診断書を目標に通院開始

スクールカウンセラーさんに高校でもGIDの対応をしてもらうためには医師の診断書が必要になる、診断書をもらうには2年ほどの通院が必要だと聞いたため、シンヤと話し合いをして定期的に通院を始める事になった。

まずは街のかかりつけ小児科医に小学生時代に紹介してもらった、不登校などを診ている小児科医(のちのサードオピニオン)に「高校入学に間に合うように診断書をもらう事を目標に、いずれ専門医に紹介して欲しい」と明確にした上で通院を始めた。

サードオピニオンのDr.は専門医や治療に関しては私とほぼ同等の情報しか持っていなかったため、めぼしい専門医を私とドクターでそれぞれ探す宿題を次回の診察までにやってくるという感じだった。

時は世界的に感染症が流行していて、これまで新規患者受け入れをしていた病院も新規受け入れ停止中だったりで、なかなか紹介先が決まらなかった。
サードオピニオンDr.は将来的にオペをする事を希望しているならGIDに長けた大学病院に紹介したいようだったが、新規受け入れ停止中でその道が途絶えている。

結局、大学病院に勤めていた経験のある医師が立ち上げているクリニックを探し当てて先に予約を取ってしまい、サードオピニオンにお伺いを立ててOKをもらって紹介状を書いてもらった。(ダメと言われたら予約を取り消して新たに別の場所を探すしかないと思っていた)

実際に受診して体感した事だが、大学病院にこだわらなくても性同一性障害や性別違和に詳しいクリニックにGID認定医がいたりもするので、私の個人的なおすすめはGID認定医がいる所だ。
理由は認定医は診断に必要な検査や治療の知識があり、何もわからない状態で受診してもわかりやすく説明してくれて段取りよく検査の指示などをしてくれるからだ。

そうは言ってもGID認定医はそもそも人数が少ない。そこに患者が殺到するので予約が取りにくかったり都合の良い曜日に受診ができなかったり、通院が遠くて交通費がバカにならないという現状もある。

診断には少なくとも2人の専門医(精神科医)が必要なので、認定医の定期受診が難しいようであれぱ、GID患者を診てくれる比較的通いやすい精神科医をファーストオピニオン、そこから認定医またはGIDを診てくれるもう1つの病院を紹介してもらってセカンドオピニオンにするのもお勧めだ。

シンヤは
サードオピニオン(小児科医)
ファーストオピニオン(サードからの紹介状、GIDを診てくれるDr.)
セカンドオピニオン(ファーストからの紹介状、GID認定医)
の3ヶ所を通院する事になった。

サードは自宅から1時間、ファーストとセカンドは自宅から3時間ほどかかる。
セカンドは認定医だが土曜日の午後は診察していなかったり私の都合がつきやすい曜日が休診日だったりで通いにくい。
ファーストは認定医ではないが土曜の午後も私の都合がつきやすい曜日も診察しているので、通院距離は同じぐらいだが通院予約を取りやすいという理由で通いやすかった。

GIDのガイドラインでは、少なくとも精神科医2名が診察をし、できれば1人は認定医が望ましい。と書かれている。望ましいとぼやけた言い回しなのは、強制できるほど認定医がいないから、のようだ。

2人のDr.に診てもらえば良いのだが、シンヤがサードオピニオンを残しているのには訳がある。
初受診が小学生という年齢の問題。(意見書作成に初受診のDr.のサインが必要な場合がある)
今後の検査(血液検査や第二次性徴の進み具合の診断等、体の診察)を受ける場所として。
リュープリンや男性ホルモン剤治療を受けるための条件に初受診からの年数が必要。
リュープリンや男性ホルモン治療などが始まり長期にわたる場合、導入時は専門医に担当してもらうがルーチン(薬剤投与量や投与間隔が定まって、あとは投与するのみ)になったら近場のサードに戻してもらえる
などである。

基本的には専門医(精神科医)の診察を何年受けていること。などの条件がクリアしていないとできない治療がある。小児科医を受診しているだけでは診察年数に数えてもらえないが、GIDガイドラインには患者が子供の場合は必要に応じて小児科医も関与すべきだと書き添えられている。
特に小児精神分野(不登校等)の診察をしている小児科医の場合は精神科とかぶる部分も多く精神科医の受診と同等という判断で診察年数に数えてもらえる可能性がある。

例えば学校に行きづらいとかイジメられて不登校になり小児科を受診していたが、実は女子は体育の授業でサッカーをやらせてもらえないのが嫌で登校しなかったとか、実は学校で男のくせに女っぽいから変だと言われていじめられていたけど心は女だから男らしくすればいいと言われていたのが辛かったとか、カミングアウトを後で受けた時にGIDの初受診日がカミングアウト後になるとも限らず、不登校で受診していた時からにさかのぼれる可能性もある。(意見書作成の時に専門医に相談してみると良い)

こうして紹介状をもらってファーストオピニオンを受診する事になるのだが、そこでまた私に宿題が出る。

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