お疲れ小説3-2(ショートショート)
「寝てるだけで日給5万!」
ある日、こんな広告を見つけた。
どう見ても胡散臭いが、
見つけた場所が電車だったため
妙に信憑性があった。
寝てるだけで日給5万、魅力的だ、、、
一応、募集要項を確認。
条件1「直近1週間の平均睡眠時間8時間以下」
条件2「会社員など働いている方(無職❌)」
条件3「1日中予定の空いている方」
ここまでは意外と普通だな。
条件4「スタッフにバイトのことを詮索しない」
※このバイト中に何かトラブルがあっても
当研究所は一切の責任を負いません
いやいや、急に怖いこと書いてきた
でも寝てるだけでトラブルなんてあるか、、?
これぐらいの条件ならやってみるか。
「それでは、こちらのお部屋で最低16時間は
寝てください、ご飯はこちらのボタンを
押していただければお届けします。」
16時間か、最近の睡眠時間を考えれば
余裕で寝れるな。
しかも3食付き、
寝て起きて食っての夢のような生活をして
1日5万、最高だ
「寝る時は、データ採集のため
こちらの帽子をかぶってください。」
渡されたのは、ニット帽の様な形をした
一見なんてことない帽子だった。
何のデータを採集出来るんですか?と
聞こうとしたが、詮索しないルールのため
聞けなかった。
まぁ、何はともあれ
あとは寝るだけ、とりあえず一眠りしよう
「所長、すごいですね!
まだ100人なのにもう水力発電ぐらいの
発電量です!」
「人間の脳みそは
かなりのエネルギーを消費しているからね」
「それを効率よく回収するために開発したのが
あの帽子なんだよ」
「まぁ、目覚めちゃうと回収出来なくなるから
植物状態にしなくちゃいけないんだけど」
「なんで睡眠不足の人なんですか?
普通の人でも良さそうですけど、、」
「脳が疲れてる方が回復しようとして
よりエネルギーを体から持ってくるんだよ」
「なるほど、
ちなみに死ぬまであの状態なんですよね。
よく政府が公認してくれましたね」
「今この国はエネルギー不足、
人口も減らせてエネルギーも生産できるから
非人道的でも政府は公認しちゃうのよ」
「寝てるだけで日給5万!」
条件1「直近1週間の平均睡眠時間8時間以下」
条件2「会社員など働いている方(無職❌)」
条件3「1日中予定の空いている方」
条件4「スタッフにバイトのことを詮索しない」
※このバイト中に何かトラブルがあっても
当研究所は一切の責任を負いません
人間発電所