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痛いお話しと、愉快な仲間。                       そして、大ウソつき

さて、前回は石膏ギプスで左足が固定されたところまで、お話させていただきました。

こんな感じ

6人部屋に入院したとお話ししましたが、2つが空きベッドで
私含めて4人での入院生活でした。
もちろん、初めての入院です。
あの冷たいブリキ製のちりとりみたいなやつに、○○するのも初めてだし
尿瓶を使うのも初めてです。
それに、あんな浅いやつに俺の○○は収まるんだろうか?
そして、チャンと自分でふいて後始末できるんだろうか?
また、それをどこに置いとくんだ?
尿瓶のほうは、なんか想像がつく。

これ以上の話は、
noteの品格にかかわりそうなので、割愛させていただきます。🙇‍♀️

さて、同室の皆様の紹介。

隣のベッドは、、タクシーの運転手さんでヘルニアで入院中。
当時は、ノークラッチのオートマチック車なんてほぼ見たことがない時代。タクシーはMT車なので、ヘルニアはタクシー運転手の職業病
だったそうです。

向かいのベッドは、小柄な60代のおっちゃん。
どこが具合悪いのかよくわからない。やたら元気。
めんどくさい病名で本人も、よく分かってなかったみたい。

斜め向かいのベッドには、もう10年以上入院してるという30歳ぐらいの方。
建築現場で、高所から落ちて首の骨を折って首から下が麻痺。
その後、リハビリにて上半身は動くようになったけど、車いす。

この3人、悪童がそのまま大きくなったみたいで、まだ社会を知らない
私にはとても新鮮に映りました。

消灯は21:00だったかなぁ。電気が消され、看護婦さんの懐中電灯を持った
見回りが終わると、向かいのベッドのおっちゃんが
「○○君、○○君」って、ウイスキーの小瓶を私に渡すんです。
「グッ!と飲んだら、隣に渡して。」
イヤァー!びっくりしましたよ。病院でお酒が飲めるなんて。

こんな感じのやつが回ってくるんです

お昼ごはんがすみ、昼の検温が終わると、自由時間。
「○○君、行くよ。」って、示し合わせたように部屋を抜け出します。
私とタクシー運転手さんは松葉杖をついて、おっちゃんが車椅子を押して。

アメリカのコメディアニメに出てきそう

そそくさと、エレベーターに乗り1階へ。慣れた様子でなんのためらいもなくタクシーに乗り、パチンコ屋へ。そして、小一時間ほど遊んで、タクシー呼んで、何事もなかったかのように病室へ。  看護婦さんが
「アレ。みなさんどこ行ってたんですかぁ。また、パチンコですかぁ」
「もう~。また婦長に怒られますよ。」
イヤ~!いい部屋に、入院したもんだ。目からウロコでしたよ。

看護婦さんが言ってました。
看護婦さんは、ローテーションで各科を異動するそうなんですが、
整形外科が一番いいそうです。動けない患者さんがいて
肉体的にきついこともあるけど、だいたいの方が時間がたてば元気に
退院していくから。
それに、食事制限は、ほぼないし。みんな明るいので。
なるほど。

各フロアには食堂があり、そこを起点として90度に病棟が分かれており、
整形外科は小児科と同じフロアでした。
動ける人は、食堂で食べるシステムで、子供たちとワイワイやりながら
食事を楽しみました。
この食堂で、車いすの方は特別に許可をもらい、消灯後、
建築設計の勉強をしてました。(偉いなぁ)

でも、やはり病院。つらい出来事にも遭遇しました。
交通事故で運び込まれた30代のご家族。
お父さんと子供は外科病棟へ、お母さんは整形外科に入りました。
大腿骨骨折のようで、病室で大腿骨に穴を開けそこにワイヤーを通して
牽引してるようです。(スッゲェー!)
(運び込まれた時、その病室から「ウィ~ン」って音がしてました)

そして何よりつらいのは、子供は助からなかったそうです。
運び込まれて3日たつけど、お母さんにはまだ伝えられてません。

看護婦さんが、色々とお話ししてくれました。
今では考えられません。個人情報はどうしたのかなぁ。
そういう時代だったんでしょう。

何だかんだで、1ヶ月近く入院してました。
そろそろ、飽きたなぁ。
「○○さん、あともう少しリハビリ頑張ってから退院しましょうか。」
イヤ、先生。そろそろ、退院させてもらえませんかねえ。
「でも、○○さん。おひとりでしたよねぇ。怪我のほうはもう大丈夫ですが
食事とか買い物、その他もろもろは大丈夫ですか。」
ハイ。大丈夫です。友達とかもいますし。
「そうですか。彼女とかもいるんですね。」
ハイ!(世界一の大ウソつき!)
「わかりました。考えましょう。」

同室の例の3人が
「○○君、彼女いるんだぁ。へぇ~」
あの元気なおっちゃんが
「一回もお見舞いに来ないね。そんな彼女別れたほうがいいよ。」
と、鋭い指摘。

この後一人暮らしのアパートで、えらい目に合うことも知らずに
左の下腿を石膏ギプスで固定したまま、松葉杖をついて
退院しました。

今回はここまで。


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