセル230.2円です(2023年9月)
1日2回 230✖️2=460円
タミフルは5日間内服しますが
麻黄湯は汗をかいて、解熱したら内服は終了です。
医療費の削減をどうやって行うべきか
考えるヒントになると思いませんか?
さらに、麻黄湯のエビデンスは、
・小児のインフルエンザ感染症に有効1)
・インフルエンザ罹患時の食欲不振・活気などは服用開始翌日から優位に改善2)。
・麻黄湯単独あるいは麻黄湯とオセルタミビルを併用するとインフルエンザの解熱までの時間が短縮3)
・インフルエンザウイルスの増殖抑制効果4)
・インフルエンザを含む上気道炎に対して、漢方群の方が受診回数や重症化が少ない5)
ということがわかっています。
一方で、タミフルは1日早く熱を下げる効果があります6)。
麻黄湯は解熱期間も早く、受診回数や重症化が少ないこと、さらに薬価も安いことを考えると、漢方薬の出番が増えてもいいのではないでしょうか?
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