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【Change Leader に聴く 】行政書士事務所Link-Up #3~顧問先への貢献のために求められる成長

政策と事業をつなぐことを基本の路線として歩んできたLink-Up。
代表の北川さんが創業した行政書士事務所は、今では所員10名で力を合わせる事務所となり、新たな取り組みも始まります。

描いていた行政書士のイメージとは一見異なる印象を受けるLink-Upの事業内容や組織作りを可能にしているのは、どのような「力」なのでしょうか。

前回までの内容はこちらです。
#1「政策と事業をつなぎ地方創生へ」
#2「地域活動を通じて芽生えたミッション実現のために組織をつくる」
(※この記事はBe forestの「知的資産の棚卸し」をご利用いただき、制作し公開しております。)



(北川)
働くみんなの仕事の一つひとつを見れば、
補助金の手続きや、許認可の手続き、外国人の手続きなど、ほかの行政書士事務所と、そう大きくは変わらないと思います。

手続きに関しては、スタッフのみんなは自分よりも断然優秀で、知識も豊富です。

他所と当社が違うとすれば、「対応できる領域の広さ」と経営者視点の伴走支援、という点にあるのかもしれません。

支援する業種を限定しない、支援内容も手続きに限定しない

Link-Upの伴走支援型の顧問契約の特徴の一つ「対応できる領域の広さ」

顧問を務める業種を、特定の業種に限定しません。
顧問としての業務も、許認可や補助金申請などの手続きの支援に限定せず、クライアント企業の事業を幅広くサポートしています。
中小企業の法務部のような役割も果たしつつ、営業のコンサルタントに近い役割も担っています。

そもそも行政書士事務所では、「顧問」の形態がほとんど無いそうです。顧問契約を結んでいる場合でも、建設業や飲食業など業種を特定する場合が多く、顧問内容も手続き面からの事業サポートの場合が多いとのこと。
これらと比較すると、Link-Upの顧問形態は珍しいそうです。上場している企業やIT企業の顧問も引き受け、手続き面に限らずマーケティング全般の顧問サービスを提供しています。

加えて、もう一つの特徴が「伴走型」という点です。

(北川)
一人でやってきた頃は、許認可、補助金、外国人など、分野ごとにある手続きを「行うこと」が成果物であり、行政書士としての貢献でした。

ですが、これまで一人で、あらゆる手続きをある程度雑多にやってきたからこそ生まれている自分の思考(=Link-Upの価値観)があります。
今は、この思考でお客様に貢献するのが、Link-Upの中での自分の仕事だと思っています。


社長の意思決定を支援する

Link-Upの伴走支援型顧問契約は、特定の業種や手続きに限ったものではありません。
事業が進んできた段階での手続きの支援に限定せず、
事業を行うに際して中小企業が直面している課題や抱える問題の前さばきを、社長と一緒に進めて行くことに特徴があります。

(北川)
ぼくらができるのは、社長の思考を支援すること、意思決定を支援することです。

伴走というのは
「ぼくらが居るから、できますよ」ということではありません。
社長やそれに近い方の思考をサポートさせて頂き、事業の方針を検討したり、解像度を上げることが本質的な第一ステージだと思っています。

各事業者には、各現場で感じる悩みがあって課題感があります。
その課題が正しい課題認識なのかどうか?の整理がとても大事だと思っています。
正しい努力をしないと絶対に成長はありません。
正しい努力をするための意思決定になっているか、明らかに全然違うところで悩んでいないかが大事だと思います。

こういう事を言っている自分自身すらもできていません。
ですが、"外圧”を使うことには、そういったメリットがあるのだと思います。

士業でありながら、
ある種のコーチングのような関り方でもあるのは独特です。

クライアントの代わりに答えは言わない、導かない。
クライアント自身が、自分で事業に関する意思決定を行うために、必要な情報を提供しながら支援するという関り方がLink-Upのやり方です。

(北川)
次なる回答は、絶対に自分の中にあります。
外の人よりも本人が分かっていることです。
それを、どう、自覚させていくか、正しく認識してもらえるかがすごく重要だと思います。

外から一方的にアドバイスを行ったり答えを示すことはしません。
事業が進む中で次々と判断を迫られる課題に対して
社長の中にある回答を社長自身が捉えるために、力を尽くす。


このような伴走支援型顧問を可能にするLink-Upの力とは何か。

「ありきたりな言葉ですが」と注釈をつけながら北川さんが語ったのは
「聴く力」です。

俯瞰すること 焦点を合わせること どちらも要は「聴く力」にある


(北川)
業務知識や業務そのものの経験は前提にあるとして、さらに重要なのは、
"お客様をお客様以上に読み取れるかどうか”
だと思います。

聴く力、想像する力、
お客様が見ている目線よりも上の目線で見えるかどうか、
こういったことが大切です。
人生経験も関わってくるので、こうやったら身につくというものでも無いと思います。

属人的な仕事になっているとも言えるかもしれませんが、
ある部分では他所とは違うオリジナルな力になっていると思います。

事務所全体でトレーニングや研修が今後は必要になりますが、
僕でもできることは誰でもできること。
これから整えていきたい部分です。

「聴く力」にもとづいた前さばきの在り様は、
つきつめていくと、目配り気配り心配くばりみたいなものだと北川さんは言います。

(北川)
自分ができているか分からないけれど、
寄り添う とか 思いやり という言葉に終着するのかもしれません。
あまり得意な言葉では無いのですけどね。

行政書士として、その後の解決手段や関係性を持っているのも強みだと思います。

クライアントは自分が認識していなかった課題に気づき、新たな意思決定を行います。
その意思決定に従って、課題を解決したり事業を押し進めて行く段階で有効なのが、様々な手続きや補助金の制度です。
事業の実際の実行や実装は、行政書士が進める手続きの支援によりスピードを増し、力を持ちます。


「行政書士事務所で働く」を次のステージへ

(北川)
うちのスタッフは手続き知識に関しては僕よりも優秀です。
各々の手続きを事務所で担当してくれています。

これからの課題は、それらの別個の領域に横ぐしを刺して横断的に捉えることができる人を、どうやって育てて行くか、にあります。

行政書士としての様々な専門分野がありますが、それぞれを繋ぎ横断的に捉えて力を発揮できる人材を育てる。
細かさに加えて、法改正や制度変更への随時の対応も求められる手続きの特殊性を考慮すると、横ぐしを刺して把握し活用できるようになることは、簡単な事ではなさそうです。

(北川)
この分野にはAIを活用していく計画です。3年間かけて整えて行きます。

今、事務所のみなさんがやっている個別の手続きの中で身に着けている個々の思考を、どれだけ自動化システム化できるか、になってくると思います。

この部分は自動化し、
できれば一定層の人たちが社長の思考の整理を支援する意思決定の支援を担えるようになっていくことが、Link-Upとしての次のステージです。

社会的価値を生むためには欠かせないことだと思います。


伴走支援型顧問により、企業の意思決定から実装までを支援し、社会的価値を生む。
そのためにLink-Upの一員として身につけ磨くスキルは、
法務の専門家にとどまらず、事業本体の支援力なのかもしれません。

全4回にわたるシリーズ、次回が最終回です。
最終回では、北川さん・Link-Upとしての新たな取り組みについてお伺いしていきます。
#4 未来は今日つくる につづく

行政書士事務所Link-Upの公式WEBサイトはこちらです。


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