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♯66涙の塩むすび

ポータブルの酸素ボンベを引きながら、電車に乗り込んできたお爺ちゃま。奥さまが寄り添いながら。目の前にいた30代くらいの男性が、ニコッと笑って席を譲る。

そのご夫婦に出逢い思い出したことがある。離れて1人で暮らす72歳の義母が甲状腺癌で認知症に。病院の『きまり』で一定期間以上の入院はできず退院を、とのお話しが。さて困った。

慌てて施設を探したけれど予約待ちでいっぱい。やむを得ず在宅で1人暮らしのために必要な物とサービスの手配が必要になる。

4歳と7歳の娘をワンオペで育てながら仕事をしていた20年前のこと。介護保険制度が始まったばかりで周りに介護をしている人はほぼいなかった時代。

仕事で忙しいという連れ合いを当てにして、協力しながらの介護に何度も肩を落としてため息をついていたあの頃。娘たちにドリルやおもちゃ、塗り絵を持たせて車を2時間走らせ、やっと2人が座れるくらいの狭く散らかった義母の家に到着。

使い慣れないキッチンで義母のリクエスト塩むすびを握る。仕事に疲れ、家事に追われて、介護も重なり涙が溢れて止まらなかった。

それでも娘たちのキャッキャと言いながらふざけた笑い声を耳にして、ハッと我に返り母そして嫁に戻る。仕事も家事も介護も目の前のことにただただ一生懸命に。

人生は1度きり。

「できない」ことも
「力を抜く」ことも
「助けてって言う」ことも悪いことじゃない。

だからもう、自分に嘘をつくことをやめたら愛と豊かさだけが目の間に広がっている。

こちらで縁のある方が、自分らしく心の声を大切にしながら喜びに満ちた今を生きられるよう祈っています。

あなたから頂くご支援の気持ちは、活動費としてさらに大きな愛にして世の中へ循環して行きます♪ありがとうございます♡