困難は分割せよ!ピアノは部分練習をせよ!
この本は仕事術の本なのだが、プライベートの面でも活用できる、と聞いて時間を節約したい私は読んでみた。
簡単にいうと、仕事はラストスパート志向ではなく、最初に全力疾走をする、という仕事術だ。
で、この本の中で出てきた、デカルトの言葉がこれだ。
「困難は分割せよ」
ピアノを教えている私としては、この言葉を聞くと「ピアノもそうだよ!」と生徒に訴えたくなる。
どんなに難しい曲でも分割すると弾ける箇所がある
ピアノを習うと、(他の楽器でもなんでもそうだけど)課題になる曲のレベルが少しずつ上がる。
そりゃそうだ、上達するために組まれているカリキュラムだ。
最初のうちはほとんど練習しなくてもすぐに弾けるような曲だったり、一度に1つの音符しか弾かないから割と簡単にクリア出来たりする。
ゲームだってレベルが低いうちは簡単にレベルアップ出来るよね。
ところが、ある程度のレベルになると、1曲マスターするまでに時間がとてもかかるようになる。
いや、曲の最初の部分が弾けるようになるまでだって時間がかかる。
ある程度のレベルに達した生徒は、課題になった曲が難しいからと言ってすぐにギブアップしてしまう(私の生徒の話だが)。
その度に口を酸っぱくして言ったものだ。
「この課題の曲を最後まで弾けるようになっていなくてもいいから、まずは1小節目だけ片手で弾いてごらん!」
「これでも難しい?
だったら片手で最初の2つの音だけ弾いてごらん。ほら、ド〜ミだよね。弾けたよね。
次は3つ目の音にしようか?」
自分が「難しい〜弾きたくない〜」と思わないレベルまで分割すればいいのに、楽譜をパッと見て
「たくさん音符がある、この曲弾けない!」と訴える生徒のいかに多いことか!(日本は違うかもしれないけれど)
私が言っているのは、手が小さくて掴めない和音がある、とかそう言った物理的に無理な箇所のことではないのだ。
部分練習をしようよ〜!
ピアノ学習者の方はおそらく誰もがわかっていることなのだとは思う。
いつもいつも最初からばかり弾かないで、上手く弾けないところだけ取り出して部分練習をすることが大事だということを。
でも、これが面白くない、という生徒の気持ちもわからないではないよ。
弾き始めたら途中で止まりたくないのもわからないではないよ。
だけど、それだといくらたってもその曲が弾けるようにならないよ〜!間違わずに弾けるようにならないよ〜!
私の大人の生徒さんのレッスンでは、とにかく楽譜通りにある程度はすらすらと曲が弾けるようになればOKとしている。
そのためにレッスン中には「この2小節だけ弾いて」とか「もう一度この2小節だけ!」と何度も何度も繰り返して部分練習をさせる。
その時、「この跳躍が苦手ですね!では跳躍の練習をしましょう!」と、その部分だけ練習させる。
が、だ。
「ここだけだと簡単です!出来ます!(成功確率は50%くらい)」
いや、その部分だけだと簡単でしょ?この部分だけの時は成功確率を100%にしようよ。
両手で弾くのが大変な箇所は、改めて片手づつ練習。
「片手だけだと弾けます!この練習は無駄です!」
あのね〜!!💢
でも両手一緒だと弾けないのでしょ?だったら片手だけで十分すぎるくらい練習して!
だからデカルトも言っているじゃん、
「困難は分割せよ!」