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ある、1日

「すみません、エレベーターホールはどこですか。」
後ろから急に、艶っぽい響きで声をかけられた。
びっくりした体で、「アッ。そこを曲がってすぐです。」
「アッ!そう。」
ソバージュとミニスカートからのぞく、はち切れんばかりの
おみ足が、他を圧倒した空気を漂わせていた。
アラ、素敵なお姉様だこと。  ん!まてよ。
20分ぐらい前に、入ったばっかりのお客様じゃないか?
エッ。じゃ、あのおじいちゃんはどうしたんだ?
置いてけぼりか?
そういえば、さっき、車が入って来て、出てくる様子もなく
なにかを、待ってる様子だったなぁ。
それから、1時間。おじいちゃんは、1人で帰っていった。
しっかりと、お風呂には入って。

来た来たきたよ~!
五分後に始まるよ~!
ほら、始まった!
ここまで、聞こえるって、すごいよねぇ!
これ、絶対わざと聞こえるようにしてるよね
うち扉閉めておけば、音は漏れてこないはずだもんね。
ろうかで、すれ違ったお客様に言われちゃった。
「あの部屋のお客さん、大丈夫ですか?」
「はい。大丈夫です。」

駐車場を掃き掃除してたら、  ン!車にペタペタメモが貼ってある。
「あんなに、燃えたのに。」
「私以外では、もうダメだ。って言ったのに。」
「私の○○○〇を飲んだのに」
「○○○もあげたのに。」
もう、書けない!
定時になり、帰ろうとしたら
駐車場から、声がする。男と女2人、すごい剣幕で対峙している。
怖い、怖い。  帰ろ!

廊下をモニターで見ていたら、
杖をついた、今にも倒れそうなおじいさんが、ヨタヨタと歩いていた
足はすり足で、ひざは上がってない。
いつ転んでも、おかしくない。
お連れの方は、サッサッと歩き、ドアを開けて
早く来いとでも、言ってるように見える。
おじいさんは、ますます焦って、フラフラしてる。
部屋に着くころには、体力使い切ってしまうんじゃないかと、
心配になる。
これで、浴槽はまたげるのかと、不安になる。
救急車は、いやだよ!
なのに、このおじいさん自身が、車を運転してきたそうだ。
うっそだろう❗

「お部屋のお掃除お願いしまーす。」
「は~い。」 よっこらしょっと、行ってくるか。
ン! 15分前に入ったお客さんだよ。何しに来たんだ?

この部屋、もう20時間も経ってるけど、大丈夫かね。
余計な、おせわでしょう!

ルームサービス持ってくと、最近は女の人が受け取るけど
最近は、そうゆうものなの?

あ~! 今日も1日面白かった。
帰って、酒飲んで、寝ちゃお❗






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