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映画感想文3「トップガン マーヴェリック」 たかが現実ごとき
※ネタバレあり
この映画を劇場で初めて見た時のことを覚えている。予習した前作「トップガン」の雰囲気に近いことに驚いた。30年近く経っても、相変わらずマーヴェリックは音速で建物を壊し、ノーヘルでバイクに乗っている。
軽快な本編をみながらも、胸騒ぎがしていた。すべてがマーヴェリックの死亡フラグに見えたからだ。訓練では無双の強さで誰もが憧れる姿を見せて、最後に華々しく散る。そんなマーヴェリックの花道映画に見えた。
だから、ルースターを守って撃ち落とされた時、なんとなく予感していた通りだと思った。今の時代、ハチャメチャなヒーローなんてのは生きていけないんです。そういう苦くて悲しい現実を見せられたようだった。そして、画面が暗転した。
普通に生きていた(笑)。そして、普通にトム走り(笑)。当たり前のように生きていたことに驚いて、僕は思わず笑ってしまった。少年の頃のワクワク感がよみがえった。現実が苦しくても、映画を観ればそれを乗り越える力をもらえる。信じさせてくれる。そんな夢みたいなことを思い出させてくれた。
F-14が飛んでからはずっと泣いていた。凄い。本当に凄い。映画を観ていてこんなに心と体が軽くなったのは久しぶりだった。トム・クルーズであっても現実には勝てないと思っていた。僕は間違っていた。たかが現実ごときがトム・クルーズに勝てるはずないのだ。
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