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23 専門科目 貿易の授業

最近の貿易の授業では2年生の留学生(アジア各国から日本に来て4年目)

には次のようなことを教えています。


テーマ1 信用状(L/C)が貿易の決済に果たす役割と決済フロー


留学生たちがアルバイトでお世話になっている

コンビニでの代金支払いは、

商品引渡と同時履行の関係にあり、

代金とりっぱぐれ(売手リスク)、

商品引渡なし(買手リスク)

といったリスクがない。

これに対し、貿易では、輸出者と輸入者はお互いに知らない仲であり、

海を隔てて対面もしていないことから、

代金支払いに  L/C  という工夫がなされてきた。


A   L/Cは、輸入者(金を払う人)の取引銀行が発行し

輸出者の取引銀行(通知銀行や買取銀行)を経由して輸出者の手元に届く

B    L/C は、輸入者取引銀行であるL/C発行銀行が、貿易決済を

輸出者取引銀行買取銀行)に、「保証する」ものであるから、

L/Cを入手すれば、輸出者は、貿易代金決済の心配をしなくてもよくなる。


C    L/C 入手後、(安心を得た)輸出者は貨物を船に積み込み

B/L(船荷証券)を船会社から入手する。その他、

保険証券、インボイスと共にDraft(為替手形)を作成する。

D    Draft とは、輸出者が作成する為替手形であり、支払人にL/C発行銀行、

受取人に輸出者取引銀行である買取銀行を指定する、請求書と考えられる。

E   輸出者は、Draft、B/L、保険証券、インボイス及びL/Cを買取銀行に買い

取ってもらう形で、輸出代金の支払(買取銀行による立替払い)を受ける


  輸出者が、 輸出代金の支払を買取銀行から受ける時には、まだ、

貨物は輸入者に到着しておらず、輸入者が支払いを済ませてもいない

このようなことが可能なのは、L/C というL/C発行銀行(輸入者取引銀行)に

よる保証があるからである。

   Draft、B/L等は、そのあとL/C発行銀行へ送付される。


 貿易代金支払い義務を負う輸入者は貿易代金をL/C発行銀行に支払い

B/Lを受取る輸入者は,B/L を船会社に呈示することにより

到着した貨物の受取が可能になる

I   L/C発行銀行は、輸入者より受取った貿易代金を買取銀行へ送金する。

これにより、買取銀行が行った立替払いはチャラになる


J  B/L(船荷証券)は、貨物引換証であり、裏書により、転々流通する。

輸入者が、貿易代金を支払わない場合、L/C発行銀行はB/L(船荷証券)

商社等に譲渡することにより代金回収が図れる


どうでしょう?

これを日本語で配布したプリントにもとづいて説明されたら、

来日4年目の留学生たちは理解してくれるでしょうか?

分かった学生は、難しいけれど納得という顔をしてくれ、

こちらも安心ですが、

それは、日本語能力の高いクラスで1/3 くらい。

部分的にわかる、聞いている、が1/4 くらい。

約半数は、聞いていない、もうこの科目はいいや、

最初は聞くつもりだったけど、もうやめた、など。

そんな授業でも、留学生は、学費を払って出席してくれている。

出席するのは、留学ビザ更新時に出席率の縛りがあるから

当校は2年制が主力ですが、ビザは2年間与えられず、通常1年ごとの更新と

なっているようです。

ビザ更新時に、出席率が悪かったり、アルバイト週28時間以内の

ルールを破ると、母国に帰るか、違法在留するかになってしまう❣

分からない、興味がない授業でも、日本にいたいから

私のつたない授業に出てくれている愛すべきアジアからの留学生たち

何とかしてあげたいと思うのですが--------





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